人間には承認欲求という欲求がありますので、誰かに認められたい、好かれたい、必要とされたいという思いを誰しも持っています。

対人恐怖症で悩む人は謙虚な人が多いので、人に好かれたいというよりも嫌われたくないと考える人が多く、嫌われないために相手が興味のあることや喜びそうなことを話そうとしたりして頑張ります。

しかし、どれだけ頑張り続けてもその間違った方向のままだと、相手に好かれるどころか逆にどんどん嫌われていくことになってしまうのです。

間違った方向で頑張ることによって仕事面ではミスをおかして周りに負担を掛け普段の会話では話しづらい雰囲気で相手を苦しめる…

こんなことをしてて嫌われない訳がありません。

にもかかわらず、その失敗を取り戻そうとさらにその間違った努力を重ねるのです。

どう考えても上手くいく要素がないですよね。

頑張ることは良いことのように言われますが、頑張ることで嫌われたり上手くいかなくなってしまうことなんていくらでもある。

頑張れば頑張るほど現状が悪化するサイクルから抜け出す方法をお伝えしていきます。

参考にしてみてください。

頑張れば頑張るほど売れなくなった営業マン

私が投資用不動産会社で営業していた頃の話ですが、当時の私はまったく売れない営業マンで毎日上司に暴力を受けながら悩んでいました。

誰に話すときでも「何を話せばいいか」を常に考え、お客さんと電話越しに話すときでも緊張のあまり声が出ないときもあり、上司から毎日のように「お前は話が下手だ、面白くない」と言われ続けていたのです。

でも、そんな私が一時的に売れる状態になったことがありました。

いきなり変化した私に上司は優しくなって、みんなに「西橋を手本にしろ」と言い出したほど。

変化した理由は「会社を辞める決意」だったので、売れる状態のままで上司に辞めたいという意思を伝えたのですが、売れる状態になっているのにもったいないなどと説得されそのまま続けることに。

すると、不思議なことに一転してまた元の売れない状態に逆戻りしてしまったのです。

上司からは「あの頃にようにまた売れるようになるはずだ」と言われ必死に感覚を取り戻そうと頑張ったのですが、その後は辞めるまで売れる状態になることはありませんでした。

辞めてからも

「なぜあのとき売れる状態になったのだろう?」

「なぜ続けてから頑張っていたのに売れる状態に戻れなかったのだろう」

とずっと考えていましたが答えが出ることはありませんでした。

あなたにはこの答えがわかりますか?



答えは手抜きです。

私が売れる状態になっていたときは、辞めると決めていたので「もう売れようが売れまいがどうでもいいや!上司が暴力を振るってきたらキレて辞めてやる!」という開き直りの気持ちで、不真面目に手を抜いて営業をやっていました。

その手抜きが頑張りすぎの状態を緩和して、自分の中にゆとりを作ってくれ、極度に緊張せずお客さんと話せる状態になったから売れていたのです。

だから「必死に感覚を取り戻そうと頑張った」という私の行動では元に戻れるはずがなかったんですよね。

この必死に頑張れば頑張るほど遠ざかるというのは対人恐怖症の克服とも共通しています。

克服しようと思うと何かと頑張るものですが、頑張れば頑張るほど心に余裕がなくなって考えなくていいことばかり考えてしまう。

そして、どんどんできないこと、うまくいかないことが増えていくので自己嫌悪に陥って自信を失う。自信を失うことでさらに頑張らないといけないと思って、頑張らなくていいことを頑張る…

この悪循環にハマると自分で抜け出すのが困難になってしまうのです。

できないならやらなきゃいい。できることだけやればいい。

できないことを頑張ってやろうと無理をするのではなくできることだけに絞ってやっていく。

「できないならやらなきゃいい。できることだけやればいい。」は私がカウンセリングを行なう上だけでなく、人生においてもモットーとして大切にしている言葉です。

みんなできないことを無理して頑張ってやろうとするから失敗して自信をなくしています。

ならば、そんなこと最初っからやらなければいいのです。

できないことをできるようになっていくことに意味を感じると思う人が多いと思いますが、それも基本をしっかり抑えてできるようになっているというだけのことです。

その基本というのは誰もができる簡単なことです。面倒くさがってやらない人は多いですが、やろうと思えばできることです。

野球のバッターで例えて言えば「素振り」ですね。

これは誰でもできることです。

つまり、今の自分にできることだけをやれば良いのです。

逆にそれ以外を頑張って手広くやる必要も、やろうとする必要もありません。

難しいことを悩みながら頑張ってすることにも意味はあると思いますが、私はできることである「基本」をとにかく徹底して回数を重ねることで他のできなかたことにも応用してできるようになっていくと思っています。

というか、これは私自身が今まで生きてきた中で経験し実感してきた事実です。

「応用」や「臨機応変」というのは「基本」があってこそ成り立つもの。

仕事でも何でも「できないならやらなきゃいい。できることだけやればいい。」はすべてに共通していることではないかと思っています。

コミュニケーションの問題を解決していくことに当てはめれば、

  • 同じクラス(職場)の人に話しかけることができないなら、無理して話しかけずに話しかけてくれる人とだけ話すようにする。
  • 近所の人に声を出して挨拶することができないなら、声を出さずに会釈だけする。
  • 人に挨拶をしたり話をしたりすることができないなら、挨拶も話もせずに家に帰って自分がどういう考え方のクセを持っているかをノートに書き出して見つめ直してみる。

といったこと等になります。

「行動」は直接人と話さなくても自分一人だけですることもできますので、どんな小さなことでもできることだけをコツコツやっていきましょう。