被害者意識とは、自分は被害にあった人間だという認識のことを指し、償いを受けること等を当然とする感覚です。

あくまでも意識ですから災害に遭ったとか通り魔に襲われたとか、実際の被害とは異なります。

口コミがいいからと行ってみた店の料理が不味かった。

自分で選んだはずなのに、口コミのせいで選ばされたという感覚になる。

相手のせいで自分はこうなった。

要は責任転嫁です。

ぼったくりの店が騙すために作った口コミだったとか、脅されて無理やり連れていかれたとかなら別ですが、情報をもとに自分が選んでいるわけですからね。

被害者意識は誰しも多少なり抱くものではありますが、強すぎると問題が起こります。

自分のせいだと思えば収まることも相手のせいだと思うから収まらない。許せない。

被害者意識が強い人ほど物事に対して不寛容で些細なことにイライラしやすい傾向が見られます。

被害者意識の原点は親子関係にある

例えば、学校に遅刻しないよう親に毎朝起こしてもらうのが当たり前になっているとします。

決められた時間までに登校するのは自分の責任ですよね。親が学校に行くわけじゃありませんから。

なのに、親が起こしてくれない日があると子供は「なんで起こしてくれなかったの!」と親を責めるようになります。

決められた時間までに登校するのが親の責任にすり替わっているわけです。

たとえ親に起こしてほしいと頼んでいたとしても、起きれなかったのは自分のせいなのに。

まだここで親が「起きれなかったあんたが悪い」と突き返せばいいのですが、「ごめんね」と受け止めてしまうと「自分は悪くない、親が悪いんだ」という認識をさらに強めます。

本来、子供が自分の責任でやることを親が代わりにやればやるほど、親の責任になることが増えて子供は被害者意識を強めていく。

被害者意識の原点は親が責任を本人から取り上げすぎたことにあると言えます。

被害者意識を持った子供は細かいことでも確認したり判断を親に委ねる、他人に委ねることによって責任回避する習慣を形成。

子供は責任を負わないから成長できず、親は自分のせいではないのに責められる。

結果として子供が不登校になったり親に暴言や暴力を振るうようになったり、責め続けられた親が疲弊して精神を病んでしまうケースもあったりします。

被害者意識は心の成長を妨げる

被害者意識を持つのは以下のようなメリットがあるからです。

  • 被害者であれば周りから同情してもらえる
  • 被害者という立場で相手より優位に立てる
  • 被害者だから自分は悪くないと正当化できる
  • 被害者であれば自分の問題を責められずに済む

被害者であり続ければ自分が責任を負わずに済むから楽ではあります。

しかし、人は自分が責任を負い対応する中で精神的に成長していくので、他人に責任転嫁し続けてきた被害者は大きな問題を抱えることになるのです。

精神的に成長できていないと感情を受け止める「心の受け皿」が小さいまま。

自分で自分の感情を受け止めることができないから暴走してしまう。

だれかに止めてもらおうと被害者になって感情をぶつける。

ぶつけて一旦治まっても心の受け皿は小さいままだから、感情が暴走してぶつけるを繰り返すことになります。

家族は疲弊して向き合ってくれなくなり、周りにいたはずの人たちも離れていく。

それでも、自分に問題があるとは思えないから他人を責めて被害者であり続けるのです。

被害者意識から抜け出して自分で自分の人生を切り開こう

ただ、勘違いしてほしくないのは被害者意識を一切持ってはいけないとか、「相手を責めるな、自分を責めろ」という話ではないということです。

何でもかんでも自分のせいにして責めるのはおかしいですし、そんなことばかりしていては精神が崩壊しますからね。

相手にも責任があるし自分にも責任がある。

責任の重さに違いはあったとしても相手だけに責任があると考えるのは違うということです。

どこまでが相手の責任でどこまでが自分の責任なのか。

しっかり線引きをしたうえで自分の責任だと気付いたところを少しずつ受け止めていく。

自分の責任として受け止めれば相手次第ではなくなるので自発的に考えて動けるようになります。

自分で自分をコントロールできる感覚が養われていくわけです。

被害者は加害者に支配され続けます。

相手のせいにできるというメリットはあっても、自分が自分の力で状況を変えられない感覚になってしまうのは大きなデメリットです。

人生は自分で切り開くものであり、本来自分がコントロールできるもの。

目の前に障害となる問題が現れたとしても、相手が自分の人生をコントロールするわけじゃありません。

神様のような人が現れて自分を助けてくれるわけでもありません。

自分の責任は自分で負い、成長していくことで人生は変えていけるのです。