対人恐怖症と甘えの実態

対人恐怖症と甘えの実態

対人恐怖症で悩んでいる人に禁句とも言える「甘えてるだけ」という言葉。

症状の話をしたときにこういう言葉を掛けられることほどつらいことはありません。私自身も同じでしたから無意識にここに触れないようにしてきました。

しかし、現在までカウンセリングを続けて様々な症状で悩む対人恐怖症の方を見てきて気付いたのです。

たしかに甘えている部分はあるなと。

だからといって、対人恐怖症の方に甘えているからどうと言うつもりはありません。

大切なのは自分にも甘えている面はあるなと素直に認めることなのです。

ただ、認めようとしても邪魔してくるものがあり、それを把握して対処していかないと認めようがないんですよね。

「甘えている」と言われたら理解してもらえなかったと感じる

例えば、周りの視線が気になってなかなか外に出られない状態なのに、「甘えてないで外に出ろ」と言われたらどう思うでしょう?

自分の症状を理解した上で言っているわけではなく、理解しようとせず気合が足りないとでも言われている、つまり、自分が責められているように感じるのではないでしょうか。

そして、「いや、甘えてるとかじゃなくて視線が気になって出られないんだ」という反論が湧き上がってくると思います。

相手からそうは見えなくても自分なりには頑張ってますから。

自分のつらさ、苦しさをわかってもらえなかったことへの悲しみ、怒りが甘えを受け入れたくない気持ちにさせるのです。

「甘えている=甘えている自分はダメな人間」という結びつけ

一般的に「甘え」というのはよくないことと認識されていますので、小さい頃から「甘え=×」という感覚をほとんどの方が持っています。(本当は「甘え」って心の成長においてすごく大事なんですけどね。)

さらに、対人恐怖症で悩んでいると自分に自信がなくなっていきますので、否定的な言葉に敏感になります。行動や言動の一部が否定されただけでも自分の存在が否定されたと感じるほどに。

ですから、「甘えているだけ」なんて言われたら、自分がダメ人間の烙印を押されたような気持ちになるのです。

甘えを認めることは自分がダメ人間だと認めることになる。

とすれば、たとえ自分が甘えている面があったとしても目を背けたくなりますよね。

甘えを認めて精神的に自立していくことが依存や対人恐怖からの脱却につながる

今回の内容について勘違いして欲しくないのは、「甘えているからあなたはダメだ」という話ではないということです。対人恐怖症で甘えがある状態を責めるつもりは一切ありません。

問題は甘えていること自体ではなく、自分の中に甘えがあるのを認めないことです。

「自分は甘えてはいない、これは症状のせいなんだ。症状さえなければ甘えることなんてないんだ」といった感じで、自分の中にある甘えから目をそらしているといつまで経っても甘えはなくなりません。

症状が出るからできないというのはわかりますが、できないから何もしないのは違います。

症状が出ていてもできることはやる。自分の中でやろうと決めたことは「どうすればできるか」を考えながらしんどい中でもできる範囲で続けていく。

その自発的な継続が自信となり、対人恐怖症や依存症を克服する上で必要な精神的な自立へとつながっていくのです。

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