対人恐怖症は専門のカウンセリングを受けることによって以下のような流れで克服していくことができます。

※あくまでも基本的な流れであって受けられる方の状態によって大幅に変わることもあります。

カウンセリングで対人恐怖症を克服する流れ

Step1:現状のヒアリングと整理

まず、あなたが直面されている悩みをお聴きします。あなたの立場でどんな感情でどんなつらさなのか等を、心理的背景まで想像しながら真剣にお聴きします。不安や恐怖で混乱した頭の中を整理していただく意味でも話していただくことは大切です。

この時点で、なぜ対人恐怖症が克服できなかったのか、どんな特徴があって、どういう進め方をすれば効果が出やすいか等、ある程度の方向性をお伝えします。

必要に応じて、今あなたが直面されている悩みに対処できる具体的な方法(不安や恐怖を抑える方法、人と接する頻度、特定の人との接し方、ストレス解消法、生活習慣の改善、最適な転職や職場復帰の時期など)をアドバイスさせていただきます。

Step2:自分を知る

現在の悩み、最近学校や職場、日常生活であったこと、趣味、過去の生育暦など、テーマに沿って話していただきながら、カウンセラーからの質問や対話の中で自分では気付けない範囲のことに気付いたり、今自分が何をすればいいのかを自覚したりしていきます。

現在と過去、両方の話を聞いていくことが多いです。

対人恐怖症を克服する上で他人基準を自分基準に切り替えていくことが非常に重要なため、「自分を知ること」を中心に進める形になります。

状態に応じて効果が出やすいワークをカウンセラーが考えてご提案。

難しそうな内容であれば取り組めるかどうかを確認しながら調整して、どうすれば取り組みやすくなるか、継続しやすくなるか等も一緒に考えます。

Step3:他人基準から自分基準へ

カウンセリングを継続していく中で本当の自分を知ることになり、少しずつ他人基準から自分基準に変わっていく。

「自分がどうしたいか」に気付けるようになってきますので、エネルギーが湧いて不安や恐怖を抱えながらも行動しやすくなります。

カウンセラーに報告して客観的に検証しながらアドバイスを受けていくことで狭くなっていた考え方の視野が広がって、対人関係における恐怖や不安がなくなっていきます。

Step4:人とのかかわりで自信が生まれる

他人を知ることによって人付き合いが上手くいく機会が増え、自分にどんどん自信が持てるようになっていきます。

人とかかわりながら自分と向き合うことで視野が広がっていく。

今まで見えなかった問題に気付き改善していくことで好循環が生まれる。

周りから評価されたり好かれたりするようになってさらに自信が高まります。

そして、カウンセリングを受ける前に不安や恐怖を感じていたことが「どうでもいい小さなこと」に感じられて、不安や恐怖を感じなくなっていきます。

Step5:カウンセリングの卒業

カウンセリングを受け始めた頃は「対人恐怖症を克服すること」がメインになっているからカウンセリングの重要度が高い。

それが克服していくにつれて人生で本当に大事なことが見えてきてカウンセリングの重要度が下がる。

他に優先したいことが増えてカウンセリングに時間を費やせなくなっていく。

カウンセリングへの意識が薄れて自然にやめていくというパターンが多いです。

対人恐怖症克服プログラムの概要

カウンセリングを通して以下のプログラムを実践していきます。

  • 症状のメカニズムを知って混乱をおさめる
  • 抑圧された感情や本音に気付き表現していく
  • 不安や恐怖を中心とする感情との付き合い方を体得する
  • 自分を苦しめている固定観念を認識して手放す
  • 自分の性質や感性を知って自分のものさし(自分基準)を持つ
  • 自分で自分を評価できるようにしていく
  • 異常だと感じていることが実は当然の反応だと知る
  • 「普通」「みんな」「世間」の実態を知る
  • 過去ではなく未来に焦点が当たるようにしていく
  • 症状の緩和、対策、リラックスできる方法を身に着ける
  • 症状維持、悪化につながっている生活習慣の見直し
  • 自分と他人の線引き、境界線を明確にする
  • 他人と関係を築いていく方法を知る
  • 人とのかかわりの中で成功体験を積み重ねていく

しっかりお話をお聴きした上で、今の状態で効果が出やすいと判断した内容から段階的に取り組んでいただきます。

少しずつ取り組んで積み上げていく感覚を養うことも大切です。

気持ちと連動した行動が増えれば増えるほど症状との主従関係が逆転していく。

「症状があるからこうする」が「症状があってもやりたいからやる」に変わって対人恐怖症が克服へと向かいます。