人と目を合わせられない自己視線恐怖症

人と目を合わせられない自己視線恐怖症

「相手の目を見ようとするとどうしても睨んだ感じになってしまうんです…だから、できるだけ目を合わさないようにしてるんですけど、ちゃんと目を見て話さないと失礼じゃないですか?どうすれば睨まずに目を合わせられるようになるのでしょうか?」

対人恐怖症の一種である自己視線恐怖症で悩んでいる方からよくこういった感じのご相談を受けます。

自分の視線が相手に嫌な思いをさせてしまう、迷惑を掛けてしまうと思うあまり、人と普通に目を合わせることができないのです。

ジレンマに苦しむ自己視線恐怖症

人と目を合わせないといけないと思っているのに目を合わせると睨んでしまう

目を合わせないのは相手に失礼だと思って合わせようとするのですが、合わせたら合わせたで睨んでしまうわけですからどうしようもありません。

結局はできるだけ目を合わせないようにしながら頑張ってたまに目を合わせるという行動になります。

目を合わせないようにしていると相手に失礼だと思われる(人間関係が築けない)

目を合わせるという行動をとったとしても相手を睨んで迷惑を掛けてしまう

どちらを選択してもよからぬ結果になるわけですから、どちらを選ぶにも選べないジレンマに苦しんでいるのが自己視線恐怖症の特徴です。

睨みたくないのに睨んでしまう自己視線恐怖症のメカニズム

私たちは、小さい頃から親や先生から「ちゃんと目を見て話しましょう」「〇〇ちゃんは目を見て話すから賢いね」等といった感じで、目を見て話すことが正しいことのように教えられて育っています。

確かに目を合わせて話した方がいい面もありますが、基本的に日本人は目を合わせて話すのが苦手です。

恥の文化が根付いている日本では「自己主張せず周りに合わせること」「空気を読んで察すること」が美徳とされているため、目を合わせることで本音がばれるのはまずい。「目は口ほどに物を言う」という諺があるくらい目というものに敏感なんですよね。

にもかかわらず、目を合わせないのは相手に失礼だ等と頑張って目を合わせようとすることによって、肩や首に余計な力が入り緊張状態になります。

緊張状態というのは戦闘モードに入ったのと同じ状態ですから、目にも力が入って目つきが鋭くなってしまうのです。

それでも、自分の感情を上手く吐き出せているなら睨むまでにはならないのですが、自己視線恐怖症で悩んでいる方は感情を抑え込んでいる傾向が強く、とくに自分の怒りを表現しないため無意識に睨んでしまうという結果に至ります。

自己視線恐怖症を克服するために

自己視線恐怖症を引き起こしている大きな原因として固定観念と感情の抑圧があるため、それらを解消していくことが必要なのですが、まずは自分の中にそういう問題があるんだと認識することが必要となります。

ただ、「こうしないといけない」「これはやってはいけない」という固定観念も感情の抑圧も習慣化されて無意識になっていることから、自分だけではなかなか認識できません。

ですので、カウンセリングを受けながら自分自身と向き合っていくことによって少しずつ認識できる状態にしていきます。

認識できたら固定観念を崩そう、感情を解放していこうと思うのですが、なかなかそうはさせてくれません。

自己視線恐怖症で悩んでいる期間が長ければ長いほど強烈に染み付いてますから、変えようとしてもビクともしないんですよね。

例えば、認知療法や論理療法的に目を合わせなくてもいい理由を考えてみたり、目を合わせなくてもいいんだと言い聞かせようとしても全く効果が出ないのです。

ではどうすれば効果が出るかというと、他の視線と関係ない小さな固定観念を崩しながら、視線にこだわりすぎて狭くなった身勝手な思考を客観的に見れる状態にしていく。怒りの感情を表現しながらでも嫌われずに人間関係が築いていけることを実感して無意識に理解させていくといったことを地道にやっていくことになります。

自己視線恐怖症は自分では気付けない無意識レベルの問題が原因になっていますから、自力で何とかしようと間違った方向で頑張る前にご相談いただければと思います。

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