会話が途切れて沈黙の時間が流れるのが怖い。

何とか会話を続けようと無理をして、話し過ぎたり、逆に話せなくなったりすることで苦しみます。

「もし、自分から話しかけたとしても一言で終わって沈黙になったら気まずいですよね」

「会話が途切れた時に沈黙の時間が流れたらどうしようって気になって仕方ないんです」

「沈黙になったら何か話さないとって必死に考えて話すんですけど、また一言で終わるから余計に気まずくなっちゃうんですよね」

だいたいこういった感じのことを言う人が多いです。

カウンセリングでも沈黙が気になるから焦って話す、カウンセラーに沈黙を作らないようにして欲しいと言う人もいるくらい。

沈黙が怖くて仕方ない症状は、沈黙恐怖症と呼ばれています。

沈黙恐怖症とは?

沈黙恐怖症は、人と会話するときにできる間、沈黙を恐れすぎて普通に話せなくなる症状です。

3人以上で話すときは大丈夫で、一対一、とくにあまり親しくない人との会話で恐怖を感じやすい。

沈黙になると焦って無理やり話すか、話すことがなく気まずい思いを耐え続けるかになってしまいます。

頑張って話しても間を埋めるための会話だから続かず、また沈黙になって焦るの繰り返しで苦しむのです。

常に沈黙を警戒しながらの会話になってしまい、緊張が解けず自然に話すことができない。

対人恐怖症の特徴に「沈黙を恐れる」がありますので、沈黙恐怖症は対人恐怖症の一種と言えます。

沈黙恐怖症の原因

誰しも多少なり沈黙が気になるときはありますが、「沈黙ができたらどうしよう…」と常に不安を感じてはいません。

沈黙を過度に恐れるのは、人に嫌われること、拒絶されることを恐れているからです。

人とのかかわりに安心感がなく、常に嫌われないかどうかを気にしている。

相手の反応をうかがいながら過度に気を遣っている人が多いですね。

本来、沈黙ができるのは当然なのに、沈黙ができたら相手に不快な思いをさせていると解釈してしまう。

相手に嫌われると思うから、恐怖を感じて何とかしなきゃと必死になるわけです。

沈黙がどんどん怖くなる悪循環

沈黙の時間が流れると「自分が上手く話せないからだ」と自分の責任にする。

沈黙になったのは自分の責任だからなんとかしないといけないと思う。

沈黙を打開するために必死に考えて話すが、焦ってひねり出しただけの話だから会話が続かない。

また沈黙の時間が流れて自分を責める。

「やっぱり自分は会話が上手くできないんだ」と思うから余計に沈黙が怖くなる。

これが沈黙が怖くなっていく悪循環です。

会話をしている以上相手があるわけですから沈黙の時間ができてしまった責任は少なからず相手にもあります。

しかし、自分の会話に問題があると感じているせいで100%自分の責任にしてしまうから居たたまれない気持ちになってしまうんですよね。

沈黙恐怖症を克服するために

わざと沈黙の時間を作ってみる

沈黙をなくそうと無理にしゃべったらこんな感じになります。

「今日天気悪いですよね。」

「そうだね。台風近づいてるからね。」

「・・・」

「・・・」

「あっ、そうそう、こないだの打ち合わせどうだったんですか?」

「えっ?まぁ、別に問題なかったけど。」

「・・・」

「・・・」

「・・・(どうしよう…)」

想像するだけでしんどいですよね。

頑張っても頑張らなくても「話が続かない」という結果に変わりはないわけですから、いっそのこと頑張って別の話題を振るのをやめるほうが賢明です。

沈黙の時間ができたらわざと黙るようにしてみましょう。

自分で時間を決めて3秒なら3秒、10秒なら10秒。

心の中でゆっくり数えて意図的に無言の時間を作るのです。

意外かもしれませんが、わざと黙ることで落ち着きを取り戻しやすく、相手が別の話題を振ってくれるケースもあります。

自分は話せるという自信をつける

「自分は上手く話せない、面白い話ができないと思っている」という自信のなさが沈黙を恐れる一因になっています。

沈黙になってもなんとでもなる、何か話したいことが出てきたら話せばいいやと思っている人は沈黙を恐れませんからね。

自分は話せるんだという自信を付けるためには「話せた」という経験を積んでいくことが必要です。

沈黙で追い込まれて「何か話さないと」というプレッシャーに飲まれた状態では上手く話せないので、普段の落ち着いた会話のときに自分から話す自発的な会話をしていくことになります。

ただ、いきなり自分から話そうとしても難しいので、まずは話したいこと、聞いて欲しいこと、聞きたいことが自然と出てくる状態を目指しましょう。

普段の生活をしている中で自分が感じたこと、思ったこと等に焦点を当ながら過ごして、紙に書いたりカウンセリングで話したりして表現することから始めてください。

表現することによってもっと表現したい気持ちが強くなるので、他人との会話でも自発的な会話がしやすい状態になっていきます。

嫌われても大丈夫と思える状態になる

沈黙恐怖症の根底にあるのは人に嫌われることへの恐怖です。

別に嫌われてもいいと思える状態であれば、たとえ沈黙の時間ができても焦っておかしくなることはありません。

嫌われることを恐れている人は、自分が自分のことを嫌っています。

自分が嫌いだから人に嫌われると思いやすく、嫌われることに耐えがたい苦痛を感じる。

もし、自分のことを好きでいられたなら、他人から嫌われても大丈夫になります。

自分を嫌いになるのは、親子関係、学生時代の人間関係等で、ありのままの自分を否定されたり、認められなかったりした経験があるから。

カウンセリングで自分のことを話し、肯定してもらう中で「こんな自分でもいいのかな」と少しずつ思えてくる。

世間や他人ではなく自分の基準で自分を見られるようになるから、ダメなところばかりじゃなく良いところ、好きだと思えるところが出てきます。

カウンセリングを受けながら少しずつ向き合い、ありのままの自分を好きになっていくことで沈黙恐怖症は克服できるのです。

⇒沈黙が怖くて仕方ない対人恐怖症を克服するカウンセリング