「葛藤により人は成長する」という言葉を聞いたことがあり、頭ではなんとなく理解できたものの腑に落ちない感じでした。

しかし、約2年ほど自分自身を葛藤の中に置いてみることで葛藤がどれだけ苦しいものか、そして、どれだけ大切なものかに気付くことができました。

途中投げ出したくなることもありましたが、なんとか自分の答えが出せるところまでやれたことで自信にもつながっています。

振り返ってみると私自身も極端な考えで葛藤を避ける傾向がありました。

気になったことは徹底的にやる、期限がきたら一気にやる、気分が乗ったときにやるといったことはできるのですが、逆に苦手なことや気が乗らないことにはなかなか手が付けられない。

苦手なことでも少しずつやっていこう、今の気持ちでは難しいけど少しだけやろうとなかなか思えなかったのです。

夫婦関係や友達関係でも相手の気持ちを考えきれず言いたいことを言っていたり、相手の意見を聞かずに推し進めてしまう傾向がありました。

葛藤は不安などの感情と上手く付き合うためにも非常に大切なので、今回の記事を参考に葛藤について少し考えてみていただければと思います。

0か100か、白か黒かといった極端な考えをしている人は葛藤の経験が少ない

  • 自分がやると決めたことは体調不良であれ無理やりでも続ける
  • やらなくなったら一切やらない
  • 言いたいと思ったら相手の気持ちかまわずストレートに言う
  • 上手く伝わりそうにないなら言わない
  • 上手くできそうにないからやらない
  • 自分の意見を捨てて相手の意見に賛成する
  • 相手の機嫌が悪くなりそうなことは言わない
  • どうせ無理だろうとやる前から諦める
  • ちょっとでも相手の嫌なところが見えたら関係を断とうとする
  • 理不尽なことが許せない
  • 間違いがあれば正解になるまで徹底的に正す
  • 上手くいかないことは全部自分のせい
  • 自分の考えと相手の考えでどっちが正しいか間違ってるか判断する
  • 自分が納得できないことはやらない
  • 合わない人や苦手な人とはかかわらない

こういうことばかりだと葛藤がないですよね。

面倒くさいからやらない、気が乗らないからやらないといったものも葛藤していない状態だと言えます。

葛藤とはどういうものか?

男性が女性を好きになったときの葛藤を例に挙げてみます。

好きだから好きと伝えたい。

でも、どう言ったらいいんだろう?どのタイミングで伝えたら上手くいくんだろう?

彼女はどんな男が好きなんだろう?

他に好きな人がいるのかな?

好きな人がいたら諦めよう。いや、諦めたくない。

もしかしたら俺に気があるのかも。

趣味も合うしもっと一緒にいたい。

会えるのが楽しみで仕方ない。

でも、いつも帰り際なんとも言えない寂しさに襲われる。

今すぐ会いたいけど頻繁に誘って嫌われたらどうしよう。

いつも楽しそうにしてくれてるけど本当は嫌がってるかもな。

好きだけど気持ちを伝えたら関係が壊れるかも。

好きだと言ったら相手も好きと言ってくれるかわからない。

自分の気持ちを伝えることで相手を困らせてしまうんじゃないか。

好きだと言う勇気がない。

このまま何も言わずにいたら関係は続けられる。

でも、このままじゃ付き合えないし。

友達でも一緒にいれるならいいか。

遠回しに好きと伝えて察してくれないかな。

自分のこと好きになってくれないかな。

どうやったら好きになってくれるんだろう?

本当に付き合いたいのか?そもそも本当に好きなのか?

これは恋なのか?愛なのか?

ただ、自分だけのものにしたい独占欲かもしれない。

彼女のどこが好きなんだろう?

嫌なところもあるし付き合っても続くだろうか。

ずっと好きでいられるかな?

ちょっとあの性格だけは受け入れられないかもな。

そんなに好きでもないかも。

あんなにかわいいし無理だろうな。

やっぱり俺なんかと釣り合わないよな。

俺みたいなヤツ好きになってくれるはずないし。

でも、このまま自分の気持ちを誤魔化して付き合いを続けるのも嫌だな。

あー、もう言ってしまいたい!

好きだー!

最後はちょっと暴走してしまいましたが、葛藤というのはこういう感じです(笑)

葛藤が終わってもまた次の葛藤が生まれる

葛藤しながら「ああでもない、こうでもない」と答えが出ない中で悩み苦しみ、最後には自分なりの答えを出していきます。

そして、出てきた答えに対しても葛藤して自分なりに納得できるように折り合いをつける。

さっきの例で相手に彼氏がいることがわかり「好き」と伝えないという答えを出して会えなくなったとします。

すると、また以下のような葛藤が生まれることになります。

やっぱり好きって言っとけばよかったかな。

いやでも、やっぱり言わなくてよかったんじゃないか。

どうにかしてまた会えないかな。

偶然を装って会ってそこから恋愛に発展したりして。

幸せになって欲しい。

今でもやっぱり好きだな。

出会わなければこんなに苦しむこともなかったのに。

彼氏がいなかったらな。

もしかしたらまだチャンスがあったかも。惜しかった。

出会えてよかった。

ありがとう。

長くなりそうなのでこれくらいにしますが、また葛藤がまた生まれるわけです。

仮に好きだと伝えて付き合えた場合でも、その後の彼女との関係性等で葛藤は生まれます。

付き合って結婚して子供が生まれてとなればなるほど葛藤を抱えることは多くなっていくので、夫婦関係や親子関係を良好なまま継続していくのが難しいんですよね。

葛藤は人を成長させる

結果が上手くいくかどうか別にして、葛藤して自分なりに答えを出すことにより人は成長していくもの。

最近はインターネットで検索すればすぐに答えがもらえて葛藤することが減っています。

検索して出てきた答えが複数あればそこで考えることはあっても、実際に人とかかわっていろいろ感じたり思ったりしながらの葛藤とは次元が違います。

パソコンの前で恋愛について冷静に分析している姿と実際に好きな人を前に試行錯誤している姿を想像してもらえればどれだけ違うかわかっていただけるでしょう。

だから、思春期に恋愛や友達関係、進路等で葛藤を経験した数はその後の人生に大きな影響を与えるのではないかと考えます。

発症の時期が思春期や社会に出た時期と重なりやすいのは、ちょうど葛藤を抱えやすい時期であり、葛藤を抱えきれなくなることで発症すると考えることもできますよね。

対人恐怖症や強迫性障害などの神経症で悩む人は葛藤を避けがち。

とくにHSPの性質を持っている人は感受性が高いことで葛藤が大きくなってしまうため、余計に避ける傾向があるのかなと感じます。

葛藤していないから感情の折り合いがつけられず、不安に飲まれて過度に緊張したり、確認行為を繰り返したりしてしまうのです。

人間は生きていく以上、常に何かしらの葛藤を抱えます。

葛藤を抱えないようにするということは不可能であるため、バランスが崩れておかしくなる。

その結果が症状として現れるのかなと思います。

葛藤の中に身を置き試行錯誤しながら自分なりの答えを出す。

本当につらく苦しいことではありますが、乗り越えることによって人として成長し不安などの感情にも折り合いをつけて飲まれないようになれます。

一朝一夕でなせるものではありませんが、葛藤と上手く付き合っていけるようカウンセリングでサポートしております。