うつ病に苦しむ女性

うつ病とは?

うつ病は大きく以下の2つに分類されます。

1.単極生うつ病(うつ病)

ストレスを原因として憂鬱な気分、無価値感、希死念慮を抱く一般的に言われる「うつ」がこれに該当します。

2.双極性うつ病(躁うつ病、双極性障害)

テンション高く調子が良い躁状態と単極生うつ病と同じ抑うつ状態を一定期間毎に繰り返すもので、上下落差が激しいⅠ型と緩やかなⅡ型があります。

どちらも同じうつ病なのですが、それぞれ性質が異なるため、治し方も違ってきます。

また、単極生うつ病に似たものでうつ状態というものもあり、これは病気になる手前のような状態ですから薬が効かないケースがほとんどだと言われています。

以上のようにうつ病には複数の種類があり、それぞれ改善方法も異なるため、共通しているうつ状態を切り口にしてカウンセリングを受けながら、うつ病、うつ状態、双極性障害、その他の精神病等かを判別して病院への通院と併用していくのが改善への近道となります。

うつ状態とうつ病

うつ状態はあくまでも「状態」です。

気分が落ち込んで元気がなくなった状態をうつ状態と言います。

うつ状態はうつ病と違って誰にでも起こりうるもので、例えば、悩みとは無縁そうな明朗で快活な人でも、離婚や身内との死別などによって気分が落ち込んでふさぎこむことがあります。この場合は一時的なもので、一定期間が過ぎればまた元気になるケースが多いですが、これもうつ状態に当てはまるのです。

医者が診断名として使う場合、うつ状態だけで何の病気かを特定できなかったケースがほとんどになります。

なぜなら、うつ状態だけで考えうる病気として、うつ病、対人恐怖症、社会不安障害、統合失調症、パニック障害、発達障害など様々な可能性が考えられるからです。

「統合失調症の可能性はありますね」「広汎性発達障害の可能性があるかもしれません」等とあいまいな回答をされるのは、現時点で診断しきれないという証拠だと言えます。

それに対してうつ病は診断が確定したものであって、診断基準に基づいて1回もしくは複数回の診察で判明するケースが多くなっています。

うつ状態と違って「病気」であり、副腎から分泌されるホルモン物質であるコルチゾールの過剰分泌によって脳がダメージを受けている状態です。

原因としては長期に渡る過度のストレスと言われていますが、さらにそのストレスの原因はストレスを感じやすい思考回路やマイナス思考を生み出す対人恐怖症であるケースが多いため、うつ病を克服するにあたって最終的には物事の捉え方を変えたり、対人恐怖症を克服することが必要となります。

うつ状態とうつ病とでは治す方法も違う

うつ病と正式に診断されているならば、まずは薬を飲みながら休養をとることになります。

栄養摂取や生活習慣の見直し等もしながら、ダメージを受けてしまった脳を回復させることが必要なのです。そして、ある程度回復してきた段階からカウンセリングを受けて自分と向き合ったり、根本的な原因となっているストレスを溜めやすい物事の捉え方を変えたり、対人恐怖症を克服したりしていく形になります。

それに対して、うつ状態では何の病気か判明していないわけですから、どの薬が効果的かも、休養すれば治るのかも明確ではありません。

うつ状態でしかないのに、うつ病と誤診されて薬を飲み続けて一向に治らないと言われる方もおられますので、「もしかすると私も?」と思われた方は一度違う病院で診察を受けてみてください。

ただ、うつ状態になる原因が過度のストレスであるため、ストレス解消につながることや、カウンセリングで話をして溜め込んでいた感情を吐き出すことは非常に効果が高いと言えます。

うつ病と休養

うつ病の治療には薬を飲みながら十分な休養を摂ることが必要と言われています。

しかし、

  • 仕事や家事、育児ができないことで家族に対して罪悪感を感じる
  • 先のことを考えて不安になってしまう
  • 自分が怠けてしまっているだけに思える

といったことを頭の中でグルグルと考えながら自分を責めて苦しみますので、どうしても心が休まらない状態になってしまうのです。

家族からの理解が得られず心無い言葉を掛けられることもありますが、そうなると無理やりでも仕事に行こうとしたり、家事をしようとしたりして休養どころの話ではなくなります。

うつ病で休養している期間中の過ごし方

ただ、そうは言っても休養は必要ですので、以下の内容を参考にしながら休養時期を過ごしていただければと思います。

うつ病になると何に対してもやる気が起こらず、何か一つ行動しようとするだけでもかなりのエネルギーが必要となってしまいますので、休養期間中は顔を洗ったり、歯を磨いたり、三食たべるようにしたりと、生活する上での最低限のことをこなしながら過ごします。疲れたら横になったり、ボーっとテレビを眺めるのも休養の一環です。

そして、少しずつ身体が動かせるようになってきたら自分が寝ている部屋だけ掃除してみるとか、好きなことをやってみるとか、できる範囲のことを少しずつやっていくことでエネルギーを取り戻していくことができます。

職場への復帰や家事、育児を本格的にこなそうとすると難しいけど、その他の日常的なことは問題なくできるという状態になればカウンセリングを受けていく段階になります。

うつ病を克服するために

まずはダメージを受けた脳を回復させることが必要

長期間のうつ状態やうつ病の場合、脳にある海馬と扁桃体がダメージを受けています。

海馬は記憶を司り、扁桃体は感情を司る部分になりますから、記憶力が落ち、感情を上手くコントロールしたり表現することができなくなります。

脳がダメージを受けたままの状態ではカウンセリングで自己洞察をするのも難しいですから、まずは脳の機能を回復させることを優先します。この時期は薬を飲みながら休養したり、生活習慣や食生活の見直しをすることが必要ですので、カウンセリングというよりアドバイスという形でのサポートをさせていただきます。

カウンセリングを受けて話をしていくのは脳が回復してきてからです。この段階になればカウンセリングで話すことが脳の活性化につながり、理性をコントロールする前頭葉と本能を司る大脳辺縁系がバランス良く機能することで克服へと向かっていきます。

再発防止のために継続が必要

うつ病は再発しやすい病気だと言われており、双極性障害(躁うつ病)はとくに再発率が高くなっています。

再発をしないために大切なことはカウンセリングを定期的に受けながらストレスを発散する習慣を生活の中に取り入れていくことと、ストレスを生み出しやすい思考や物事の捉え方を変えていくことです。

今までのうつ病になりやすい習慣を変えておくことによって再発を防止することができるのです。

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