現代病とも言えるのですが、頭で考えるばかりで心で感じることがほとんどない人が増えています。

「こうしなければならない」「これはやっちゃいけない」と頭で考えることばかりしているのです。

頭で考えてばかりいると純粋にその場を楽しむことができず、先の不安過去の後悔にとらわれがちになります。

過去や未来を考える能力は他の動物にはない人間特有のものではあるのですが、本来の動物的なその場を生きる感覚を失ったままの状態は異常です。

その異常が莫大なストレスを生み出して、自覚のないまま身体に異変が出たり、何もやる気がおこらないうつの状態になってしまうことがよくあります。

「頭で考える」と「心で感じる」の違い

「頭で考える」というのは思考。

試験の問題を解いたり、仕事の効率化を図ったりするときにやっています。

頭で考えるのは、やったほうがいいこと、やらないといけないこと、やってはいけないこと。

小さい頃によく親や先生から言われていたことを思い出すとわかりやすいかもしれませんね。

意味があるかどうか、正しいか間違っているか、理にかなっているかどうかといった判断をするときは頭で考えています。

対して、「心で感じる」というのは感情。

嫌悪、快感、好き、嫌い、不安、恐怖、喜び、楽しみ、悲しみ、怒り、感謝…

試験で高得点が取れて喜んだり、客先でプレゼンをすることに不安を感じたり。

心で感じるとやりたい、やりたくないが出てきます。

欲望という感情がある通り、欲求ともつながっているのです。

人間が幸せに生きていく上で本当に大切なのは頭ではなく「心」

世間一般においては感情的な人間より、落ち着いた理性的な人間の方が評価されます。

自分の感情や欲求よりも他人のためにと考えて動く人の方が、社会という集団の中では都合がいいからです。

たしかに、それを一切しない自分の心のまま、欲求のままに動く人間は集団から排除されやすいですが、だからといって、理性的に自分の心を押し殺し続けると自分が壊れます。

日本人はとくに協調性を大事にするところがあるため、どうしても頭で考えて周りに合わせようとしがちになりますが、それをやればやるほど自分の心が押し殺されていくのです。

本来、人間も動物ですから、何でも心のままにやれたらストレスなんて感じず幸せに過ごせます。

心のままに生きたいという本音があるけど、社会生活を営む上で仕方なく合わせるというのが本来の自然な形なのです。

人間は頭で心をごまかすことができる

人間は自分の本心を偽ってあたかも本心であるかのように自分に思い込ませる能力を持っています。

全然楽しくないのに楽しいふりをしてみたり、面白くないのにウケているふりをしてみたり、悲しいのに悲しくないふりをしてみたり、イライラしたのに気にしていないふりをしてみたり、好きなのに気のないふりをしてみたり…

繰り返しているうちに頭で考えてやっていたことが自分の本心だと勘違いするようになってしまうんですよね。

まるで役者のように感情のある人を演じていても、そこに本当の感情がないという状態。

本人からすればちゃんと本音でやりたいこともできてて順調で…と思い込んでしまうがために、自分が巧妙に演技をしていることに気付くことができないのです。

どうすれば頭と心のバランスを整えることができるのか?

まず、頭にごまかされている自分の本心に気付くことが必要となりますが、正直自分一人でやるのは非常に難しいです。

無意識に自分の頭でごまかしていることに気付くなんてほぼ不可能な話ですからね。

ここに関してはカウンセラーという第三者に話をして、自覚できるようにサポートしてもらう必要があります。

自分の本心が自覚できるようになるにつれて、心で感じることが増えて感情表現が豊かになっていきます。

心で感じることが増えてくると頭で考えることが減ってきますので、バランスが整ってくるのです。

頭と心のバランスが整ってくると、自然と自分が話したいことが浮かんできてリズム良く話したり、相手の話も興味を持って聞くことができるようになります。さらに、自分が本当にやりたいことに気付けるようになるため、やりたいことをやったり、できないとしてもやろうと努力したりと、前向きに自分の人生を楽しめるようになっていきます。

社会生活を営む以上、心のままに生きることはできませんが、頭で考え過ぎて心を抑え込むのは違うということに気付いていただければと思います。