双極性障害のイメージ

双極性障害(躁うつ病)は、一定期間毎にハイテンションな状態(躁状態)と落ち込んだ状態(うつ状態)を繰り返す特徴を持っています。

まず正確に診断されることすら難しい上に再発率が非常に高いという点から、カウンセリングを受けながら自分が双極性障害なのかどうかに気付いていただけるようにしながら、ストレス解消、服薬、生活リズムや習慣の改善などを総合的に踏まえた長期的な計画に基づいて克服をサポートさせていただきます。

双極性障害の診断

双極性障害は診断が難しいと言われています。

なぜなら、双極性障害の方は躁状態ではなく、うつ状態のときに病院に行くことがほとんどだからです。

それでも、医者に躁状態のことも伝えると正しく診断してもらえる可能性は高まるのですが、本人としては躁状態が本当の自分だと信じていたり、異常な行動をしている自覚がなかったりするため、それも難しいのです。

「うつ病」と診断されて、抗うつ薬などの間違った薬を処方されることになってしまい、躁状態がひどくなったり、薬を飲んでいるのに一向に改善しないといったことで長期間苦しむことが少なくありません。(双極性障害にはⅠ型とⅡ型がありますが、Ⅱ型はⅠ型に比べて気分の上下差が少ないため余計に見つかりづらいようです)

最低一週間、躁病エピソードと大うつ病エピソードの両方(DSM-Ⅳ基準)を満たすことが要求されていますが、日常の行動に落とし込んだ場合以下のようなことになります。

躁状態のとき

  • 普段よりテンションが異常に高く態度も横柄になる
  • 急に泣き出す、怒り出すなど気分が不安定になる
  • やりたいことが次々と浮かんで活動的になる
  • 買い物、ギャンブル等での浪費がひどくなる

万能感に満ちて何でもできるような気分になります。

普段はあまり喋らないのに自分から積極的に話しかけるようになったり、やりたいことが次から次へと浮かんできて、自分では気付かないうちにオーバーヒートしていきます。

とくにⅠ型では、周りから異常だと見られるほどに変わり、高圧的な態度、注意力散漫、浪費、衝動的な性行動をとるという問題が起こりやすいと言われていますが、本人には異常な行動をしている自覚はありません。

クレジットカードで衝動買いをして多額の借金をしてしまったり、職場の同僚や友達に威圧的な態度で接して関係を壊したり、自分勝手な行動で相手に迷惑をかけたりしてしまう危険性があります。

うつ状態のとき

  • 何に対してもヤル気が起こらなくなる
  • 憂鬱な気分が晴れない
  • 死にたいと思う
  • 自分には価値がないと感じる

躁状態が終わるとうつ状態に切り替わります。

躁状態のときと打って変わって何事に対してもやる気がなくなり、眠れなくなったり、食欲を失ったり、疲れやすくなったりします。

仕事に行くのも困難で普通の生活すらしたくなくなって、ひどい時は起き上がることすらできず、一日中寝て過ごす状態になることもあります。

本人としては躁状態を理想としていることが多く、うつ状態になれば躁状態に戻ることを望むので、躁状態に戻そうと無理やり頑張って逆に疲れてどんどんうつ状態がひどくなっていきます。

何事もマイナス思考で考えて気付いたら自殺を考えてしまうまでになる危険性もあります。

万能感に満ちた躁状態からうつ状態になると、絶望的な気持ちになりやすく、しんどくて仕方なくなるのです。

躁状態のときに重ねた友達との約束や取り掛かった仕事などがうつ状態のときに残っているため、それが負担となって余計に苦しむケースもあります。

双極性障害と薬の関係

双極性障害は抗うつ薬が中心となるうつ病とは異なり、リチウムやバルプロ酸といった気分安定薬が中心となります。

現在、リーマスなどのリチウムが第一選択肢として処方されているようです。

躁状態を引き起こす危険性があるため基本的に抗うつ薬は使用しませんが、うつ状態や不安、不眠が強く出てしまう場合等に抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬が処方されることがあります。

気分安定薬の副作用

気分安定薬は躁状態のときにもうつ状態のときにも効果的で、気分の上下幅を小さくしてくれる効果がありますが、副作用として中毒の危険性があるため有効血中濃度を測定しながらの治療となります。

薬によって異なりますが、副作用として手の震え、吐き気、息切れ、めまい、全身の倦怠感、発熱、食欲不振などがあると言われています。

薬の服用期間

気分安定薬の副作用が気になって途中で勝手にやめてしまいがちになりますが、長期間に渡っての服用が必要となります。

完治の判断が難しいため、治ったと思っても自己判断で勝手にやめずに主治医の指示に従いながら少しずつ薬の量を減らしていくことが必要です。

双極性障害を克服していくために

双極性障害の原因として、遺伝や生育暦、性格、脳内の情報伝達の乱れ等といった説がありますが、ハッキリこれだとは判明していないようです。

ただ、過度のストレスや生活リズムの乱れなどがキッカケとなって発症するケースが多いと言われていますので、ストレス解消や生活リズムの改善は対処法として有効となります。とくに短時間睡眠は躁状態を引き起こしやすいため、睡眠時間が短い場合は睡眠時間を長くするだけでも効果が表れることがあります。

克服していくためにまずは躁状態になっていることに自分で気付けるようになって、その状態が不自然な状態であることに気付いていくことから始めます。

双極性障害は、気分安定薬で日々の症状を抑えながらカウンセリングを受けて克服していく形となります。

うつ病やうつ状態、対人恐怖症等と似通った症状が出るため、短期間での克服を想定してカウンセリングを受けられる方もおられますが、数ヶ月で克服できるケースはほとんどなく、克服まで何年もかかる可能性が高いという点だけは認識しておいてください。

カウンセリングの終了時期

双極性障害は完治はしないものと言われていますが、躁状態とうつ状態の波が生活に支障をきたさない程度に小さくなれば克服できたと言えます。

再発率が非常に高いため、薬の服用と同じく自分での勝手な判断は危険ですので、慎重に状態を見ながらにはなりますが、カウンセラーから終了時期をお伝えするようにしております。

ただし、双方相談の上での決定を考えておりますので、終了時期に関してお考えのことがあれば遠慮なくお話下さい。

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