脳の働きから見る対人恐怖症

脳の働きから見る対人恐怖症

対人恐怖症を克服していくにあたって脳の働きを考慮することは外せません。

なぜなら、対人恐怖症と不安や恐怖などの感覚を司る扁桃体が密接にかかわっているからです。

扁桃体は本能を司る大脳辺縁系の一部であり、不安や恐怖を感じる部分です。

この扁桃体が不安や恐怖を感じることによって自律神経の中枢機能がある脳幹に刺激を与えるため、震え、強張り、発汗、緊張といった身体症状が出てきます。

外出する、人と話をする、人前で発表をする等の日常の出来事によって扁桃体が2つのルートで情報を受け取ります。

1つ目はそのままダイレクトに受けるルート。

2つ目は前頭葉(眼窩前頭皮質)を介するルート。

1つ目に関しては、セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリン等の神経伝達物質のバランスが整っていれば受け取る際の情報は緩和されるのですが、対人恐怖症の状態はこのバランスが崩れているために緩和されないままの情報が扁桃体にダイレクトに伝わります。

精神科や心療内科でSSRI(抗うつ薬)が処方されるのは、セロトニンの再取り込みを阻害してシナプス間のセロトニン分泌量を増やして神経伝達物質のバランスを整えるためなんですよね。

2つ目に関しては、前頭葉がちゃんと働いていれば受け取る際の情報を緩和できるのですが、日々の対人ストレスによって前頭葉がダメージを受けていること、対人恐怖症の特徴である認知の歪みによって不安や恐怖を煽る情報が扁桃体に伝わります。

両方のルートから緩和されないままの情報を受けた扁桃体は異常をきたしつつ、記憶を司る海馬にある過去の経験など(対人恐怖症の方の場合はこれが失敗経験、マイナスのことばかり)による情報を参考にして脳幹などに働きかけをおこなうのです。

結果として、震え、強張り、発汗、緊張といった身体症状を引き起こしてしまうという流れになっています。

扁桃体が異常をきたすことによって不安や恐怖に過敏に反応してしまうだけでなく、予期不安まで引き起こすようになりますので、まずは扁桃体の異常を少しずつでも抑えていくことが必要となります。

扁桃体の異常を抑えていくために有効なことは?

直接抑えるためには薬によってセロトニン等の脳内物質のバランスを整えることになります。薬を飲みたくない場合は、和食中心の食生活や早朝の散歩などによる代用も可能です。

また、扁桃体と神経が直結している内側前頭前皮質を活性化することや、前頭葉(前頭前野)と扁桃体を結ぶ鉤状束を強化することも効果が高いと言われています。

内側前頭前皮質の活性化や鉤状束の強化をすることによって、不安や恐怖を感じても「でも大丈夫」と思えるようになるため、間接的ではありますが扁桃体の異常を抑えることができるのです。

扁桃体に直接的にも間接的にも影響を与える方法としては瞑想が挙げられます。

瞑想によって頭に浮かんでくる不安や恐怖をラベリングしていくと、悟りを開いたかのように超然的な物の見方ができるようになり、結果として不安や恐怖に巻き込まれない状態になるからです。

その他にも考えられることは多々ありますが、一番効果が高い方法として考えられるのは、カウンセリングを受けて自分がどうしたいかに従って行動をコントロールできる状態にすることだと感じています。

自分が自分の人生をコントロールできる、多少の苦難でも自分で乗り越えられると思える状態になれば、扁桃体が過剰に反応することはなくなり、不安や恐怖を感じづらくなります。

さらに、自分の意志を尊重して生きていく中で自己実現への意識が高まるため、無意識に余計な不安や恐怖を意識する比率が下がって自然と考えなくなるのです。

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