
カウンセリングを受けるにあたって依存してしまうことへの不安を抱く人が一定数おられます。
対人関係で依存的な傾向がある人はより不安が強くなることでしょう。
カウンセリングへの依存
カウンセリングは依存しづらい仕組みになっている
カウンセリングは時間と場所を決めて実施されるものです。
また、カウンセリング料金を支払うことが必要になります。
月に1回60分の枠でカウンセリングを受けるとすれば、その時間だけカウンセラーとかかわることになる。
他の時間は一人であったり、他の人とかかわったりしながら過ごし、悩みの解決に向けて自分なりに試行錯誤したりもしますよね。
悩みが出てきた都度頻繁に相談できない仕組みになっている以上、カウンセリングに依存することは起こりにくいのです。
カウンセリングに依存することはある
ただ、依存しづらい仕組みだったとしてカウンセリングに依存してしまう可能性はあります。
カウンセリングを受けるというのは何かしら悩み、課題を抱えているからです。
悩みが深刻であればあるほど誰かを頼りたい気持ちは強くなり、相手がカウンセラーであれば依存しやすくなります。
カウンセリングをやめるのが不安、とにかく早くカウンセリングを受けたいといった気持ちが出てきているのであれば依存しているかもしれません。
自立していく過程で依存は避けられない
「依存」と聞くと良くないことに思ってしまいます。
しかし、人は依存をすることによって自立へと向かうため、依存を避けられないところはあります。
誰しも幼少の頃は親に依存していますが、成長と共に自立へと向かいますよね。
親にしっかり依存する、甘えることができている人の方が自立しやすく、逆に依存しきれなかった、甘えることが許されなかった人の方が自立しづらい。
カウンセリングも同じで一旦依存して、そこから自立に向かっていくという考えを持っているのが良いと思います。
ただ、不健全な形での依存は良くないため、下記のようなカウンセリングには気を付けてください。
クライエントを依存させる不健全なカウンセリング
相談に制限がない
過去に私自身がおこなっていた方法でもありますが、カウンセリングの時間を無制限でおこない、無料のメール相談を受け付ける形はクライエントを依存させやすいです。
実際に当時は依存してしまう人が多くおられました。
そもそもカウンセリング自体が無料というところも依存しやすい傾向があります。
いのちの電話等、緊急相談用の窓口以外での無料相談は避けた方がいいでしょう。
カウンセラーが必要以上にアドバイスをする
カウンセリングにおけるアドバイスは適度であれば有意義なのですが、クライエントに考える余地を与えないほどアドバイスしてしまっては依存につながります。
例えば、職場の人間関係で悩んでいるという話があったとき、どういう対応をすればいいかを事細かに伝え、クライエントがそれを実行するだけになっている場合は依存です。
毎回アドバイスを受けて実践するという形で成り立つのですが、クライエントの成長を妨げてしまうカウンセリングになっています。
カウンセリング以外のサービスや商品を勧めてくる
カウンセリング以外にサプリメントやブレスレットの購入を勧めてくる、別のサービスの申し込みを勧めてくる。
カウンセラーがクライエントに販売した時点で「販売者―購入者」の関係が形成されてしまいます。
カウンセリング以外のことも複数任せる状態になればその分やめづらくなりますよね。
公認心理師法においては多重関係として禁止されていることです。