対人恐怖症についての説明

対人恐怖症とは?

対人恐怖症とは、周りから見た自分を過剰に意識してしまうがゆえに、人との接触を恐れて避けようとするあまり生活や人間関係に支障をきたす神経症です。対人不安、対人緊張、社会不安、人間恐怖と表現されることもあります。

何をしても受け入れてもらえるという安心感がある関係の人(家族や親友等)といるときには症状が出ない、出ても軽度となる場合が多い。逆に、職場など中途半端に継続する関係や飲み会など複数人の集まりの中で強く症状が出てしまう。初対面よりも2、3回接点がある中途半端な関係の人が苦手といった特徴があります。

また、就職や一人暮らし、結婚、出産等による環境の変化によって症状が悪化することが多く、男女問わず20~30代に多くみられるのも特徴です。

「対人恐怖症の人=人とまったく話すことができない人」というイメージを持たれがちですが、ほとんどの人が人と話すことはできる状態です。表面的にはうまく会話することができる人すらおられます。ただ、人と自然に緊張せず話したり、本当の自分を見せたりすることができず、人間関係をうまく構築できない状態なのです。

※実際のお悩みの一部をご紹介します。

コンビニやレストランで接客してくれるスタッフには普通に応対できるが、プライベートになると自分が発した言葉によって相手が気分を害するのでは、と考えると話せなくなる。何年も関係がある相手でも、怖い。また関係がある友人でも、深い付き合いをしているとは言えない。
(K.K様、滋賀県、20代、女性、会社員)

上司や同僚、友達とすら自然に会話できず、相手の視線が気になり、緊張したり気を遣いすぎてしまう。結果、どんどん負のスパイラルになり、人と接することを避けるようになり、そんな自分に自信がなく嫌悪感すら持っている。
(東京都、30代、男性、会社員)

常に100点を目指そうとしてしまい完璧にできないことは最初からトライしない。恥をかくのを恐れている。他から馬鹿にされたり笑われたりするのが嫌。 周りの目を気にしすぎて集まりなどに参加するのを避けてしまう。少人数はまだいいが大人数だと緊張し、自分を出せずおとなしくなってしまう。人前で話すのも苦手。声が震えて顔が引きつる。 そのような場では楽しめず孤立してしまうか無理して楽しんでるふりをするのは疲れるのがわかっているからあえて出かけなくなった。どこかで人を信じられず一部の人にしか心を開けず周りが敵であり自分は柔軟でなく、とっつきにくく生真面目でつまらないと思われてると思ってしまう。 もっと何でも気楽に受け止めたいが小さなことを気にしすぎてしまう。
(千葉県、30代、女性)

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概念が幅広く、人見知り、過度の気遣い、対人緊張~統合失調症やうつ病、依存症と関連するものや、発達障害パーソナリティ障害と関連するものまであり、厳密な定義があるとは言えないものです。そのため、カウンセラーによって病気ではないと言われることもあります。また、うつ状態、うつ病、パニック障害などで悩む方の約80%は根本的な原因として対人恐怖症を抱えているケースがあると言われています。

また、日本固有の「恥の文化」から生まれた日本人特有の病気で、10人に1、2人がかかるとも言われています。

対人恐怖症は大きく以下の2種類に分けられます。

緊張型対人恐怖症

自分の性格に問題があると感じ、劣等感等に苦しむ自己完結的な対人恐怖症。症状が社交不安障害とほぼ同じと言われている。

克服するために、性格を変えようと努力して、話し方教室、読書、自立訓練法、自己催眠、食事療法、宗教等に取り組む人が多いが克服できず、努力することに疲れ果ててひきこもりになってしまう場合もある。

緊張型として代表的なものは以下の通りです。

確信型対人恐怖症

自分の身体の部位に問題があると感じ、周りの人に迷惑を掛けていて、嫌がられるのではないかと、罪悪感を感じる対人恐怖症。相手の仕草や言葉を自分の気にしている部分と結びつけて、どんどん症状を悪化させていく。重度対人恐怖症とも言われ、克服までには時間がかかる。

克服するために、身体の問題を解決しようと努力して、問題があると感じる部位に該当する病院へ通院するが、客観的な証拠が認められず、異常なしと診断されて医者への不信感を募らせて病院を渡り歩く場合もある。

また、過剰に意識し過ぎて、夜でもサングラスをかけたり、匂いの強い香水をふったりして、余計に注目を浴びてしまうこともある。

確信型として代表的なものは以下の通りです。

対人恐怖症を克服するために

克服するにあたって認知の修正が必要と言われ認知行動療法や森田療法が主流となり、最近では対人関係療法、マインドフルネス認知療法、EMDR、NLP、TFTなどの手法も出てきています。についても症状を抑えるという面では効果があります。

いずれ治るだろうと症状のつらさを我慢したり、ごまかして過ごしたりする方もおられますが、対人恐怖症は放置していても治りません。

対人恐怖症で悩んでいると症状が気になるので人前で隠そうとするのですが、隠そうとすればするほど余計に気になってどんどん酷くなる悪循環に陥ります。その結果、人とかかわる場面を避ける「回避」を繰り返してしまうので、年を重ねても体験することが一般の人よりも極端に少なくなり、自然に治らないまま40代、50代になっても苦しみ続けることになるのです。

対人恐怖症の状態では事実に対して偏った捉え方をしていることが自覚できないまま、不安や恐怖から逃れるための間違った選択をしてしまうため、一人で悩んで本やインターネットで調べてもほとんど効果が出ません。

さらに、対人恐怖症は気質、考え方、脳の働き、習慣、感覚、潜在意識など複数の要素が悪影響を及ぼしあって発症しており、うつ病やうつ状態、パニック障害等を併発しているケースも多いことから、克服するためには第三者である専門家の介入、カウンセリングが必要となっています。

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