周りを気にせず電話ができている女性

職場で電話をかけるとき、かかってきたとき、周りに人がいると聞かれているような気がして話しづらいという悩みは少なくありません。

電話をかけるときはなるべく近くに人がいない時間を見計らったり、営業職の人であれば誰もいない場所に移動して携帯で電話したり。

周りに聞かれたくないと思うと自由に電話できず、余計な神経を遣うことになるからしんどいですよね。

周りの人に電話を聞かれることが怖いと思う原因から、周りを気にせず電話ができるようになる方法をお伝えしていきます。

電話を周りに聞かれるのが怖くなる原因

自信のなさ

自信がないことは電話を聞かれるのが怖いと思う原因になります。

自分の電話対応に自信がなく、周りにどう思われるかが気になってしまう。

変な言葉遣いをしているんじゃないか、間違った対応をしているんじゃないか、ぎこちない会話になっているんじゃないか…

意識するから緊張して実際に噛んでしまったり、変なことを言ってしまったりする悪循環。

電話対応以外でも仕事ができていないんじゃないかと周りの目を気にしています。

とくに目上の人からの評価は気になりやすく、プレッシャーを感じて緊張してしまう人は多いです。

間違った対応をして誰かに指摘される、怒られることへの恐れが影響しています。

周りの情報を拾いやすい傾向

人は自分が気にすることを他人も気にすると思いやすいところがあります。

他人が電話で話しているのを自分が気にしているから、周りも気にしているのではないかと思ってしまうわけです。

  • 繊細さがあって他人の情報を自動的に拾ってしまう
  • 自分ではなく他人にばかり意識を向けている
  • べき思考で他人の電話対応をチェックしている

こういった状態になっている人は自分が電話をしているときに聞かれている感覚になりやすい。

電話対応だけでなく自分の仕事ぶりを周りの人たちが監視しているかのように感じるケースもあります。

電話にまつわるトラウマ体験

私自身も周りの人に電話を聞かれるのが怖くて仕方ない状態になった時期があります。

以前勤めていた投資用不動産の会社で毎日200件以上営業電話をしていたのですが、その電話機にはイヤホンが取り付けられていて上司にお客さんとの会話を聞かれていました。

電話口のお客さんを上手く言い包めることができず、いつも上司に怒られ、暴力まで振るわれていたのを覚えています。

その会社を辞めて新しい職場へと移ったとき「誰かに聞かれてるんじゃないか?話し方が変だと思われるんじゃないか?」という考えが出てくるようになり、「いや、聞かれているはずはない。もうイヤホンも付いてないんだし。」と自分に言い聞かせても電話を聞かれるのが怖くて仕方がない状態になっていました。

ここまでの体験をする人はなかなかいないと思いますが、お客さんに怒られる、対応を間違って恥ずかしい思いをするといった体験がトラウマとなり、電話を聞かれるのが怖くなってしまうことはあります。

周りを気にせず電話ができるようになる対処法

相手の話に集中する

私がトラウマの影響で電話を聞かれる恐怖心を抱いていたとき、一時的にその苦しみから解放される時間がありました。

それは話が面白いお客さんと電話で話していたときです。

そのときだけは、なぜか周りに自分の話が聞かれているかどうかが全然気になりませんでした。

「相手の話に集中できているとき」は気にならなくなっていたわけです。

でも、相手の話に集中するのは難しいですよね?

意識してもなかなかできないと思いますので、以下の方法を試してみてください。

  • 電話の相手が次に何を話すかを予想しながら話を聞く
  • 電話の相手が話してくれた内容に対して何か一つ質問しようと思いながら聞く
  • 電話の相手が何を伝えたくて話をしているのか考えて聞きながら、その答えを「~ということでしょうか?」と相手に確認する

