
人と会って話した後に自分の発言や態度を思い出しては不安になり、後悔と自己嫌悪の繰り返しで落ち込んでいく。
「あれは言わない方が良かったかも…」
「何か失礼なことをしてしまったんじゃないか…」
「相手に嫌な思いをさせていたらどうしよう…」
まさに一人反省会。
相手に嫌な思いをさせてないか、自分が嫌われてないか、答えが出るはずもないことを考え続けて苦しみます。
悩みだすと何も手につかなくなったり、眠れなくなったりする人も少なくありません。
なぜ人と会ったあと不安になってしまうのか、どうすれば不安に悩まされることがなくなるのかについてお伝えしていきます。
人と会って話したあと不安で仕方なくなるのはなぜ?
他人に気を遣いすぎている
人と会った後の不安が強い人ほど、他人に気を遣いすぎる傾向が見られます。
嫌な思いをさせないように、迷惑をかけないように、つまらないと思わせないように…
「相手にとってどうか」をものすごく意識しているのです。
幼少期から親の顔色をうかがってきた人は、「これを言ったら親はどう思うか」を常に考えてきたことで他人に対しても気を遣いやすいところがあります。
気を遣って相手のことばかり考えているから、あるはずのない正解を求めて反省を繰り返してしまうわけです。
相手を思いやれる人と言えますが、他人との衝突、拒絶を恐れる心理も背景にあり、単純に優しいからと一言で片付けることはできません。
人との関係を深めて本当の意味で仲良くなるためには、人に合わせてばかりのコミュニケーションをやめることが必要です。
自分を信用できていない
自分が自分を信用できていないことも影響しています。人と会ったあとの不安が強い人ほど自信がない傾向が見られます。
- 親に言われるがまま生きてきた
- 不安なことがあるたび誰かに確認していた
- 周りに合わせて判断を委ねてきた
自分で考えて決断した経験が少ない人ほど、自分を信用したくてもできない。だから、自分の発言や態度が問題なかったと思いたくても思えないのです。
人とのかかわりにおいて正解がない以上、自分を信用できない状態で不安が収まらないのは当然だと言えます。
他人は正しくて自分は間違っている。間違った自分の意見は言う意味がないと、考えることすらなくなってどんどん自信を失ってしまう悪循環もあります。
どうすれば自信が持てるようになるのか?大切な前提から具体的な方法をお伝えしています。
気にしやすい自分の尺度で見ている
自分が些細な言動や態度を気にしているから、相手も気にしていると思ってしまうところがあります。
気にしやすい自分の尺度で相手を見ているのです。
しかし、実際は人によって気にする度合いが違うため、自分と同じように気にする人もいればあまり気にしない人もいる。
大変なことをしたと思って謝ったら、相手は気にしていないどころか覚えてさえいなかったというケースがあるくらい。
「自分は自分、他人は他人」と頭ではわかっていても、上手く境界線が引けず切り離せていない状態になっているのです。
繊細で傷つきやすい人ほど相手の言動や態度に敏感であるため、HSPや神経質な性質が影響している可能性も考えられます。
人と会ったあとの不安が引き起こす問題
人間関係が疎遠になる
人と話すたび不安になって反省会を繰り返していると、人と会うことが面倒くさいと感じるようになります。
そもそも人と話す機会がなければ不安になることも自己嫌悪で落ち込むこともないわけで。
人とかかわる機会を避けるようになり、誘われても断るようになっていく。
「もともと自分は一人が好きなんだ」「人とかかわるのなんて煩わしいだけだし」等と、人とのかかわりを避ける自分を正当化して殻に閉じこもるようになります。
自分では一人の時間を楽しんでいるつもりでもどこか寂しさがある。本当は人と会って楽しく話したいのに、会いたいと思えなくなってしまうのです。
自分を見失う悪循環から抜け出せなくなる
人とのかかわりで不安を感じてばかりいると、自分の気持ちに意識が向かなくなっていきます。
「自分がどう思ったか、自分がどう感じたか、自分がどうしたいのか、自分が何をしたくないのか」といった本来自然に考えるはずのことを考えなくなるので、自分のことがよくわからない状態になっていく。
自分がわからないからどうすればいいかわからない。
そうなると、相手から見た自分にすがって生きていくしかなくなる。相手に合わせることを繰り返す日々で自分がどんどん空洞化していきます。
不安ばかりで目の前のことに集中できなかったり、気持ちが落ち込んで動けなくなったり…
生活に支障をきたすレベルになっていたら対人恐怖症の可能性が考えられます。
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人と会ったあと不安に悩まされるクセを直すために
不安を受け止められるようにしていく
まずは不安に感じたことを少しずつ言葉にしていくところからです。漠然と頭の中だけでグルグル考えるのではなく、一度紙に書き出してみてください。
自虐ネタを笑いながら話していたから自分も笑ったけど失礼だったかな?プライベートなことを突っ込んで聞きすぎたかな?自分だけ服装がおかしくなかったかな?とか。
不安な気持ちを言語化すれば距離を置くことができ、不安が収まりやすくなります。
それでも収まらない場合は、不安が現実化したら何が困るのかを考え、実行可能な対策を準備するところまでやってみましょう。
ただ、一人で考えていると不安を膨ませてしまいやすいため、身近な人から客観的な意見をもらうことも大切です。
不安が収まってくると客観視しやすい状態になり、「大丈夫だろう」と思えてくる。繰り返していくうちに不安を受け止めやすい状態になっていきます。
視野を広げて全体に目を向ける
0か100か、正しいか間違っているかで考える度合いが強く完璧を求めるがゆえ、あの発言は…あの態度は…と問題のある一部をピックアップして苦しんでいるところがあります。
全体から見れば些細なことなのに、そこに焦点を当てるから何か大きなこと、大変なことに思えてくるわけです。
会話を通して一度や二度は場違いなことを言ったり、間違ったことを言ったりするのは誰にでもあって、今までの生涯で一度も他人に嫌な思いをさせたことがない人なんて存在しません。
たとえ変なことを言ったとしても、他の話に紛れて印象に残っていないかもしれないし、全体的に会話が楽しめたことで帳消しになっているかもしれないし。
一部のマイナスだけに焦点を当てるのではなく、そのときの会話全体がどうだったのか、その日までの関係性はどうだったのか、何か自分の存在がプラスになっている面はないか等、他の面にも目を向けてみてください。
自分だけで考えても視野が広がらない、どうしても一部の問題に執着してしまうという場合は、カウンセリングでサポートさせていただきます。
自分に焦点を当てる比率を高めていく
人と会ったあと不安になるのは相手に焦点が当たっているからこそ。相手のことを考えすぎるがゆえ強い不安が生まれているのです。
相手のことを考えすぎる状態は、自分のことを考える比率が高まれば緩和していきます。
自分は何が好きで何が嫌いで、どういうことに興味があって、何にどう感じてどう思うのか…
人と会っているときだけ焦点を当てるのは難しいので、日々の生活で自分の感情や感覚に意識を向ける習慣をつけていってください。
自分に焦点を当てる比率が高まるにつれ、自分のことがわかってくるため、自信を持ちやすい状態にもなっていきます。
カウンセリングは自分のことをお話しいただき、質問を受けながら自分のことを考える場になりますので、自分に焦点を当てる比率を高めていくことが可能です。
人と会うたび不安でつらい思いをされているようでしたら一度カウンセリングをご検討ください。