「最後にセックスをしたのはいつだっただろう?」
「このままだと夫婦関係が冷え切ってしまうのではないか…」
夫婦やカップルにとってセックスレスは非常にデリケートで深刻な悩みです。
日本では多くの夫婦がセックスレスの問題を抱えていますが、「自分たちだけが悩んでいるのではないか」と不安や罪悪感に悩まされている人が少なくありません。
セックスレスは愛情が冷めたサインではなく、生活環境や心身の状態が変化した結果であり、適切な対話と具体的な行動で改善が見込めるものです。
本記事では、セックスレスに悩む方のために原因を分析し、夫婦関係を修復するための具体的な7つのステップを解説します。
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セックスレスとは?定義と日本の現状
セックスレスの明確な定義:どのくらいから該当する?
一般的に「セックスレス」とは『カップルのどちらか一方がセックスをしたいと望んでいるのに長期間できない状態』を指すことが多いです。
日本で初めて「セックスレス・カップル」の定義づけをおこなった日本性科学会は『特殊な事情が認められないにもかかわらず、カップルの合意した性交やセクシャル・コンタクトがいずれも1ヶ月以上なく、その後も長期に渡ることが予想される場合。』をセックスレスと定義しています(2024年)。
重要なのは回数や期間よりも、どちらか一方、あるいは双方がその状態に不満や不安を感じているかどうかです。
夫婦間の合意であれば問題ありませんが、解消したいと願っているのに改善できない状態が「問題としてのセックスレス」だと言えます。
データで見る日本のセックスレス率
日本のセックスレス率は世界的に見ても高い傾向にあります。
日本家族計画協会の調査では、男女とも60%以上がセックスレスであるという結果が出ています。
これはジャパン・セックス・サーベイ2024年の調査結果であり、前回実施された2020年時点に比べて悪化している状況です。
欧米と違って日本では夫婦が性の話題をオープンにすることへの抵抗感が根強いため、気付いたらセックスレスになっていたというパターンが多く見られます。
セックスレスの根本原因タイプ別分析
セックスレスの原因は複雑で一つに絞れないことがほとんどです。
自分たち夫婦に当てはまる原因を特定することが解決への第一歩となります。
【身体的原因】ストレス、疲労、ホルモン変化
性行為は心身の健康があってこそ成立するものです。
日常のタスクやライフイベントが心身に影響を与え、セックスレスの原因になっているケースがあります。
仕事、家事、育児は体力や時間だけでなく、心の余裕も失わせるためセックスへの関心が向きづらくなる。
男性の場合、ストレスによって性欲を司るテストステロン等のホルモン分泌が抑制されてしまい、セックスへの意欲が減退してしまいがちです。
出産後の女性はプロラクチン等のホルモン分泌により性欲が低下しやすいほか、産後うつ等によってセックスどころではない精神状態になることがあります。
【心理的原因】倦怠期、拒絶への恐怖、不満の蓄積
夫婦間の感情的な繋がりや個人的な心理状態が原因となっているケースです。
恋人から家族へと関係性が変化し、ドキドキ感や新鮮さが失われた結果、性的な魅力や関心が薄れてしまう。
「家族としてしか見られなくなったから性欲が湧かない」という発言を聞くことは少なくありません。
過去に拒否された経験から「また断られたら傷つく」という拒否への恐怖を抱き、自ら性的なアプローチを避けるようになる傾向は男性に見られやすいです。
女性側は産後の体型の変化や加齢によって自分に自信が持てない、体を見られるのが恥ずかしいといったコンプレックスが原因となることがあります。
普段の生活で相手に抱いている不満や怒りが未解決のまま蓄積し、性的な関係を持つことに抵抗を感じているケースは多いです。
【環境的原因】多忙な生活、別々の寝室、性の不一致
日々の生活スタイルや物理的な環境が、性的な機会を奪っているケースです。
夫婦の帰宅時間や睡眠時間がバラバラで二人きりになれるプライベートな時間がほとんどない。
仕事と家事、育児をしていたらゆっくりする時間もなく、気付いたら寝る時間。
子どもとの添い寝やいびき等の理由で寝室が別になっていることで、性的な関わりを持つ機会が物理的に減少している。
そもそもセックスの頻度や方法に対する夫婦それぞれの考えが大きく異なり、お互いが無意識にプレッシャーを感じている場合もあったりします。
セックスレスが長期化する夫婦に起こりやすい悪循環
セックスレスを考える上で大切なことは、最初にセックスをしなくなった理由とその状態が長く続く理由が必ずしも同じではないということです。
例えば、最初は仕事や育児による疲労が原因だったとしても、セックスレスが続くうちに夫婦間の不満が積み重なっていくことがあったりしますからね。
