対人恐怖症と日本文化の関連性

対人恐怖症と日本文化

私たち日本人は、

「社会からの孤立=死」

という感覚を持って生きています。

  • 和を以って貴しと為す
  • 自己主張より他者配慮
  • 個人主義より集団主義

以上のような言葉で表されるように、みんなのために生きる、自分を犠牲にしてでも人の為にという考え方が根付いています。

大規模災害で被災地以外の人が自粛したり、募金やボランティアを必死になってやるのも、日本が諸外国に比べて殺人より自殺する人の比率が高いのも、そういう精神が影響していると言われています。

集団の中の自己主張が毛嫌いされ、浮いてしまうことを恐れるため、みんな同じ、世間体、平均、普通といった概念に縛られて個性を押し殺して生きざるをえないから苦しみます。

このような日本社会で生きていく為には、誰もが多かれ少なかれ他人の目を気にして生きることになりますので、そういう面では全員対人恐怖症とも言えるかもしれませんね。

また、日本社会の変化も大きな影響を与えていると言われています。

昔の日本社会では、家族や親族同士で同じ地域に集まって住み、その中で祖父母、叔父、叔母、甥、姪、従兄弟、従姉妹といった親族とかかわりながら暮らしていました。行事事があれば都度集まってかかわらざるをえない環境で、年上、年下と付き合いながら人との付き合い方を自然に学んでいました。

特に男性の場合、男尊女卑の考え方から、ひきこもりなどということは絶対に許されず、無理矢理でも社会に出さされた時代だったと言えます。逆に女性は家に居ることが当然で社会に出ることが許されなかったので、ひきこもりの女性が重宝されたという話もあります。

イメージでいうとサザエさんの時代ですね。

今の日本社会は、核家族化が進み、親族が同じ地域に集まって暮らすことがなくなりました。

当然、親族同士での交流も希薄になり、年上、年下との付き合いもほとんどなくなりました。

そんな状況で育った子供は、友達からのイジメ、先生からの叱責があればすぐに登校拒否をするようになりました。

そうなっても、親は子供の自殺や暴力を怖れて叱ることができず、ひきこもりが増えているとも言われています。

また、親がすべてに近い環境で育った子供は、親を理想化してその価値観に従って「良い子」で居続けるしかなくなるため、反抗期もなくなってきています。

本当は、親以外の人の価値観を知り、反抗期を通して親の価値観から脱出する必要があるにもかかわらず、それができていないために社会に適応できず苦しむ人が多くなっています。

また、親族が周りにいなくなった分、「学校」という存在が大きな影響を与えるようになっています。

学校で、良い先生や先輩、同級生等に巡り会って新たな価値観を知り、人との付き合い方を学べるケースもあれば、その逆もあります。

女性の社会進出が求められるようになったことから、対人恐怖症の女性が増えたとも言われています。

昔の日本社会が良かったとは言えませんが、少なからず今の日本社会よりも対人恐怖症になりづらい環境ではあったと言えるのではないでしょうか?

このページの先頭へ