対人恐怖症で悩んでいる人は症状をなくすことに囚われています。

症状さえなくなれば何もかも上手くいく。やりたいことは症状がなくなってからやればいい。

「まずは症状をなくさないと」と思っているのです。

しかし、この考えのままでは症状に囚われ、対人恐怖症の克服から遠のいていきます。

    なぜ症状をなくそうとすると克服できないのかをご説明した上で、囚われから抜け出す方法をお伝えしていきます。

    「対人恐怖症を克服すること=症状をなくすこと」ではない

    症状をなくそうとする頑張りは症状を悪化させる

    症状をなくそうと思っている人は、症状をなくすことを目的として頑張ります。

    • 症状をなくすために無理やり外出する
    • 症状をなくすために無理やりでも自分から人に話しかける
    • 症状をなくすために無理やり電車で顔を上げる

    やっていること自体は克服につながることかもしれません。

    人と話すことも外出することも大切なことでしょう。

    しかし、「症状をなくすために」と思って取り組んでいる時点で症状を意識していることになります。

    症状は意識すればするほど悪化していくものですから、克服ではなく悪化につながってしまうんですよね。

    日々苦しめられている症状をなくしたいと思うのは当然の感覚ですが、実は症状をなくそうとするその頑張りこそが対人恐怖症を維持・悪化させているのです。

    症状をなくすことは人生の目的ではない

    症状のことばかり考えて辛い毎日を過ごしていると、症状をなくすことが人生の目的であるかのように症状に固執してしまいます。

    確かに症状がなくなれば、家から出られて、普通に人と話せて、好きなことができて、友達も作れて、彼女(彼氏)もできて、就職できて、結婚できて…と思われるかもしれません。

    しかし、症状がなくなった先にある明るい未来は自分が求めて行動するからこそ得られるものであって、症状をなくすこととイコールではないのです。

    明るい未来に向かって今の自分にできることをやっていくことが対人恐怖症の克服へとつながり、症状がなくなるという結果に至るだけ。

    症状をなくすために中身のない日々をいくら過ごしても明るい未来につながることはありませんよね。

    症状のことばかり考えて見失った本当の目的に目を向けてください。

    ゴールがあるからこそ対人恐怖症は克服できる

    対人恐怖症で悩んでいるのに明るい未来なんて考えられるわけがない。

    そんなことは克服してから考えればいいんじゃないかと思うかもしれません。

    しかし、「克服してから考えればいい」というのは「ゴールしてからゴールを決めればいい」と同じ。

    意味わからないですよね。

    ゴールがないのにどうやってゴールするんですかって話です。

    どこに向かえばいいかわからない、どうすればいいかわからない。

    だから、できない現状にとどまり続ける。

    当然のことと言えます。

    対人恐怖症を克服するためにまずは「自分がどういう人生を望むのか」を考えてみる。

    その上で、今の自分にできることを少しずつでもやる。

    継続する中でゴールが見えるから克服に向かっていくわけです。

    ここからは症状をなくそうとする囚われから抜け出す具体的な方法をご紹介していきます。

    対人恐怖症ではない「今」を考えてみる

    「もし、対人恐怖症がなかったらどういう生活をしていますか?」

    この質問にパッと答えられる人はもう悩んでいないでしょう。

    人間の脳は具体的にイメージできる臨場感が高いことを現実化します。

    悩みがなくなった状態が漠然としていて、悩んでいる状態が具体的で臨場感が高いとなれば悩んでいる状態が現実化されてしまう。

    悩みがある状態が続いてしまうわけです。

    具体的で臨場感の高いことが現実になるという話はイチロー選手の卒業文集が有名ですよね。

    「プロ野球選手になる」という漠然としたものではなく、プロ野球選手になるまでの過程、今何をすべきかまで具体的に描かれています。

    対人恐怖症で悩んでいない生活ってどんな感じ?

