対人恐怖症のカウンセリングをしてきた中で、もっとも対応することが多かったのがアダルトチルドレンです。

親子関係の問題によって生まれるアダルトチルドレンは、対人恐怖症だけでなく依存症やうつ、摂食障害(過食拒食)等にもなりやすい。

精神疾患が表面化していなくても生きづらさを抱えています。

無意識に目を背ける否認があるため、自分がアダルトチルドレンだと自覚しづらいのも問題です。

本記事では対人恐怖症との関連性をお伝えしていきます。

アダルトチルドレンが対人恐怖症になりやすい理由

安心感がなく誰と一緒にいても不安

アダルトチルドレンは「親に愛されなかった」と感じているため、愛されたい欲求を強く持っています。

愛されたいがため相手を中心に考えるから、期待に応えようと頑張りすぎて気が休まらない。

相手に合わせて当たり障りのないコミュニケーションばかり取ってしまう。

結果として表面的な人間関係しか築くことができないため、心が触れ合う安心できる関係になることができません。

もし、誰かから愛情を得られたとしても信じきれず、見捨てられないかどうかの不安に悩み続けます。

人に対する安心感がないから不安や恐怖を感じて緊張状態になってしまうのです。

相手の問題を自分の問題にすり替えてしまう

アダルトチルドレンは家庭環境で常に問題を背負ってきました。

親の問題を自分の問題にすり替えられ、解決するためにずっと頑張り続けています。

だから、他人との関係でも相手に問題があるという認識ができません。

明らかに問題があって誰もが距離を置くような人と我慢しながら一緒に居続ける。

理不尽なことを言われても相手がおかしいと思えず、自分がおかしいと思って自信を失っていく。

人とかかわるたびに疲れ果て、鬱々とした気持ちになり、人に会うのがものすごく嫌なことになってくるのです。

些細なことに傷付きやすい

親子関係で抱えたトラウマの影響で心が過敏な状態になっています。

  • 相手が冗談で言ったことを真に受ける
  • 感情的になっている人がいるとビクビクする
  • 否定的なニュアンスの言葉でダメージを受ける

相手の何気ない態度や言動で傷付いてしまうため、人とかかわることにしんどさを感じやすいのです。

信頼できる人に気になることを話しても理解されず、気にしないようにしようと思ってもできない。

傷付くのを避けたいから人と距離を置く、壁を作るような感覚が出てきて対人恐怖症になっていきます。

アダルトチルドレンによる対人恐怖症は根深い

愛情飢餓感が強いため「愛されたい」気持ちばかり目立つのですが、その裏側には愛されなかった悲しみがあります。

アダルトチルドレンは、この悲しみを感じないレベルまで無意識に抑え込んでいるケースがほとんどですので、自分で気付こうと頑張っても気付くことはできません。

日々、自分の感情に目を向ける習慣をつけながら、カウンセリングで自分のことを話していく中で少しずつ抑圧された悲しみに気付き、解放できるようになっていくのです。(この辺りがスピリチュアル系のセラピストが好むインナーチャイルドを癒すことに当たるのでしょう)

そして、少しずつ悲しみと向き合って自分の中で受け止められるように、自分の本音を優先する時間を延ばしながら時と共に心を成長させていきます。

成長の過程で自己肯定感が高まり、自分で自分を愛せるようになったときに、アダルトチルドレンは克服できたと言えるのです。

幼少期から培われた否認の習慣により自分と向き合いづらく、カウンセラーに依存しやすい傾向もありますが、適度な距離感を保ちながら改善できるようサポートしております。

アダルトチルドレンによる対人恐怖症で苦しんでおられるのであればご相談ください。

⇒アダルトチルドレンを克服するカウンセリング