以前、ある交流会に参加した際に、すごく話し上手でコミュニケーション能力が高い営業マンの方とお話する機会がありました。

営業として数字も上げておられる方で、その場にいる全員の前で堂々とスピーチもされていて話も面白く非を探すのが難しいくらいでした。

でも、実はその方、少し前まで人前で話すのがすごく苦手だったらしいのです。

その話を聞いたとき、最初はその場にいた全員が「え~、嘘でしょ」という感じで疑っていましたが、本当の話で人前で話すときに緊張して考えてきた内容を読み上げるのがやっとだったとのこと。

それがあるキッカケで、ほとんど緊張しなくなり、アドリブを利かせて自分らしく話せるようになったそうなのです。

そのキッカケとは何だったのでしょうか?

それは「自分は自分のままでいい、自分以上のことはできない」と気付いたことでした。

その答えを聞いたとき、私はすごく納得しました。

なぜなら、人前で緊張したりあがったりすることの原因が「自分以上の力を出そうとすること」だと知っていたからです。

実際にカウンセリングを受けていただいた方からもこの気付きで緊張しなくなったとお聞きしたこともあります。

「『自分は自分以上でもなく自分以下でもない』と思えるようになってから、すごく楽になりました」と言われていました。

ただ、この気付きは感覚的な部分であって、頭で理解しようとしてもなかなか難しいので、今回の話に出てきた営業マンの方はセンスがあったんだろうなと思いますね。

感覚がつかめれば自分を良く見せようとしたり、本当の自分を見せないようにしようとしたりといったことがなくなって、ありのままの自分を出せるようになります。

結果として、変に気を張ったり肩に余計な力が入ったりすることがなくなって楽になれるのです。

自信が無いからと本当の自分を隠したり、感情を抑え込んだりすることは、「相手にバレないかどうか」という余計な不安を生み出してしまいます。

でも、少しずつ自信を積み上げたり、感情を表現していくことをやっていれば、今回のようにある一定の時点を越えたときに感覚をつかめるようになって、自分を出せるようになれます。

今回ご紹介したお話は、たぶんあなたも頭では分かっておられることでしょう。

それをいかに自分の感覚として気付いてつかめるかが、対人恐怖症克服へのカギとなるのです。