当カウンセリングルームに初めてお越しになる方は、警察に捕まったり奥さんに見つかったりしているため、痴漢、盗撮、露出、下着盗難、抱きつき等をどうすればやめられるのかに対する答えを求めておられます。

ですので、自発的に取り組んでおられる対策をお聴きすると、やらないようにしようと心に誓った、カメラを壊した、道具一式を捨てた、電車に乗らないようにしている、夜の外出を控えているといった内容の答えが返ってくる。

確かに表面化している痴漢や盗撮をまずやらないことは必須ですが、本質的な原因を解決していなければ別の形で問題行動を起こしてしまいます。

やめるために解決しなければならない問題はもっと根深いところにあるのです。

痴漢や盗撮、露出などの性的問題行動を引き起こす根深い原因とは?

人それぞれ違いますが、代表的な原因として以下の4つが挙げられます。

1.人間関係で生じている問題

親子関係、夫婦関係、彼女との関係、職場での人間関係など、人間関係と一言で言っても幅広いものです。

「相手がどう思うか、どう考えるか」が気になって相手に自分の本音が言えない

嫌なことを言われても言い返してもめるのは嫌だからと我慢している

逆らってもどうせ勝てないからと言いたいことを言わずに諦めている

彼女が欲しいのに自信がなくて出会いの場に行けない

こういった形で人と接していると、自分でも気付かないうちに莫大なストレスを抱えることになります。

さらに、人との関係で満たされないことで欲求不満の状態となり、痴漢や盗撮など歪んだ形で解消しようとしてしまうのです。

2.自分の本音を見ないようにしている否認

痴漢や盗撮等の性的問題行動は依存症であり、別名「否認の病」と言われています。

なぜ問題行動を起こしてしまったのか、自分が何を考えているか、どんな感情を抱いているかがわからない。

自分のことが自分でわからない状態なのです。

否認は、日々の中で自分がどう思ったか、どう感じたかと振り返る習慣をつけながら、カウンセリングで自分の話をしていくことによって改善していくことができます。

幼少期の親子関係を主な原因として起こるこの否認を改善していかない限り、自分の本質を見ることができないまま痴漢や盗撮を繰り返してしまいます。

3.習慣化している依存的な思考

依存的な思考は過保護な親や家庭環境から形成されています。

  • 小さい頃から何も言わなくても母親が何でもやってくれた
  • 自分がやらなくても妻が何でも決めて代わりにやってくれる
  • 友達がリードして自分を遊びに連れて行ってくれる

このような環境で生活していると、「自分がやらなくても誰かがやってくれる」という依存的な思考が定着してしまうのです。

結果として、人に任せて主体的に行動しない、基本的に受身で自分の意見を言わない、自制できず惰性的な行動をとるといった習慣を繰り返しています。

依存的な思考から生まれる習慣が、脳内にある前頭葉という理性をコントロールする機能を低下させ、欲求の赴くままに行動させるのです。

4.相手の立場になる思考の欠如

被害者の方がどういう思いをするかを考えることができない。これが致命的な部分でもあります。

そもそも、痴漢や盗撮が犯罪だからやってはいけないという以前に、相手が嫌な思いをするから、心に傷を負うからやってはいけないと思えれば行動に移すことはありません。

相手の気持ちを考えることができていないからこそ、自分の欲求を優先して行動に移してしまうのです。

相手の立場になって考えることは本来、幼少期からの親子関係で自然と築かれるものですが、自己中心的な家庭環境で育った場合などは、相手の立場になって考える習慣がなかったために築かれていません。

正直、この相手の立場になる思考を身に付けるのが一番難しいのですが、カウンセリングを受けながら否認を改善して自分の気持ちに気付けるようにしていくこと。そして、身近にいる大切な人のことを相手の立場で考える習慣を付けていくことを継続しておこなっていく中で感覚として掴めるようになります。

性的問題行動を生み出す性癖の形成について

男性と女性では年齢に応じた性欲の成長曲線が大きく異なります。

男性は10~18、19歳でピークを迎えるのに対して、女性は36~40歳と2倍ほどの差が出ています。

まだ10歳の頃は男性は生殖器が発達しきっていないため、子孫を残す行為ができません。そんな中で男性は下着を見たり、電車でたまたま女性のお尻に触れたりといったことで性的欲求を満たすようになります。

健全に成長した場合は成長過程の中で、そういった低刺激の行為から性行為へと発展していくのですが、親との関係等によって健全に脳が刺激を受けなかった場合、そのままで止まってしまい、それが痴漢や盗撮といった問題行動として表面化してしまうのです。

感情表現が健全に成長しなかったことも原因

私たち人間は、生まれてすぐの赤ちゃんの頃は快、不快の感情しか表現できません。

それは動物的な部分であり、理性はそこから親によって育てられて初めて人間になるのです。

しかし、親が理性を育てなかったとしたら…

快が楽しい、嬉しい、美味しいに別れることなく、また、不快も痛い、辛い、悲しいに別れることなく快、不快の二つでしか判断できないままになってしまいます。

そうなると、快を満たすため、不快を避けるための行動を漠然ととることしかせず、細分化された自分の本当の感情に気付けないまま過ごすことになってしまうのです。

その快を満たすための行動が問題行動になってしまう、本当は他のことでも代わりになるはずなのに、そこまで考えが及ばない状態になります。

こういったケースではカウンセリングで快、不快の感情を細分化していくことも必要となってきます。

痴漢や盗撮をやめるために必要な大前提

前述の内容以外でも人それぞれ解決しなければならない問題があり、その問題にしっかりと向き合って一つずつ解決していくことで痴漢や盗撮をやめることはできます。

しかし、その問題に向き合って解決しようという意志が本人になければどうすることもできません。

痴漢や盗撮をやめたい、改善したいと本気で思っておられるのであれば、大前提として今まで放置してきた本質的な問題と向き合い、解決していく覚悟を持ってください。

その覚悟を持ってカウンセリングを継続していけば、痴漢や盗撮などの性的問題行動は改善できます。

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