ネガティブに向き合うのが本当のポジティブ

ネガティブに向き合うのが本当のポジティブ

一昔前からポジティブ信仰の強い人が増えてきた影響で、ポジティブが良くてネガティブはダメという概念が生まれているように感じます。

その結果、ネガティブに蓋(フタ)をして隠そうとする人が増えて、対人恐怖症や抑うつなどの問題が増えたのではないかと思っています。

人間の心にはネガティブな面とポジティブな面と両方あって当然なのですが、ネガティブな面は忌み嫌われるからできるだけ出さないようにしようとする。繰り返していくうちに自分のネガティブな本音が抑え込まれ過ぎてわからなくなってしまう。

そして、解消されないままのネガティブな気持ちが暴走しだして、相手の反応が悪く見えて苦しんだり、原因不明の緊張感に悩まされたりすることになるのです。

ポジティブに考えるだけでいい方向に向かうなんてありえない

  • 何事もいい方向に考えればいい
  • 「なるようになるさ」と考えればいい
  • 嘘でもいいから前向きな言葉を言い続ければいい

こういう内容のことをよくポジティブ信仰の人は言いますが、人生そんな単純ではありません。

例えば、お金がなくて困っている人が毎日「自分はお金持ちになれるんだ」と数万回唱え続けたとしても、何か仕事をするなりしない限りお金は入ってこないのです。

お金がない状態になっている現実というネガティブな側面としっかり向き合って、そこを解決するために何ができるかを考えていく必要があります。

いくらポジティブに考えたとしても、自分の中にあるネガティブな面から目をそらして解決しようとしなければ、いつまで経ってもいい方向に向かうことはないんですよね。

相手のネガティブな言葉をかき消すのは自分のため?

ネガティブな気持ちを口に出したときに「大丈夫だって」「そんなことないよ」とか言ってかき消された経験は誰にでもあると思います。

相手からすれば励ますつもり、つまり、相手のためを思って言っているつもりの言葉ですが本質は違います。

本質は聞く側の人間が自分の中にあるネガティブな面から目を背けているところにあるのです。ネガティブな側面を見たくないから相手のネガティブな話をかき消すのを相手のためだと正当化しているに過ぎません。

これって親や友達がよくやる当たり前のことですが、こういうところにもネガティブから目を背ける傾向が出ているのです。

まさにネガティブが悪であるかのように追い払おうとする。臭いものに蓋ですね。

だから、みんなそういう話をしないようにしたり、落ち込んでいても明るく振舞うのが当たり前になってしまうのです。

ネガティブな気持ちが渦巻いていたらポジティブに捉えられないのが当たり前

でも、本当の気持ちはネガティブなんだから、いくらポジティブに振舞っても誤魔化しきれずにボロがでる。それが対人恐怖症であったり、うつであったりするわけです。

ポジティブな面だけを見せるカウンセラーやセラピストがいますが、それもおかしな話だと思うのです。

心理系のセミナーに参加したときに、暗い気持ちなのに初対面の相手と褒めあって嬉しそうな顔をするのも変な話。

怒りが爆発しそうな状態なのに、何事にも感謝、嫌なことでも前向きに捉えていることをFacebookでアップした有名人に「いいね!」するのもおかしな話。

自分の中にネガティブな気持ちが渦巻いてる人が、そんな馬鹿みたいにポジティブな話聞いて、素直に「いいね!」なんて思えるわけがないんです。

ネガティブにもしっかりと目を向けて前を向くのが本当のポジティブ

人はいつも自分に嘘をついて誤魔化して生きています。

無意識に目を背けていることを話さなかったり、触れられたくない話題を切り替えたり、暗い話を無理やり前向きにしようとしたり、美化したり、記憶を消してみたり…

ひとくくりにネガティブという表現を使ってきましたが、人間は自分の都合の悪いことから目を背ける性質があります。

それも人間が自分の心を守るための大切な役割を果たしているため全否定するつもりはありません。

ただ、最近はポジティブ思考でそれが正当化されすぎているように感じています。

ポジティブな気持ちというのは無理やり作り出すものではなく、ネガティブにもしっかり目を向けていくことによって自然と湧いてくるものです。

ネガティブから目をそらす言い訳をポジティブだと捉えないようにしていただきたいなと思っています。

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