対人恐怖症の方が発達障害ではないかと悩むことはよくあります。

なぜなら、対人恐怖症による過剰なストレスで前頭葉の働きが弱ってしまうため、物忘れがひどい、仕事で簡単なミスを繰り返す、片づけができない等といった発達障害に似た症状が出てくるからです。

対人恐怖症になる前から同じような傾向があったかどうかは一つの判断基準になると思いますが、あったとしても発達障害だとは言い切れません。

病院で検査を受けて発達障害と診断されるケースもあれば、特定の数値が低いことから発達障害の傾向がある(グレーゾーン)と言われるケースも多いです。

発達障害の二次障害として対人恐怖症を発症することもありますので、完全に切り離して考えるのは難しいのかなと思っています。

発達障害とは?

発達障害は、脳の働きが特徴的であるために人とのかかわりや日常生活に問題を生じる生まれつきのもので、ADHD(注意欠陥・多動性障害)、ASD(自閉症スペクトラム障害)、LD(学習障害)の3つに分類されます。

「障害」という言葉から一般の人に比べて脳の機能が劣っていると思われがちですが、複数の情報から必要な情報だけを抽出する「選択的注意」が働かないことの影響が大きいです。

必要でない情報までいっせいに流れ込んでくるから過敏になりやすいし、どうしても混乱してしまうんですよね。

音やにおい、光、他人の態度など外からの刺激に敏感(感覚過敏)、調子が悪くなると胃腸が悪くなりやすい、疲れやすく二つ以上のことを同時進行できない、その場に応じた表情や言動がわからない等といった特徴があります。

他人の表情や態度から気持ちを読み取りすぎたり、逆に全然読み取れなかったり、新しいことへのチャレンジを躊躇したり、物事に執着しやすいなど、他の子と違う性質があることを理解してもらえず、親や先生に矯正されることで自分の性質を抑圧してしまうことが対人恐怖症につながる原因ではないかと感じています。

ADHD(注意欠陥・多動性障害)

落ち着きがない、集団行動で自分勝手な行動をとる、相手のことを考えず自分の欲求最優先の行動を起こす、目を離すとすぐにどこかに行ってしまう、忘れ物が多い、計画的に順序立てた行動ができない等といった症状を特徴とする発達障害。

運動神経がよく行動力が高い性質を活かしつつ、忘れ物の防止や計画的な行動ができるような工夫をしていくことで社会に適応して能力を発揮しやすくなります。

ASD(自閉症スペクトラム障害)

自閉症

知能の遅れ(IQ70未満)があり、言語発達の遅れ、対人コミュニケーションや社会性の障害、特徴的なこだわりの強さが見られる発達障害。

知能の遅れがない(IQ70以上)自閉症は高機能自閉症と呼ばれていました。

現在はアスペルガー症候群も含めて自閉症スペクトラム障害という診断名になっています。

アスペルガー症候群

言語や知能発達の遅れはないが、特徴的なこだわりの強さ、話の意図が汲めない、空気が読めない等があるため、社会人になってから周囲の人とのコミュニケーションに問題を生じて苦しむケースが多い発達障害。

広義の自閉症の一種とも言われ、最近になって自閉症スペクトラム障害と呼ばれるようになりました。

幼少期に見られる特徴としては、一人遊びを好む、同じ遊びを繰り返す、融通が利かない等があります。

過集中により一つのことを突き詰めてやることが成果につながったり、他人が言いづらいことを言って評価されることもしばしば。

走る、ボールを投げる、打つ等の動作がぎこちなく、運動ができない人も多いです。

LD(学習障害)

知能の発達に遅れはないものの、聞く、話す、読む、書く、計算、推論といった能力のいずれかを習得、使用することが著しく困難となる障害。一つだけの場合もあれば複数の場合もあります。

個人の特徴として見れば、ある特定の分野が極端に苦手という感じです。

「ディマティーニ・メソッド」を体系化した人間行動学の世界的権威Dr.ジョン・ディマティーニもLDであったと言われています。

もしも発達障害だったとしたら治せるのか?

生まれながらのものであり一説には治せないと言われていますが、療育や薬、脳のトレーニングで治すことができるとも言われています。

実際、食生活の改善は効果的です。カフェインや刺激物、乳製品の摂取を控えたり、豆乳や発芽玄米、サプリでビタミンをしっかり摂るようにしたりするだけでも発達障害の性質が緩和されます。

ただ、「治る」という概念は風邪が治るのとは異なり、問題を起こさないレベルまで改善するというイメージです。

発達障害の方のカウンセリングをさせていただくケースもあるのですが、同じ発達障害でも育った環境で緩やかになっている人もいれば、より強くなっている人もいますので家庭環境も大きな影響があると感じています。

社会適応していくためにソーシャルスキルトレーニング(SST)を受けて、場面に応じた適切な対応を訓練している方も多いです。

最終的には個性として受け止めていくことが必要

発達障害を改善できたとしても、こだわりの強さや欲求の赴くままに行動しやすい傾向は残りますが、自分の個性、性格のようなものだと認識して上手く付き合っていく必要があると感じています。

自分は欲求の赴くままに動きやすいんだと認識していれば、意識して相手の立場になろうと考えるでしょう。

順序だてて物事を進めるのが難しいんだと認識していれば、やることを紙に書き出す等の工夫をするでしょう。

周りの人にもそういった自分の特性をちゃんと伝えていけば理解してもらえます。

ただ、仕事においてはできない部分の反面、できる面がないと単に仕事ができない人間と見られて立場がなくなってしまう危険性がありますので、欠点を補える工夫や脳を鍛えるトレーニングを習慣化すること、自分の特性を活かしたスキルを磨くことは必要だと思います。

私自身、他のカウンセラーさんから発達障害だと言われておりアスペルガー症候群の自覚もありますので、実情に基づいたアドバイスなども可能です。

「もしかして発達障害では?」と心配になっている方もご相談ください。

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