周りに迷惑を掛けてしまっていることが申し訳なくて仕方ないのに、自分のにおいだからどうしようもない。

職場で嫌がらせを受けたり、学校でヒソヒソ陰口を言われたり、直接面と向かって言われたというケースも聞きますが、そのつらさは想像を絶するほどのものだと思います。

わきが等の原因によって本当に臭い場合、単に思い込みや妄想だけで本当は臭くない場合とに別れますが、周りの反応だけでハッキリ判別はつけられません。

日本人はにおいに敏感ではあるものの、気を遣って本当のことを言わない傾向があるからです。

まずは本当に臭いのかどうか、においを生み出す原因から少しずつ見ていきましょう。

今回は口臭ではなく体臭に絞った内容をお伝えします。

においを生み出す原因

雑菌

目には見えませんが皮膚には雑菌が付いています。

雑菌は汗をかいてジメジメしたところで繁殖しやすくなり、皮脂や汗に含まれる脂質、たんぱく質、アミノ酸などを分解することによって体臭を発生させるのです。

汗や皮脂そのものがニオイを発しているイメージを持つと思いますが、実際は雑菌がなければ体臭と言われるほどのニオイを発生させることはありません。

表皮ブドウ球菌は大切

雑菌がニオイを発生させるのは間違いないのですが、皮膚に常駐している雑菌の一つである表皮ブドウ球菌はニオイの発生を防ぐ雑菌だと言われています。

表皮ブドウ球菌は肌を弱酸性に保ち悪い雑菌から皮膚を守ってくれるため、美容の面でも非常に大切だと言われるほどの雑菌です。

雑菌をなくそうとゴシゴシ力を入れて洗うとこの表皮ブドウ球菌まで一緒に洗い流してしまうことになりますのでくれぐれも洗いすぎには注意してください。

乳酸

汗腺の一つであるエクリン腺から出る汗は無臭と言われますが、成分の中に乳酸が含まれています。

過度なストレスがかかっていたり、慢性的な運動不足になっていると体内の酸素量が不足して乳酸の量が増える。

酸っぱいニオイが強くなり、さらにアンモニアや尿素も増えると刺激臭を発するニオイになってしまうのです。

血液の循環が良く体内に酸素が行き渡っていれば汗臭い酸っぱいニオイ程度で済みます。

脂質

肉類、揚げ物、生クリームなどの脂質を多く含む食べ物はニオイの元になります。

なぜなら、血中の脂質や脂肪分が増えることによって皮脂の分泌量が増えてしまうからです。

前述の通り皮脂は雑菌のエサとなるため分解して発生させるニオイが強くなってしまいます。

キムチやニンニクなどのニオイがキツイ食べ物は論外ですが、できるだけ動物性の油を含む食事は減らしたほうがいいでしょう。

ストレス

現代において体臭発生の大きな原因はこれではないかと思うほど影響が大きいです。

私もストレスを抱えやすい仕事のときに体臭がきつくなっていた実感がありますからね。

ストレスによって自律神経の乱れ、便秘、ホルモン分泌量の増加など、ニオイの元になる要素が数多く出てきます。

家庭でも職場でもノンストレスで過ごすのは不可能な話ですが、できるだけストレスを溜めない習慣を作る。

もしくは、ストレスを抱えたら発散できるはけ口を作っておくことが大事かと思っています。

加齢

中高年特有のにおいとして有名な加齢臭。

40代を過ぎたあたりから増え始めるノネナールというにおい物質が原因となっています。

30〜40代の働き盛りの男性から発せられるミドル脂臭も有名です。

においの原因は、汗に含まれる乳酸と頭皮にあるブドウ球菌が混じり合って発生するジアセチルだと言われています。

ミドル脂臭にはとくに女性が敏感で加齢臭よりも強烈だと言われているため、しっかりケアをしておかないと最近言われているスメルハラスメントにもなりかねません。

ただ、ニオイの発生源が後頭部や首にあることから自覚しづらいという危険性もはらんでいます。

本当に臭いかどうか検証してみる

においの原因で当てはまりそうなものはありましたか?

もしあれば対策を打ってみてください。

対策を打ってから周りの反応が変わったかどうかを見てみましょう。

変化があれば正しかったのでしょうし、変化がなければ別の問題があるのかもしれません。

内臓の病気などで体臭が発生する可能性もあります。

身体の具合があまり良くないかもと思う人は病院で診てもらうのも一つです。

職場の同僚から「においがキツイ」と指摘されていた人が実は問題なかったというケースもあります。

嫌いだと言えない同僚がにおいの問題にすり替えて攻撃をしてきていたのです。

香水だけでなく最近では柔軟剤のにおいを臭いと思う人もいるため、家族以外で正直に言ってくれそうな人がいれば聞いてみるのもいいでしょう。

においがマシになっても気になる、臭くないのに臭いと思ってしまう場合

すでに自分のにおいへの意識が異常なまで強くなっているケースでは、いくら対策を打とうが手術をしようが改善することがありません。

なぜなら、問題が自分のにおいから自分の存在意義にすり替わってしまっているからです。

  • においを放ち人に迷惑を掛け続けている自分は存在価値がない
  • このにおいがある限り何をしても上手くいくはずがない
  • こんな臭い自分を本当に受け入れてくれる人なんていない

といったことを考え続け、「においがある自分」という存在自体を否定しています。

しかし、自分である以上自分のにおいはいつまでも付きまとうわけですから、否定しても解決などするわけがありません。

この状態を改善していくためには、においを含めた「自分」と向き合って少しずつ受け入れられるようにしていくことが必要です。

ただ、日本人が臭いに敏感であるがゆえどうしてもにおいに対する意識は過剰になりがち。

その過剰な意識から抜け出せるように原理を理解した専門家のカウンセリングを継続して受けるようにしてください。

においに敏感で、かつ、他人に迷惑をかけることを恐れる日本人にとって、自分のにおいによる悩みは生死にかかわる重大な問題ではないかと思っております。

⇒自分のにおいが気になって仕方ない自己臭恐怖症を克服するカウンセリング