カウンセリングをしている中で気付いていただくことは多いのですが、大きな要素の一つとして「自分の中にある矛盾」というのがあります。

例えば以下のようなケースです。

カウンセラー:

「人とどういうかかわりができれば理想的ですか?」

クライエント:

「職場の人に気を遣わず仲良く楽しく話せるようになりたいです。」

カウンセラー:

「職場の人に自分の話ってされてますか?」

クライエント:

「一切してません。職場の人に本当の自分は絶対に見せたくないんです。」

このAさんの2つの発言を合体させてみると「職場の人に本当の自分を絶対に見せずに仲良く楽しく話せるようになりたいんです。」になりますよね?

でも、これって完全に矛盾してるんです。

本当の自分を絶対に見せようとしないほどに壁を作っている人と気を遣わない仲になんてなれるわけないじゃないですか(笑)

対人恐怖症で悩んでいる方の話を聴いていると、このような矛盾がいくつも出てきます。

「一人の方が楽だし人と関わりたくないんですけど、人からどう見られてるか異常に気になるんです。」

「もう母は私のことを理解してくれないって諦めてるんですけど、母のことを考えると無性にイライラするんです。」

「プライベート重視なんで上司から言われる仕事はできるだけやりたくないんですけど、上司に認められたいんです。」

話している本人は自覚していませんが、よくよく考えてみると矛盾していることに気付くのです。

なぜ、このような矛盾が出てしまうのでしょうか?

頭で考えたことによる本音のごまかし

これらの矛盾は本音と頭で考えた正当化によって生まれています。

本音ではたいして人とかかわりたいと思っていないのに、友達が多い方がいいという世間一般の基準に影響されて「自分もそうなりたい」と洗脳されている。

人とかかわりたいというのが本音なのに、上手くかかわれないと思うから「別に一人でもいいや」と一人でいることを正当化してしまう。

母親に理解して欲しいのが本音なのに、理解してもらえないと思うから諦めるしかないと無理やり自分を納得させる。

このように、頭で考えたことによって本音がごまかされているから矛盾が起こるのです。

矛盾を抱えている状態というのは無意識に本音を抑え込んでいる状態ですから、原因不明の不安や緊張をかかえることになって対人恐怖症の症状につながります。

自分の中にある矛盾を解消していくために

まずは自分の中に矛盾があることに気付くことです。気付けないことには解消しようがありません。

ただ、これを一人でやるのは非常に難しいので、カウンセリングで話をして矛盾を突いてもらう必要があります。

矛盾に気付けたら本音の方を優先してできる範囲のことをやっていく。

人とかかわりたいならどうすればかかわれるようになるか考えて何かをする、母親に理解して欲しいならどうすれば理解してもらえるか考えて何かをする。

やったからといって思い通りの結果が得られるわけではありませんが、やってみて結果を実感することが矛盾の解消、対人恐怖症克服の鍵となるのです。

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