    今の自分をベースにすると難しいので、対人恐怖症で悩んでいない人の生活を想像してみましょう。

    当然ながら症状が気になって相手にどう思われたかばかり考え続けることはありません。

    多少なり人とのかかわりで気にすることはあっても、とらわれて一日中考えたりすることはないですよね。

    だから、たいていは自分の好きなことや興味関心があること、自分にとって大切なことを中心に考えて日々を過ごしています。

    美味しいものを食べに行くのが好きな人であれば「今度の週末はどこに食べにいこうかな」「どのお店がいいかな」なんて考えていたり。

    スマホのゲームにハマっている人であれば「次のイベントはいつ始まるのかな」「あのキャラ欲しいな」とか考えたりするわけです。

    試験に向けて勉強のことで頭がいっぱいの人もいるでしょうし、転職を考えている人もいると思います。

    パソコンをどうすれば安く買えるか考えて必死に調べているかもしれません。

    友達関係や恋愛のこと、子育てで悩んでいる人もいるでしょう。

    今、悩んで対人恐怖症のことばかり考えている人も、本来ならこういうことをメインに考えるはずなのです。

    対人恐怖症ではない生活を具体化して臨場感を持たせる方法

    しかし、現状は症状のことばかり考えていて、どうすれば対人恐怖症が克服できるかをネットで調べまくったり、関連する本を読んだり、さっき会った人に嫌われたんじゃないかと考えたり、来週の飲み会をどうやって断ろうと考えたり…

    この状態のままで対人恐怖症が克服できた場合の生活を考えてもなかなか臨場感が生まれません。

    他人事のようになってしまうだけです。

    どうすれば臨場感が生まれるのか?

    ほんの少しだけでもいいから対人恐怖症で悩んでいない場合の生活を今の生活に取り入れていくのです。

    実際に行動を起こすのが難しいのであれば本来考えたいはずのことに意識を向けることからでもかまいません。

    比率が高まれば高まるほど臨場感が高まっていきます。

    対人恐怖症を克服できた生活に近づくから当然ですよね。

    自分が本来考えたいはずの「自分の好きなことや興味関心があること、自分にとって大切なこと」を見失っている場合は、カウンセリングで少しずつ見つけていくところから。

    対人恐怖の症状は症状として置いといて、好きなことをやろうとしたり、話したりするようになっていくのである。好きなことを熱心に聴くことは大切である。自分はこれでいいんだ、という意味での自信を育てるように思う。好きなことは、自然なこころの発露であり、人間の本質とつながっているからである。
    引用元:大学生の対人恐怖症者の臨床的特徴と治癒過程 : 治癒の過程における内閉の意味について、2000、神奈川県立外語短期大学紀要総合編

    好きなことや興味関心があることを見つけるだけでなく、カウンセリングで話すこと自体にも意味があります。

    対人恐怖症で悩んでいない生活のイメージから本当は自分がどうしたいかを見つけ出し、その延長線上にある自分が望む未来に目を向けられるようにしていきましょう。

    自由に未来を描き自分で選択していく

    流れを変えるために過去は切り離す

    過去の記憶にとらわれ、過去のせいで自分はこうなった。

    昨日の自分はこうだったから今日もこうなった。

    今日の自分はこうだったから明日もこうなる。

    この思考の流れでは上手くいくはずがありません。

    上手くいっていない過去をもとに明日を考えたところで上手くいかない現状が繰り返されるだけになりますからね。

    今と違う流れの未来を考え、膨らませていくこと。

    過去ではなく自分が望む未来との因果関係をいかに強めていけるか。

    グーグルマップで目的地を入力することによってルートが表示される、だから目的地に到達できるのと同じ原理です。

    自分の意志が必要な時代になった

    「でも、みんなそんなこと考えていないじゃん。」と言う人もいます。

    だから、うつ病、依存症が増えているのです。

    みんな本当に自分がどうしたいかを見失い、日々の義務感に駆られながらストレスを抱えてゲームやアルコール、ギャンブルに依存。
    会社に行かないとと思うのに体が動かない。エネルギーが湧かない。

    高度経済成長期のようにとりあえず目先のことをこなせば、年功序列で終身雇用、お見合い結婚、老後には安定した年金という時代は終わりました。

    代わりにユーチューバーやコスプレイヤー、職業においても選択肢がものすごく増えている。

    その中から選択をして生きていかないといけないわけですから自分の意志が必要な時代になったと言えます。

    過去や現状を切り離した上で、自分がやりたいことやありたい姿についてしっかり考えてみてください。

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