この3つのいずれか、自分にとってやりやすいと思うことを実践してみましょう。

相手の話に集中することができれば周りが気にならなくなります。

事前準備をしておく

自分から説明をするという行為になると、ただ電話を受ける場合とは違った対処が必要となります。

基本的に相手が説明を聞くという姿勢になっているため、相手の話に集中する方法が通用しないケースがほとんどですからね。

以前いただいた電話にまつわる体験談をもとに対処法をお伝えします。


自分から説明をしなくてはいけない時に、「どうやって説明すればいいのだろう?」と、自信がなく、しどろもどろの説明の途中で声が小さくなり、喋るのをやめてしまうのです。

そして、「わからない」と言われて、結局伝わらず・・・


このような場合は『事前準備』が一番効果を発揮します。

事前に説明するトークの台本を自分で作っておく。そして、実際の電話中はそれを読むことだけに意識を向けて説明する。(準備する時間がないときは、伝えないといけない重要な単語だけ書き出しておく形でも大丈夫です)

相手とのやり取りが発生する場合であれば、質問を受けてあたふたしながらも何とか対応しているリアルな自分をイメージしておいてください。

不安になると何かに縋りたくなる気持ちが出てくるため、それを準備しておくことで落ち着いて対応しやすくなるのです。

ゆくゆくは自信を積み重ねて事前準備をしなくてもいいようにしていくことが大切ですが、今すぐにはできないので対処法でしのぎながら少しずつ取り組んでいきましょう。

周りに人がいる場面で電話をする怖さを改善するために

不安や恐怖に立ち向かえる考え方を身に付ける

「上手く話せなかったらどうしよう、ちゃんと話を聞き取れなかったらどうしよう」といった不安。

「相手を怒らせてしまったらどうしよう、上司に指摘されたらどうしよう」といった恐怖。

こういった不安や恐怖に飲まれている状態であるため、立ち向かえる考え方を身に付けることができれば大丈夫になります。

  • 電話対応が上手くできなかったとしても「今の自分にできることはやったから仕方がない」と考える
  • 怒られたときに自分だけの責任にせず相手の責任にも目を向けて分散する
  • 1回の電話を自分が生涯経験する電話の回数(数千回、数万回以上)のうちの1回でしかないと思う

一般的に「怒られても死ぬわけじゃない」といった考え方もありますが、「死ぬわけじゃないとわかっていても怖い」と言う人がほとんどなので、別の考え方をお伝えしました。

人によってどの考え方が合うかはわからないため、上記以外の考え方を知りたい方はご相談ください。

他人に向く意識を緩和する

周りの人に意識が向きすぎていることが電話を聞かれる怖さにつながっています。

周りではなく自分に意識を向ける度合いを高めましょう。

「自分が何のために電話をかけるのか?」「電話を受けるのは何のためか?」

自分にとって電話で話す目的がはっきりしている状態になれば、周りにどう思われるかに向く意識は軽減されます。

  • 相手に伝えたいことがあるから電話をする
  • 営業をかけて仕事を取りたいから電話をする
  • 気になっていることを確認したいから電話をする
  • お客さんの困りごとを解決したいから電話を受ける
  • 電話対応を上手くできるようになりたいから電話に出る

電話で話すという手段を使って自分がやりたいことは何かを考えてみてください。

2つの評価基準を持つ

周りの評価ばかり気にしている状態では、自分が電話で話す内容を聞かれることへの怖さをなくすことはできません。

「自分が自分にする評価」というもう一つの評価基準を持つようにしましょう。

電話でちぐはぐな受け答えをしてしまったとします。

聞いていた人には「変なこと言ってるな」と思われるかもしれませんが、自分目線で見れば「何とか対応できた」と思うことができます。

他人の評価基準で100点中30点だったとして、自分の評価基準で60点をつけることができれば「まあ、いいか」となりやすい。

電話対応が下手でも周りを気にせず話している人は、自分の評価基準を持っていて及第点をつけることができています。

自分の評価基準だけで満足しきってしまうのは問題ですが、他人の評価基準だけで自分のダメなところばかり見るのも問題です。

他人の評価と自分が自分にする評価、両方を大事にしてください。

⇒電話恐怖症を克服するカウンセリング