求める側は拒絶されたと感じ、避ける側はプレッシャーを感じる
妻がセックスを求めても夫は疲れていたり妻を性的な目で見られなかったりで応じられない。
妻は断られたことで寂しさや悲しみ、不満を感じ、何度も誘ったりセックスがないことを責めたりするようになる。
その結果、夫は妻の期待に応えなければならないというプレッシャーを感じ、ますますセックスへの拒否感を強めてしまいます。
夫が避けるほど妻は拒絶されたと感じ、妻が求めるほど夫は負担を感じる。
このような悪循環が続くと求められる側のセックスに対するイメージがどんどん悪化し、「セックス=苦痛」という認識になってさらにやりたくない気持ちが増していくのです。
※妻⇒夫のパターンで書きましたが、夫⇒妻のパターンもあります。
セックスがなくなったことで相手への否定的な解釈が強まる
セックスレスが続くと相手の気持ちが分からないことへの不安が強まっていきます。
妻は自分に魅力がないから夫が応じないのではないかと考える。
夫は妻が自分の気持ちを理解せず、身体の関係によって安心しようとしているだけではないかと考える。
しかし、実際には妻は寂しさや悲しみを感じているだけかもしれないし、夫は疲労やプレッシャーに苦しんでいるだけかもしれない。
相手の気持ちを確認しないまま、自分の解釈だけで相手の行動を理解しようとすることで誤解が解消されないまま不満が蓄積されていくのです。
セックスレスの問題を話し合えなくなる
セックスレスが続いていると話し合おうとしても責め合いになってしまうことが多くなります。
求める側は自分の寂しさや不満を伝えたいのに相手を責めるような言い方になってしまう。
避ける側は自分の気持ちを説明しようとしても、相手を傷つけたり怒らせたりすることを恐れて本音を言えなくなる。
どちらも自分の気持ちを十分に伝えられないまま問題と向き合わないようになっていくのです。
セックスレスを改善するためにはセックスの回数について話し合うだけでなく、お互いが何を感じているのか、何に困っているのかを理解することが大切だと言えます。
セックスレスを乗り越えて夫婦関係を修復する7つのステップ
ここからはセックスレスを解消し、愛情と信頼を取り戻すための具体的な7つの行動ステップを紹介します。
ステップ1:不安や不満を話し合う「対話の場」を設ける
まず、安全な場所で時間を決めてこの問題について話し合う機会を設けます。
このとき「なぜしてくれないの?」と相手を責める言葉は厳禁です。
「最近、性的な関係がなくて寂しい気持ちになっている」「セックスが夫婦の愛情確認として大切だと思っているんだけど…」と自分の感情を主にして伝えます。
相手が「疲れている」「体調が優れない」といった理由を話した際は、まず「そうなんだね」と受け止めることから始めましょう。
ステップ2:コミュニケーションやスキンシップの時間を増やす
セックスはコミュニケーションの延長線上にあるものです。
普段からコミュニケーションをほとんど取っていない状態で急にセックスだけしようというのは無理があります。
他愛のない今日の出来事を話す、共通の趣味で盛り上がる等、身体的な親密さの前に心理的な親密さを高めること、心の距離感を縮めることに取り組んでください。
また、スキンシップはオキシトシン(愛情ホルモン)の分泌を促し、夫婦間の信頼感と安心感を取り戻すために有効です。
ハグをする、手をつなぐ、マッサージをする等、1日5〜10分程度の非性的な触れ合いを意識的にやってみましょう。
ステップ3:夫婦のマンネリを解消する「二人きりで楽しむ時間」
「家族」としてではなく「恋人」としての時間を意図的に作ります。
子どもを預けたり、仕事のスケジュールを調整したりして、夫婦だけで過ごす時間を定期的に作りましょう。
二人で何かを楽しみ、快感を得る体験をなるべく増やしてみてください。
一緒に出掛けて食事をするのもいいし、家で一緒にお菓子作りをしてみるものいいですね。
二人で一緒に快感を得ることはセックスに通ずるものがあり、「セックス=苦痛」の印象を変えていくことができます。
家族としてしか接しない日常から抜け出すことで「家族としてしか見れなかった」感覚が変わり始めるのです。
ステップ4:相手の性を理解する(愛情確認のズレ)
お互いが性的な行為にどのような意味を見出しているか、その価値観のズレを理解します。
一方が「セックス=愛情」だと考えていても、一方は「共感やねぎらいの言葉=愛情」と捉えているかもしれません。
人によって愛情表現の仕方、何を重視するかは違いますからね。
相手が求めている愛情表現をなるべくしようと努力し合い、結果ではなく過程の部分でお互いにできたことを認めていきましょう。
お互いにとっての愛情を知り、尊重し合うことが大切なのです。
