私はコミュニケーションが得意ではないため、社会人生活でものすごく苦労してきました。
その中で、学んできたコミュニケーションのコツを今回はお伝えしたいと思います。
共感の「ですよね」
以前在籍していた保険会社の上司が使っていた言葉「ですよね~」はまさに魔法の言葉でした。
お客さんが言う言葉に対して深く頷いて「ですよね~」と言う。
ただこれだけのことなのに、お客さんは「この人は分かってくれている」と思ってどんどん話をしてくれました。
当時の上司はお客さんにしゃべらせるテクニックを多く持っていたので、同行営業の際に半日以上お客さんがしゃべり続けるという現場も見てきました。
「自分の気持ちを分かってくれている」と相手が感じれば、どんどん心を開いてくれるのです。
逆に、「自分の気持ちを分かってくれていない」と相手が感じれば、心を開いてくれません。
だから、「あなたの気持ちを分かっていますよ、分かろうとしてますよ」ということを相手に感じてもらうために、大げさに頷いて「ですよね~」と言うのです。
これは営業だけでなく普段のコミュニケーションでも使えます。
ただ、この言葉を使うときに注意しなければいけないことがあります。
それは、相手に伝わるかどうかです。
どれだけ心の中で「あなたの気持ちを分かっていますよ、分かろうとしてますよ」と思っていても、相手に伝わらなければ意味がありませんし、行動が伴っていなければ本当はそう思っていないんじゃないかと疑われて逆効果になってしまう場合もあります。
だから、大げさに頷いて「ですよね~」と言うのです。
相手は目に見える行動によって判断します。
自分のイメージ以上に大げさにした方が相手には伝わりますよ。(わざとらしいのはダメですが…)
Iメッセージの活用
「こんなことを言ってはいけないのではないか?」
「こんなことを言うと嫌われるのではないか?」
「こんなことを言うと変に思われるのではないか?」
「断ったら嫌われるのではないか?」
このようなマイナスのことが頭に浮かぶとなかなか自己主張ができなくなります。
そして、相手のペースに合わせて無理して行動する。
これを繰り返していると、自分を無理やり押さえつけることになって、どんどんストレスが溜まってしまいます。
今までやってこなかった人が自己主張をするのはなかなか難しいですが、余計なストレスを溜めずに人とかかわっていくために少しずつでもやっていく必要があります。
ただ、自己主張の仕方を間違うと喧嘩になってしまいかねませんので、どのようにすればよいか勉強していくことが必要です。
その方法の一つとして「Iメッセージ」があります。
「I」つまり「私」を主語にして、相手に受け入れられやすいように自分の意見をいう方法です。
例えば、自分が忙しくて誰かに手伝って欲しいときに、
「手があいてるんだったら手伝ってよ」
と言うのではなく、
「(私は)今忙しくて大変だから、手伝ってもらえると助かるんだけど、お願いできないかな?」
という言い方にします。
なかなか難しいですが、相手の反応がまったく違いますので、試してみるとすぐに効果を実感していただけると思います。
嘘や社交辞令を活用する
京都と兵庫どっちが都市かご存知ですか?
人口でいうならば兵庫ですが、その会話がたわいもない日常の会話であれば、どちらでもいいのです。
事実は1つですが、解釈はいくらでもあります。
もし、その会話をしている相手と仲良くなることが目的なら、相手のものさしに合わせて考えることが大切です。
結果として人間関係が良くなればいいだけと考えると、もし自分が事実を知っていたとしても、それを押し付けてしまうことはないでしょう。
事実を貫くことは、時に人間関係を壊してしまいます。
自分の主義主張を頑固に貫くことはコミュニケーションにおいては良い結果を生みません。
私自身、実際にしてしまった失敗事例があります。
投資用不動産の会社に勤務していた時、休憩時間に上司から「京都と兵庫、どっちが都市か知ってるか?」と聞かれたことがありました。
上司からすると、自分が良く知っているということを自慢したかっただけなのに、私は「兵庫です。」と答え、上司からの「京都だ。」という回答に食らいついて反論しました。
私の認識は「人口」によるもの、上司の認識は「上司のものさし」によるもの。
ですから、どちらとも正解と言えば正解なんですよね。
でも、お互いが譲らずに主義主張し合うことで、人間関係は悪化してますます気まずい関係になっていました。そのせいで、説教され殴られて何も良いことはありませんでした。
その時の上司とのコミュニケーションにおける正解は、「そうなんですか!初めて知りました!」と驚いて、さすが上司という目で見つめることなのです。
嘘や社交辞令は悪者扱いされますが、コミュニケーションにおいてはすごく大切なものだと言えます。
人と良好な人間関係を作るために、嘘や社交辞令を使ってみてください。