対人恐怖症の治療法として有名な認知行動療法の功罪

対人恐怖症の治療法として有名な認知行動療法の功罪

認知行動療法の認知療法的なアプローチにおいて、カウンセラーが「誰もそんなに注目してないよ。もっと客観的に見てみましょう。他にも違う捉え方できますよね?」と対人恐怖症で悩む人にアドバイスするケースは多いようです。

確かに繰り返し繰り返し、無理やりでも考え続ければ効果は出ると思いますが、そこにたどり着くまでにほとんどの人は挫折するでしょう。

なぜなら、そうは思えないからです。

見られているはずがない。と思おうとしても、どうしてもそう思ってしまう。頭では理解しているのにどうしようもないのが対人恐怖症ですから、そう思えないのは当たり前と言えるのかもしれません。

行動療法的なアプローチとなる暴露療法(エクスポージャー)に関しては、恐怖突入ということで実際に不安や恐怖を感じる場面に少しずつ飛び込んでいくわけですが、非常に困難であり頑張って取り組むことで余計な苦しみを抱えます。

症状をなくしたいという気持ちは表面にありますが、行動を変えるほど強い気持ちではないからです。

認知行動療法で効果が出なかった衝撃

私はカウンセリングを始めた当初、エビデンスのある認知行動療法に絶大なる信頼を寄せていました。

本も認知行動療法に関するものばかり読み、大阪のセミナーだけでなく、名古屋や東京で開かれた学会にも参加していたほどです。

しかし、認知行動療法は対人恐怖症の前にあえなく玉砕されました。

いくら違う視点からの話をしても受け入れてもらえない、行動しようとしてもできないを繰り返したのです。

対話で認知の修正をおこなおうとしても平行線のまま、症状の話に終始するだけのカウンセリングでした。

とくに印象的だったのが、脇見恐怖症の方とのカウンセリングです。

脇見をして迷惑を掛けてしまうのをなんとかしたいと言われ、相手は気にしていないという可能性を話しましたが全く聞き入れてもらえませんでした。

いろんな角度から試しましたが全然ダメで、ただただ時間が過ぎ去るという結果にしかならなかったのです。

認知の歪みが本質ではない

認知行動療法は認知の歪みが原因であり、それを修正することによって対人恐怖症が克服できるという考えです。

確かに、認知の歪みによって症状が出ているわけですが、歪みを修正するとなると症状の話に終始することになります。

  • 電車で顔が上げられないなら少しだけ上げるようにしてみる
  • 本当に見られているかどうか周りの人を見て確認してみる
  • 近所の人に挨拶することができないなら会釈だけでもしてみる

カウンセリングで違う角度からの考え方、捉え方のアドバイスを受けながらこのような行動をすることになるのです。

しかし、一定の状態に達していない中で症状を意識してやる行動は症状へのこだわりを強化して、結局は症状という枠から抜け出せなくなってしまいます。

症状をなんとかしようと頑張れば頑張るほど、症状にとらわれて苦しむのです。

本質は認知の歪みを生み出すそもそもの原因

それは、抑え込まれた本当の自分です。

本当の自分が無意識に抑え込まれていることで、自分がどうしたいかという自発的な気持ちを失い、自信がつかなくなっているのが対人恐怖症の状態です。

その過程で生まれるのが認知の歪みであるため、そもそもの原因を無視して認知の歪みにいくらアプローチしても改善しないという結果に至ります。

認知行動療法は、自分が何を思い、何を感じているか、振り返ってすぐにわかる状態であり、ある程度素直にアドバイスが聞ける状態であれば効果が出るのではないかと思っています。

しかし、それ以外の方にはほとんど効果が出ないように感じています。

これは私自身が実践してみた結果だけでなく、カウンセリングを受けていただいた方やご相談いただいた親御さん、実力のあるカウンセラーさん等の話を聞いた中で気付いた点です。

悪化したという事例も聞きますので、自分の状態を考えないまま安易に認知行動療法を選択しないように気をつけてください。

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