内向的で物思いにふける女性イメージ

社交的で行動力があって自分の意見をハッキリ言える…

外向型が理想とされる日本社会において内向的な性格は直すべき対象と見られがち。

「内向的=ダメ」のような感覚で生きづらさを感じている人は多いです。

内向的な性格であることによる生きづらさはどうすれば解消できるのかをお伝えしていきます。

内向的な人の特徴

以下の当てはまる項目が多いほど内向的であると言えます。

  • 自分の内面世界に興味を持ち、内側に向かうエネルギーが大きい
  • 内側に向かう分、外側には向きづらく興味関心の幅が狭い
  • 興味関心を持ったことに対しては深く掘り下げていく
  • 些細なことを受け流せないことから人との関わりで疲弊しやすく避けがち
  • 一人で好きなことをして楽しめる
  • 思考優位で考えや思いにふけっている時間が長い
  • 内面に独自の世界が作り出されることで世間一般とのズレが生じる
  • 他人に見られたくない気持ちが強く恥ずかしさを感じやすい
  • 嘘やお世辞を言うことに強い抵抗を感じる
  • 自己完結しやすく他者とのコミュニケーションをあまり求めない
  • 人の様子をうかがって判断する(受け身の傾向)
  • 悩みは相談せず自分で解決しようとする
  • 狭く深くの関係を望み交友関係をむやみに広げようとは思わない

内向的な人と外向的な人の違い

内向的な人と外向的な人の違いは脳の働きでわかると言われています。

これまでの研究では、内向的か外向的かは網様体賦活系の個人差によって決まるとされています。内向的か外向的かは網様体賦活系によって引き起こされる大脳皮質の覚醒と制止によって説明できると理解されています。内向的な人は覚醒レベルが高く、外向的な人は制止レベルが高いと考えられています。

引用元:「内向型の人」に秘められているすごいエネルギー、東洋経済オンライン

網様体賦活系(RAS「Reticular Activating System」)は刺激の受けやすさに影響する脳の機能です。

RASの覚醒レベルが高い人は敏感にキャッチする刺激を避けるがため内向的になりやすく、逆に低い人は刺激に対して鈍感なので強い刺激を求めて外向的になりやすい。

人付き合いにおいて内向的な人は狭く深くで広げようとせず、逆に外向的な人はどんどん広げていこうとする傾向に表れていますよね。

内向的な人の強み

自分と向き合うのが得意

外向的な人は自分と向き合うのが苦手で楽しいことや刺激の強いことに逃げがちです。

しかし、内向的な人は常に自分の内面に焦点を当てているため、自分と向き合うのが苦になりません。

ネガティブに考えることも自分を顧みることにつながります。

例えば、人と会った後に自分の発言や行動を振り返って大丈夫だったかと不安になるときは自分と向き合うことになっていますよね。

自分と向き合うことができるのは内向的な人の強みなのです。

深く掘り下げて考えることができる

内向的な人は何か情報を得たときに「へー、そうなんだ」で終わらず、気になって調べたり自分なりに考えたりすることが多い。

自分が納得できないことは引っかかる傾向があるから調べずにいられなくなる。

調べて知った情報をもとに掘り下げてどんどん深めていくことができます。

気になったことをすぐインターネットで検索するのも内向的な人によく見られる傾向です。

映画やドラマ、アニメ、音楽等の世界観に浸り、あれやこれやと考えることが楽しみになっていたりします。

自分と同じ内向的な人の気持ちがわかる

内向的な人は自分に自信がないために無意識に必要以上の努力をしますが、外向的な人は必要に応じた努力をします。

些細なことでつまづき、自分が納得できないことにこだわって要領よくできない、臨機応変にこなすことができないといった内向的な人の感覚は外向的な人には理解できません。

そもそも感覚が違っているのでわからなくて当然だと言えます。

外向的な人に理解してもらえず苦しむ内向的な人にとって自分と同じ内向的な人の存在は救いになるのです。

内向的な人の弱み

活動に割けるエネルギーが少ない

内向的な人は外部からの刺激への対応、湧き上がってくる感情の処理にエネルギーを費やしています。

さらに自分の内面と向き合い、思考を巡らせることでエネルギーを消耗する。

だから、疲れやすい、元気がないといった状態になりやすいのです。

新しいことを始めるにあたって念入りに調べてあれこれ考えていたら疲弊して何もできなかったということは珍しくありません。

常に足かせがある状態で日々の活動をしないといけないのはしんどいところです。

テンポが遅れやすい

一度自分の内面にアクセスする時間が生じるため、外向的な人に比べて反応が遅くなりやすい傾向があります。

質問をされたら言葉を選び、その答えが適切かどうかといったことを考える。

思考を挟むことによってテンポに遅れが生じやすいのです。

また、相手の発言や態度から何かを感じ取ったり、読み取ったりすることが多く、情報処理に時間がかかることも影響しています。

飲み会等、表面的なことをテンポよく適当に話すような場面が苦手という人は多いです。

他者とのズレが生じる

内向的な度合いが高い人ほど自分の世界に閉じこもりがちです。

自分の世界に閉じこもることで興味関心の幅が狭まり、世間一般の常識や感覚とのズレが生じやすくなります。

流行りについていけない、時事問題に疎いくらいなら大丈夫ですが、極端になると周りの話題についていけず孤立する、自分が気にしていることを他人も気にしていると思い込むといった問題が起こることが少なくありません。

