執着と対人恐怖症には深い関連性があります。

なぜなら、執着は不安から生まれるものだからです。

愛されないのではないかという不安を抱えている人は、愛されることに執着して他人から愛されるようにと自分を演じます。

人から嫌われることに不安を抱えている人は、どうすれば相手から嫌われないかに執着して自分が言いたいことを抑えこみます。

自分の行動や仕草がおかしいのではないかという不安を抱えている人は、他人から自分がどう見えるかに執着して周りの目を意識した行動をとります。

対人恐怖症は治らないのではないかという不安を抱えている人は、対人恐怖症が治ることに執着してどれくらい治っているかばかり気にします。

このように執着は不安を抱えることによって生まれていますので、対人面で不安を抱える対人恐怖症の方は多くのことに執着しているのです。

執着が引き起こす問題

執着しているといつまで経っても不安が解消されないだけでなく、不安がどんどん強化されてしまうという問題が起こります。

執着の反対は手放すことですが、不安が強すぎると手放したくても手放せなくなる。

だから、どうしても執着してしまう。

しかし、執着することによって上手くいかないことが増えてしまうため、さらに不安を強めていくことになるのです。

例えば、友達が自分を好きでいてくれるかどうかに不安を抱いている人は、友達に執着して過度なかかわりをしたり、その友達が他の友達と仲良く話していると激しく嫉妬したりします。

その結果、嫌気がさした友達が自分から離れてしまったとすれば、自分は好かれない人間なのではという不安を強めることになり、さらに友達との関係に強く執着するようになるのです。

また、執着し続けているとどんどん視野が狭くなり、自分が本当にやりたいことができないまま精神的な成長が止まってしまうという問題も起こります。

対人恐怖症の克服=症状をなくすことではない

「対人恐怖症を克服すること=症状をなくすこと」と考えている方は多いです。

  • 症状があるから外出できない
  • 症状があるから人と普通に話すことができない
  • 症状があるから電車で顔を上げることもできない

症状のせいで本来できるはずのことができなくなっている。

だから、症状をなくせば大丈夫になると思っています。

確かに対人恐怖症を克服することで症状はなくなるのですが、あくまでも結果にすぎません。

では、対人恐怖症の克服とは何なのでしょうか?

症状をなくそうとする頑張りは症状を悪化させる

症状をなくそうと思っている人は、症状をなくすことを目的として頑張ります。

  • 症状をなくすために無理やり外出する
  • 症状をなくすために無理やりでも自分から人に話しかける
  • 症状をなくすために無理やり電車で顔を上げる

やっていること自体は克服につながることかもしれません。

人と話すことも外出することも大切なことでしょう。

しかし、「症状をなくすために」と思って取り組んでいる時点で症状を意識していることになります。

症状は意識すればするほど悪化していくものですから、克服ではなく悪化につながってしまうんですよね。

日々苦しめられている症状をなくしたいと思うのは当然の感覚ですが、実は症状をなくそうとするその頑張りこそが対人恐怖症を維持・悪化させているのです。

症状をなくすことは人生の目的ではない

症状のことばかり考えて辛い毎日を過ごしていると、症状をなくすことが人生の目的であるかのように症状に固執してしまいます。

確かに症状がなくなれば、家から出られて、普通に人と話せて、好きなことができて、友達も作れて、彼女(彼氏)もできて、就職できて、結婚できて…と思われるかもしれません。

しかし、症状がなくなった先にある明るい未来は自分が求めて行動するからこそ得られるものであって、症状をなくすこととイコールではないのです。

明るい未来に向かって今の自分にできることをやっていくことが対人恐怖症の克服へとつながり、症状がなくなるという結果に至るだけ。

症状をなくすために中身のない日々をいくら過ごしても明るい未来につながることはありませんよね。

症状のことばかり考えて見失った本当の目的に目を向けてください。

ゴールがあるからこそ対人恐怖症は克服できる

対人恐怖症で悩んでいるのに明るい未来なんて考えられるわけがない。

そんなことは克服してから考えればいいんじゃないかと思うかもしれません。

しかし、「克服してから考えればいい」というのは「ゴールしてからゴールを決めればいい」と同じ。

意味わからないですよね。

ゴールがないのにどうやってゴールするんですかって話です。

どこに向かえばいいかわからない、どうすればいいかわからない。

だから、できない現状にとどまり続ける。

当然のことと言えます。

対人恐怖症を克服するためにまずは「自分がどういう人生を望むのか」を考えてみる。

その上で、今の自分にできることを少しずつでもやる。

継続する中でゴールが見えるから克服に向かっていくわけです。

これは自転車に乗れるようになるのと同じ原理なので、当てはめて考えてもらうとわかりやすいかと思います。

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