電話恐怖症を克服した女性

電話恐怖症とは、電話で話すとき周りの人に聞かれているのではと思って不安や恐怖を感じる症状です。

以前は職場で電話を受ける役割になりやすい事務仕事の女性に多く見られましたが、最近は男女問わずご相談があります。

電話恐怖症とは?

電話恐怖症は対人恐怖症(社交不安障害)に分類されるもので、電話がかかってきて出ること、自分から電話をかけることに対して不安や恐怖を感じる症状です。

家族や友人との電話であれば問題ないのですが、お店の予約、面接の申し込み、問い合わせ、職場での顧客対応等においては「ちゃんと受け答えをしなければ」と過度なプレッシャーを抱えてしまう。

ちゃんと受け答えができているかを気にしているため、人が近くにいる状況で自分が電話で話す内容を聞かれたくない気持ちが強くあります。

電話恐怖症の実態

同僚や上司に電話で話している内容を聞かれているかどうかを気にすることで、緊張して手や声が震えて言葉に詰まったりするため、電話に出ることに苦痛を感じるようになる。

意識しすぎて噛んだり、変な言葉遣いになったりすることもありますので、恥ずかしさから余計に緊張してしゃべれなくなっていきます。

その結果、すぐに電話に出られなくなったり、周りに人がいないときを見計らってしか電話をかけられなくなったりして、普通に仕事するだけでどっと疲れて苦しむようになるのです。

私も営業マン時代に電話恐怖症だったことで、毎回お客さん先に電話をするとき、かかってきた電話に出るとき、緊張のあまり声が震えてしまう時期がありました。

電話恐怖症になる原因

人にどう思われるかを気にする意識が過剰

「他人にどう見られているか、どう思われているか」を意識している人ほど電話恐怖症になりやすい傾向が見られます。

対面であれば相手の反応を見ながら話せますが、電話だと相手の反応が見えない状態で話さないといけない。

いつも相手に合わせて様子をうかがいながら話しているから、電話で話すことへの不安が強くなってしまうのです。

オフィスで周りに人がいる状況であれば、その人たちにどう思われるかにも意識が向いてしまうため、さらに不安が増して電話をするのが大変な状態になります。

電話を使った会話の減少

近年ではメールやLINE等、文章でのコミュニケーションが中心になっています。

普段から電話をする機会が減少したことも影響しているでしょう。

つまり生まれたときからの携帯電話世代で、彼らの通信手段は「LINE」「ツイッター」など文字だけのコミュニケ―ションに慣れた世代で、電話をかけたりもらったりという、“電話”に極端な拒否反応があります。

引用元:電話恐怖症の世代とビジネス電話の変化、2017、ニッポン放送 ラジオAM1242+FM93

親しい人と電話をすることはあっても、それ以外の人と電話で話す機会はほとんどない。

そういった環境で育ってきた中で急に電話対応するとなれば強い不安を感じるのも無理はないのかもしれません。

生まれ持った性質が影響している可能性

人それぞれ生まれつきの性質があるため、人から注目されること、目立つのが嫌というタイプの人は一定数います。

自分が電話に出ているとき周りがシーンとしていて、パソコンのキーを叩く音が響いているような状況であれば、実際に聞き耳を立てられていなくても聞かれているような感覚になりやすい。

注目されるのが苦手だから電話に出ること、自分から電話をすることが怖いと感じる面があるのです。

HSPの人は恥ずかしさを感じる度合いが高いため、言い間違いや言葉の詰まりがあったとき過度に気にしてしまう傾向が見られます。

電話恐怖症を克服するために

電話恐怖症悪化の悪循環を止める

不安や恐怖を抱えながら電話対応をしていると、上手く話せず場合によっては自分で何を言っているかわからないほどになるケースもあります。

「また失敗した」と思えば思うほど次の電話が怖くて仕方なくなり、また電話対応しては失敗するの繰り返し。

まずこの電話恐怖症を悪化させる悪循環を止めることから取り組んでいく必要があります。

なるべくゆっくり目に話すことを心がけ、一つ一つの単語を区切って話すくらいの感覚で話すようにしてみましょう。

緊張を和らげることも効果があるため、マインドフルネスで座っているお尻の感覚に意識を向けたり、腹式呼吸で自律神経を整えたりすることは有効です。

ただ、不安や恐怖に飲まれている状態で緊張を緩和するのは簡単ではないため、カウンセリングでは現在の状況を詳しくお聴きした上で実践できる具体的な方法をレクチャーしております。

電話恐怖症を生み出す根本的な問題に気付き解決する

近年、電話をする機会が減ってきたことで苦手意識を持つ人が増えているのは間違いありません。

かといって、全員が全員電話恐怖症になっているわけではないことを考えれば、根本的に何かしら問題を抱えていることがわかります。

自分軸がなく他人軸で生きざるをえない状態になっていること、生まれ持った性質や感情と上手く付き合えていないこと、自己肯定感が低く自己開示ができないこと等、電話恐怖症になる人は潜在的に抱えている問題があるのです。

カウンセリングでは自分自身と向き合い、電話をすることへの不安や恐怖の背景にある根本的な問題に目を向けていきます。

潜在的に抱えていた問題が解決していくにつれ、電話をすることへの不安や恐怖は和らぎ、電話恐怖症は克服できるのです。

電話恐怖症は数をこなせばこなすほど、上手くいかない経験を積むことになって悪化していきます。

電話を取るたび、かけるたびにしんどい思いをされているのであればなるべく早い段階でご相談ください。

カウンセリング予約フォーム

対人恐怖症・依存症専門カウンセリング(大阪)