社会生活が外部とのつながりによって成り立っている以上、他者とのズレが致命傷になりかねないのです。

内向的な性格による生きづらさを解消するために

外向的になりたいかどうかを考えてみる

根暗、コミュ障、おとなしい、陰キャ等と言われやすい内向的な人は、たいてい「外向的(社交的)な人になりたい」と思います。

外向的な人は誰とでも仲良くなれて友達が多く、話し上手で世渡り上手、コミュニケーション能力に長けていて明るい、プラス思考で小さなことで悩まない。内向的な人にとっては憧れでしかありませんからね。

「自分もあんな風になれたらなぁ…」

羨望の眼差しで見つめながら、考えるたび外向的とは程遠い自分に嫌気が差してくる。

私自身も学生時代、外向的になってモテたい、好かれたい、いっぱい友達が欲しいと思っていた時期がありました。

でも、今は外向的な人になりたいかと聞かれたら「NO」と答えます。外向的な人になれたとして本当に自分が幸せかと考えたら違うと思うからです。

社交の場に参加していろんな人と話すのは面倒だし、一人の時間を大切にしたい。家族や身内、友人知人とのかかわりも大切にしたい。

幅広く人脈を広げて何かがしたいかと言われればしたいことはなく、それで自分の自由が奪われるくらいなら必要ないと思っています。

自分が本当に外向的になりたいのかどうか一度考えてみてください。

必要な外向的要素を追加する

内向的か外向的かというのは、100%内向的、100%外向的とハッキリ二つに分かれるものではありません。

内向的な度合いが高すぎて日々の生活に支障をきたしている、もしくは、外向的な要素がないと自分のやりたいことができないといった場合は、外向的な要素を今の自分に追加することが解決につながります。

外向的な度合いを高めることで相対的に内向的な度合いを下げるイメージです。

日々の生活に支障をきたしているケースであれば、何が原因なのかを知ることから始めます。

内向的な度合いが高すぎて自分の世界に閉じこもり、結果として人とのコミュニケーションが上手く取れなくなっているのであれば、少し世間一般の流行りに触れる機会を持つ(ポピュラリティを高める)といったことが有効でしょう。

自分のやりたいことに外向的な要素が必須であれば、得るために努力していくことが必要になります。

自分なりに調べて考えるのは得意だと思いますが、具体的にどうすればいいかわからないという場合はご相談ください。

自分が持つ能力を活かす努力をする

今の社会はまだまだ外向的な人が主流なので内向的な人は損をします。

社会人経験が少ない理想主義的なカウンセラーは、「内向的なあなたは優れていて、外向的な相手が劣っている」という話をしたりしますが、現実の社会はそんなに甘くありません。

内向的な人に必要なのは、外向的な人になろうと努力することではなく、外向的な人より優れているんだと悦に浸ることでもなく、その潜在的な能力を表面化させることです。

これをしないままでは、いつまで経っても社会生活における生きづらさは変わりません。

内向的な人はアピールが下手であまり目立ちたくないと思いがちなので、アピールしなくても気付かれるほどスキルを高めていくことが必要なのです。

仕事においては試行錯誤を繰り返すことで自分の中にノウハウを蓄積し、ある特定の分野におけるスペシャリストになること。

プライベートでは自分の得意な分野を知ってもらい、関連する話題を振ってもらえるポジションになること。

自分の持つ内向的な特性を活かし、自分で自分の居場所を作っていくことが生きづらさの解消につながるのです。

自分を変えるための自己啓発本はほどほどに

自信を持つためには「私は私のままで大丈夫」と今の自分を認めてあげることが大切です。

自己肯定感と言われるものですね。

しかし、自己啓発本は外向的な人を基準にしている内容が多く、「今の自分はダメだ、だから、考え方を変えないといけない」「今の自分はダメだ、だから、もっと頑張らないといけない」と自分を否定することになりやすい。

普段から自分を否定してしまう内向的な人がさらに否定を強めてしまうため、自信を失って生きづらさが増すことになるのです。

自己啓発本の内容をもとに頑張って最初は上手くケースがあっても、途中から息切れしてきて自分を見失ってしまうことがあったりします。

内向的な人にとって自己啓発本は魅力的に映りやすいのですが、傾倒しないように気を付けてください。

自分に合いそうな内容だけピックアップして活用するくらいの感覚で読むのが良いと思います。