ステップ5:睡眠や疲労の質を改善するライフスタイル見直し
とくに「疲労レス」が原因の場合、根本的なライフスタイルの改善が必要です。
夫婦で協力し、特に疲れている側が充分な睡眠をとれるよう家事や育児の分担を見直します。
常に二人で対応するのではなく、一人で対応してもう一人が完全に離れる時間を作ることも考えてみてください。
二人だけでの解決が難しい場合は身内や外部のサービスを利用することを検討することも必要です。
過度なストレスを抱えているなら趣味やリラックスできる時間を作り、心身のエネルギーを回復させましょう。
ステップ6:専門家や医療機関への相談を検討する
セルフケアや対話だけでの解決が難しい場合はプロの力を借りることが重要です。
カウンセラーや性科学を専門とする医師は、第三者の公平な視点を提供し、夫婦間の対話を円滑に進める手助けをしてくれます。
男性であれば泌尿器科、女性であれば婦人科を受診し、ホルモンバランスの乱れや性機能の低下といった身体的な問題がないか診てもらうのも一つです。
EDの原因や治療法、受診の目安について詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。
⇒EDの原因と治療法|中折れ・勃起しないときの改善策と受診の目安
ステップ7:期待値の調整と「成功体験」の積み重ね
「必ず週に○回セックスをする」といった過度な目標はプレッシャーになります。
まずは非性的なスキンシップやデートがうまくできたことを「成功」と捉え、小さな進展を二人で喜び合う。
「セックスができなかった」ではなく「お互いの関係性において良いかかわりができた」と捉えるようにすることが大切です。
完璧を目指すのではなく、夫婦双方が心地よく安心できる状態をゴールにしましょう。
今すぐセックスができるようになったとして、どちらか一方がものすごく無理をしていたらいずれ完全にセックスができない状態になりかねません。
夫婦の時間はこれからずっと長くあることを前提に少しずつ積み上げる意識で取り組んでみてください。
セックスレスの問題と向き合い解決していくために
セックスレスの解消は夫婦関係の危機回避に繋がる
セックスレスを放置することは、夫婦間の心の距離を広げ、信頼関係を揺るがし、最終的には離婚や不倫といった夫婦の危機に繋がるリスクがあります。
セックスレスを解消することは、単に性的な欲求を満たすことだけが目的ではありません。
それは「私たちはまだ繋がっている」という安心感を再確認し、夫婦の絆を強化するための重要なプロセスなのです。
問題に蓋をせず、勇気を出して話し合い、一歩ずつ行動を起こすことが、将来的な夫婦の危機を回避する確かな方法だと言えます。
今日から早速、この7つのステップを参考にまずはパートナーとのスキンシップやデートの時間を意識的に設けることから始めてみてください。
セックスレスの悩みを一人で抱えていませんか?
セックスレスは多くの夫婦が直面する現代の社会問題の一つだと言えます。
あなただけが悩んでいることではありません。
ただ、夫婦の間だけで解決しようとすると互いの気持ちがすれ違い、何をどう話し合えばよいのか分からなくなることがあります。
夫や妻に不満があるのに相手を傷つけることが怖くて本音を伝えられない。何度話し合っても平行線になってしまう。セックスを求められることが苦痛なのに断ると罪悪感を覚える。反対に、パートナーから求められなくなり、自分には魅力がないのではないかと思う。
こうした悩みを抱えていても、身近な人には話しにくいと感じる方は少なくありません。
カウンセリングでは、セックスレスになった経緯や、夫婦関係のなかで感じていること、相手に伝えられずにいる気持ちなどを整理しながら、今後どうしていきたいのかを考えていくことができます。
カウンセリングで自分の気持ちと夫婦関係を整理する
セックスレスの背景には、性欲の変化だけでなく、自己肯定感、相手への期待、拒絶されることへの不安、性的なプレッシャー、夫婦間のコミュニケーションなど、さまざまな心理的要因が関係していることがあります。
自分では当たり前だと思っていた考え方や、うまく言葉にできなかった感情が、パートナーとの関係に影響していることもあります。
カウンセリングでは、どちらが悪いかを決めるのではなく、何が起こっているのかを一緒に整理し、自分の気持ちや相手との関係を理解することを目指します。
夫婦そろって相談することが難しい場合でも、まずは一人で相談し、自分の気持ちや今後の方向性を整理することができます。
セックスレスを必ず解消しなければならないわけではありません。大切なのは、自分の気持ちを無視したり、相手の気持ちを決めつけたりするのではなく、自分にとって納得できる関係を考えていくことです。
二人だけでの解決が難しいと思われた場合は一度カウンセリングをご検討ください。
