カラオケ店の風景

「カラオケに行こう」という話が出たとき、どうすれば断れるかを考える。

断れずカラオケに行くことになった場合は、どうすれば自分が歌わずにやり過ごせるかで頭がいっぱい。

マイクを持つと極度の緊張で震え、声帯がぎゅっと締め付けられてしまう。

職場の飲み会の二次会で必ずカラオケに行く時代ではなくなりましたが、カラオケに行く機会がゼロになったわけではありません。

カラオケ恐怖症でお悩みの方に私自身の体験談を交えながら克服方法をお伝えしていきます。

カラオケ恐怖症の原因

人前で歌うことに関するトラウマ体験

カラオケ恐怖症になる原因としてトラウマ体験があります。

私は声変わりしてすぐ家族でカラオケに行ったとき、地声でしか歌えないことに母親が過剰反応してキーとボリュームを下げまくったことでカラオケ恐怖症になりました。

カラオケ以外の場面、例えば学校の音楽の授業で歌ったときに笑われたといった経験もカラオケ恐怖症につながるトラウマに該当します。

人前で歌うことに関して大きなショックを受ける出来事があった人はカラオケ恐怖症になりやすいです。

カラオケでプライドが傷付いた経験

カラオケは人前で注目を浴びながら歌う場です。

上手く歌える人はもてはやされ、逆に下手な人は馬鹿にされることだってある。

プライドがあまりない人は「お前、音痴やな」と言われても笑って流せますが、プライドが高い人の場合はものすごく傷付きます。

直接馬鹿にされた経験だけでなく、自分が歌っているときの周りの反応が微妙だと感じた等、自分のプライドが傷付く経験があればカラオケ恐怖症になってしまう可能性があるのです。

人の目を過剰に気にする状態

自分が選ぶ曲が変だと思われないかどうか、下手だと思われないかどうか等、人からどう思われるかを考えすぎるとカラオケが怖いと感じるようになります。

デンモクで曲を検索しながら「この曲は古すぎるかな」「これは恋愛の歌だから変かな」と悩みだすとなかなか選べない。

他の人が順番待ちをしているから早く決めないとと焦り、まだ決めていない状態で回せば「何か歌えよ」と言われてしまう。

いざ歌ってみたら変な合いの手を入れられたり、自分のときだけ周りが無反応だったりして、どんどんつらくなっていくのです。

親切心で応援してくれる人もいますが、逆に惨めな気持ちになってよりつらさを感じます。

カラオケ恐怖症を克服するために

ヒトカラで経験を積む

一人でカラオケで歌って練習することは効果があります。

カラオケ店は独特の雰囲気で普段家や車の中等で歌うときとは明らかに違いがあります。

家では普通に歌えるのになぜかカラオケ店だと歌えないという感覚はなかったでしょうか。

狭い空間で大音量のBGMをバックに歌うのは普段の生活では経験できません。

慣れていないことをたまにやるから上手くいかない、上手くいかないから自信を失って余計に緊張してしまう傾向があるのです。

一人でカラオケに行くこと自体に抵抗を感じるかもしれませんが、「ヒトカラ」という言葉ができたくらい今は一人でカラオケに行く人が増えています。

私もヒトカラで練習して「カラオケで歌うこと」に慣れさせていきました。

初めて利用するときは恥ずかしい気持ちになりやすいですが、二回目以降になると和らいでいきます。

カラオケ店をホームグラウンドにするような感覚で定期的に通ってみてください。

歌うときの姿勢を修正する

カラオケ恐怖症の人は歌うときに過度な緊張状態になって身体を固めています。

胸を押しつぶすような形で頭が下がり、顎が前に出て足のつま先に力が入った姿勢になる。

声が出しづらい姿勢で無理やり歌うことになるため、声量は小さくなりやすく、何とか声を大きく出そうとすることで緊張が強化されてしまうのです。

だから、歌うときの姿勢を修正することで歌いやすくなるのですが、カラオケボックスに入った時点、自分が歌う順番が回ってきた時点でスイッチが入ったように姿勢が変わります。

まずは自分の姿勢がおかしくなっていることに気付くことから始めてください。

そして、なるべく頭を持ち上げて胸を広げる、足のかかとが地面についている感覚を確かめる等をおこない、歌いやすい姿勢にしていきましょう。

緊張で硬直した状態は動きを出すことで緩和しやすいため、リズムに合わせて少しだけ身体を動かす等をした方が歌いやすくなります。

信頼できる友達とカラオケに行く

「カラオケ恐怖症なのにカラオケに行くというのはどういうことだ?」と思われたかもしれません。

しかし、カラオケ恐怖症が避け続けることで維持、悪化していることを考えれば、克服に必要なことだとわかっていただけるのではないでしょうか。

これは暴露療法(エクスポージャー療法)と呼ばれる心理療法に該当する取り組みであり、不安や恐怖を感じる場にあえて身を置くことで大丈夫だったという経験を積み、不安や恐怖を解消していくものです。

私自身も友達と飲みに行ったあとカラオケに行ったことがキッカケとなって克服できました。

友達の反応がすごく気になってチラチラ見ながら歌っていましたが、その友達が気にする様子はなく私が選んだ歌を知っているかどうかを普通に話していたのです。

あまりに自然で「俺の歌を聞いて何も思わないのか?」と疑問を抱きつつ、帰り際に「楽しかった、また行こうや」と言われたことで気にしていなかったのだと思いました。

そして、次に会ったときも「今日もカラオケ行く?」と聞いてくれて、相手は自分が思うほど気にしていないのかなと思うようになったのです。

私の成功体験はお酒が入っていた状態で、友達が細かいことを気にしないタイプだったことが重なった結果であり、同じ方法を取れば誰でも必ずカラオケ恐怖症が克服できるわけではありません。

人によっては段階的に取り組んでいく必要があるため、いきなり友達の前で歌うのは難しいという場合はご相談いただければと思います。