性犯罪をしてしまうほどの悩みを抱える男性

性犯罪をしてしまう人は何かしらの問題をいくつも抱えています。

問題を抱え込む中で限界を超えてしまい、性犯罪をせざるをえない状態になっているのです。

性犯罪をする人が抱えている5つの問題

1.人間関係で生じている問題

親子関係、夫婦関係、彼女との関係、職場での人間関係など、人間関係と一言で言っても幅広いものです。

  • 波風を立てたくない、揉めるのが嫌だからと我慢する
  • 相手の顔色をうかがって言いたいことが言えない
  • 不満があっても愚痴を言わず相談せず一人で抱え込む
  • 女性とかかわりたい気持ちがあるのに自分からアクションを起こさない

こういったコミュニケーションを取っていると、自分でも気付かないうちに莫大なストレスを抱えることになります。

人とのかかわりを求める気持ちが生み出す一方的に欲求を押し付ける衝動、慢性的な我慢によって強まる他者への攻撃性や支配欲求が性犯罪につながるのです。

何かのきっかけで自分の世界に入り込み、他人と情緒的な交流ができない状態になっている人も少なくありません。

2.自分の本音を見ないようにしている否認

性犯罪は性依存症に分類されるものであり、依存症は別名「否認の病」と呼ばれています。

なぜ問題行動を起こしてしまったのか、自分が何を考えているか、どんな感情を抱いているかがよくわかっていない。

「興味本位でやりました」「軽い気持ちでやってしまいました」

「性癖があるからやってしまいました」「ストレスがかかっていたのでやりました」

否認は性犯罪の原因を質問されたときの発言に表れています。

性犯罪はこんな単純な理由だけではできませんが、それがよくわからないのです。

否認は日々の中で自分がどう思ったか、どう感じたかと振り返る習慣をつけながら、カウンセリングで自分の話をしていくことによって改善していくことができます。

幼少期の親子関係等が原因となって起こるこの否認を改善していかない限り、自分の本質を見ることができないまま性犯罪を繰り返してしまいます。

3.習慣化している依存的な思考

依存的な思考は幼少期の家庭環境、親子関係から形成されるケースが多いです。

  • 小さい頃から何も言わなくても母親が何でもやってくれた
  • 自分がやらなくても妻が何でも決めて代わりにやってくれる
  • 友達がリードして自分を遊びに連れて行ってくれる

依存しやすい相手とかかわる機会が増え、「自分がやらなくても誰かがやってくれる」という依存的な思考が定着してしまうのです。

結果として、人に任せて主体的に行動しない、基本的に受身で自分の意見を言わない、自制できず惰性的な行動をとるといった習慣を繰り返しています。

依存的な思考から生まれる習慣が、脳内にある前頭葉という理性をコントロールする機能を低下させ、欲求の赴くままに行動させるのです。

4.認知の歪み

「認知」というと難しく聞こえますが、物事に対する捉え方、解釈のことです。

性犯罪をしてしまう人は、以下のような歪んだ認知を持っています。

  • バレなければ相手を傷つけないから盗撮をしてもいい
  • 女性が抵抗しないのは受け入れてくれた証拠
  • 痴漢をされたい願望のある女性は珍しくない
  • 嫌そうな反応を見せていても本心では喜んでいる
  • ちょっと触るくらいなら大したことではない

より多くの遺伝子を残そうとする男性の本能が影響して、女性の反応を都合よく解釈しやすいところはありますが、世の中の男性全員が勘違いして性犯罪をするわけではありません。

認知の歪みがあることで性犯罪をしやすい状態になってしまっているのです。

5.相手の立場になる思考の欠如

被害者の方がどういう思いをするかを考えることができない。これが致命的な問題でもあります。

そもそも、性犯罪が法律で禁じられているからやってはいけないという以前に、相手が嫌な思いをするから、心に傷を負うからやってはいけないと思えれば行動に移すことはありません。

相手の気持ちを考えることができていないからこそ、自分の欲求を優先して行動できてしまうのです。

相手の立場になって考えることは本来、幼少期からの親子関係で自然と築かれるものですが、情緒的な交流が少ない家庭環境で育った、いじめ等の影響で自分を守らないといけない状況が続いた場合などは、相手の立場になって考える習慣が築かれていません。

正直、この相手の立場になる思考を身に付けるのが一番難しいのですが、カウンセリングを受けながら否認を改善して自分の気持ちに気付けるようにしていくこと。

そして、身近にいる大切な人のことを相手の立場で考える習慣を付けていくことを継続しておこなっていく中で感覚として掴めるようになっていきます。

性犯罪を引き起こす要素

歪んだ性癖

男性の性欲は10歳頃から高まって20歳頃にピークを迎えます。

しかし、10歳頃はまだ生殖器が発達しきっていないため、子孫を残す行為ができません。

性的なことに関心を抱いてもアニメや漫画等のエッチなシーン、女子の先輩や同級生の体操服姿に興奮するくらいのもの。

ちょうどこの時期に女性の下着を見たり、電車でたまたま女性のお尻に触れたりといった経験があると強烈な刺激となり性癖が形成されやすいわけです。

それでも、女性と健全なかかわりを持ち、恋愛の延長線上で性的欲求を満たす経験を重ねることができれば変わっていきます。

しかし、女性とのかかわりが上手くいかず脳が健全な刺激を受けなかった場合、そのままで止まってしまい、それが痴漢や盗撮といった問題行動として表面化しやすくなるのです。

感情の未分化

私たち人間は、生まれてすぐの赤ちゃんの頃は快、不快、興奮の感情しか表現できません。

快と不快は年齢を重ねるごとにいろんな感情に枝分かれしていくのですが、親子関係を中心とする人とのかかわりで感情表現が上手くできていないと枝分かれしないままになります。

極端な話、快が楽しい、嬉しい等に分かれることなく、不快も辛い、悲しい等に分かれることがなければ、快、不快の二つしか表現できない状態になるわけです。

感情が未分化であればあるほど快を求めて不快を避ける傾向が強まるため、気分次第で動くことがほとんどになってしまう。

気分次第だから衝動に流されやすく、仕事や人とのかかわりにおいてストレスを抱えやすい。

また、人は自分の感じ取れる感情の範囲でしか共感ができないので、相手の気持ちに共感することができない状態にもなっています。

結果として衝動のまま性犯罪をしてしまうことになるのです。

性犯罪の再犯防止は問題と向き合うことから

  • 介入しなければいけない問題なのに親が放置してきた
  • 親が介入してくれていたのに問題と向き合わなかった
  • 家族以外の人とのかかわりで問題を指摘されたのに向き合わなかった
  • 自分でも問題だとわかりつつ放置してきた

理由は人によって異なりますが、問題を放置してきたことは同じです。

性犯罪をしてしまうほどの問題は非常に大きく、簡単に解決できるものではありませんが、諦めず取り組みを継続している人は解決できています。

性犯罪の再犯防止において自分の問題を認めることで問題意識を持つこと。

そして、問題を解決するために思考や行動の習慣を変えていくことが必要です。

カウンセリングでは問題を自覚できるように自分と向き合う対話を重ね、思考や行動の変容を促すアドバイスをおこなっております。

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