対人恐怖症と関連する病気や症状について

対人恐怖症と関連する病気等

対人恐怖症と関連する病気や症状には以下のようなものがあります。

症状が似ているもの

社交不安障害(旧名:社会不安障害)

人前での会話や行動、目上の人や初対面の人と話す場合などに、必要以上に強い不安や緊張を感じ、また、そのような場面を避けようとして社会生活に適合できなくなる病気。社会恐怖、SAD(social anxiety disorder)とも表記される。

不安や緊張が原因で日常生活に支障をきたすという面では対人恐怖症と同じだが、対人恐怖症が相手に配慮しすぎて起こるのに対し、社会不安障害は自己中心的な考え方が原因で起こるところが異なる。そのため、アメリカ的思考パターンであるとも言われる。

しかし、最近では対人恐怖症と同じものとして扱われることが多くなっている。

⇒社交不安障害と対人恐怖症の違い

回避性パーソナリティ障害(旧名:回避性人格障害)

不安人格障害(APD)とも呼ばれるもので、極端に低い自己評価から自分は社会的に不適格で魅力に欠けていると考えて人から嫌われること、受け入れられないことを異常に怖がり、人とのかかわりや愛情、人に受け入れられることに対する願望が強いにもかかわらず、失望や批判を恐れるあまり親密な人間関係や社会的状況を避けてしまう人格障害。

過保護な家庭環境、幼い頃に親や友人から拒絶されたと感じた経験、親からの遺伝を主な原因として、100人に1、2人(対人恐怖症の10分の1)の割合で男女問わずもっていると言われている。年齢が上がれば上がるほど治りにくくなる。

対人恐怖症の影響で回避を重ねた結果、それが習慣となり根付いた後天的な性格のようなものなので簡単には治せないが、対人恐怖症の人の4分の1は回避性人格障害を併発していると言われている。また、「ひきこもり」「不登校」「出社拒否」の人の多くがもっているとされる。

とにかく回避するためには手段をいとわないため、生活に大きな支障をきたす。また、回避するための言い訳や手段を考えることに苦しみ、回避した後は自分や他人を納得させるために回避した理由を正当化する。

カウンセリングを受けても、カウンセラーまでも回避しようとしてスムーズに進まず、治るまで時間がかかるのも特徴として挙げられるが、克服するためには認知行動療法によるカウンセリングが一番有効であると言われている。

⇒回避性パーソナリティ障害と対人恐怖症の違い

統合失調症

誰も話していないのに声が聞こえたり、何の異常もない猫の目から血が流れ出すのが見えたりといった幻覚、自分のことを周りの人が監視している、自分を貶めるために嫌がらせをしてくるんだといった妄想に苦しむ病気。

あたかも本当に自分が攻撃されているかのように感じるため、「そんなことはない」と言われても聞けない状態になる。

100人に1人がかかる病気だと言われている。

⇒統合失調症と対人恐怖症の違い

適応障害

職場や学校といった特定の社会環境うまく適応できずに感じるストレスによって、憂鬱な気持ちになったり、強い不安を感じたりするもの。

人との接触を避けるようになる傾向もあり、動悸や倦怠感といった身体症状がでることも多い。

うつ病との区別がつきづらいと言われるが、一度その環境から離れると症状が出ないという特徴で区別できるケースがある。

アスペルガー症候群

自閉症の一種でコミュニケーションにおいて特異性が見られる発達障害。知的障害はない。

曖昧な表現に対して回答できず具体的に質問を返してきたり、相手の意図を理解できず会話が成り立たないケースもある。

強いこだわりを持つことが多く、状況に応じて臨機応変な対応ができない。

非言語コミュニケーションと言われる仕草や表情などが独特で、一般的な感覚からずれている。

相手の状態を無視して自分の興味がある話をし続けたり、相手がどう感じるかを考えず自分が思ったことをストレートに伝えることもある。

⇒対人恐怖症や依存症と関連が深い発達障害について

強迫神経症

不安な気持ちに駆られてある特定のことを気にするのをやめられない状態になり、日常生活に支障をきたすもの。

具体例として、家の鍵を閉めたかどうかが気になって通勤途中に家に戻って遅刻したり、自分の手が汚ないと思って何度も何度も繰り返し頻繁に手を洗ったりといったことが挙げられる。

頭では「そんな小さなことを気にするなんてバカバカしい」と思っているにもかかわらず、気にするのを止めることができない。

几帳面、生真面目な性格の人がなりやすいと言われている。

併発しやすいもの

抑うつ状態

ストレスを主な原因として、憂うつな気分、意欲喪失、集中力低下、思考力低下、食欲不振または過食、物事への興味関心の喪失などの症状が出る状態。あくまでも「一時的な状態」であるので「病気」であるうつ病とは一線を画すものであり、抗うつ薬が効かない場合もある。

⇒うつ状態と対人恐怖症の深い関係

うつ病

ストレスを主な原因として、憂うつな気分、意欲喪失、集中力低下、思考力低下、食欲不振または過食、物事への興味関心の喪失などの症状が出る状態が続く精神疾患。うつ状態が一定期間以上続き、抜け出せない場合はうつ病の可能性がある。

抗うつ薬が効きやすいのが特徴でもあるため、薬を服用しながら回復するまでできるだけ休むことが大切だと言われている。

「こころの風邪」とも言われ誰もがかかりうるものとされているが、放っておいても自然に回復しづらい病気で、投薬治療が一般的である。

⇒うつ状態とうつ病の違い

パニック障害

突然何の理由もなく、激しい動悸や息苦しさ等の自律神経症状に襲われて、死ぬのではないかという恐怖感にとらわれる病気。一時的に手足が震える程度で、身体的には異常がないにもかかわらず発作が繰り返されるので、また起こるのではないかという不安に悩まされ続ける。

また、「同じ場所で発作が起こるのではないか」「逃げ場のない場所で発作が起こったらどうしよう」という不安から、電車やバス、人ごみ等を避けようとする。

⇒死ぬかもしれない不安に苦しむパニック障害

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