周りの反応で「自分が臭いのでは」と気になりだしたら、どこが臭いのか、何が原因なのかを探します。

そして、自分はワキガではないかと思うわけです。

嗅覚はにおいに慣れる性質があるため、自分でにおってもよくわからない。

家族は「別に臭くないよ」と言ってくれるけど、気を遣ってくれているだけかもと思ってしまう。

本当にワキガなのか、ワキガだと思い込んでいる自己臭恐怖症なのか。

悩んで必要のない手術をしてしまう人も多いので、自分がワキガかどうかに気付いてもらえる内容をお伝えしていきます。

ワキガについて

ワキガ(腋臭症)は普通の汗臭さとは異なる臭さで、ネギや鉛筆の先、香辛料のようなニオイがすると言われています。

海外ではワキガは一般的で問題視されることがないのに対して、ニオイに敏感な日本人は異常に気にするため問題視されることが多い。

学校や職場などの集団の中にワキガの人がいれば「あの人、絶対ワキガだよ」とヒソヒソ笑い話にされる傾向もありますよね。

ワキガ臭が発生する原理

ワキガはアポクリン腺という汗腺の粒が大きくて数が多いことが原因となっています。

アポクリン腺が腋、耳の穴、乳輪、陰部等にあるから、「耳垢が湿っていたらわきがの可能性が高い」と言われるわけです。

アポクリン腺はフェロモンを出すための汗腺であり、同じ汗腺のエクリン腺と違ってたんぱく質やアンモニア、鉄分が含まれたニオイを発しやすい汗が出てきます。

その汗が皮膚の細菌と交じり合うことによってあの独特のワキガ臭が生まれるのです。

だから、アポクリン腺を取り除く手術をすることで一般の人と同じくらいに汗を抑えようとするのは合理的だとは思います。

ワキガの治療法

取り除く手術は今まで外科手術のみでしたが、最近では切らない治療法としてミラドライやビューホットという新しい治療法も出てきているようです。

皮膚を切らずに電磁波でアポクリン汗腺組織を破壊するのがミラドライ。

細い針から出る高周波でアポクリン汗腺の働きを抑制するのがビューホット。

針を刺すのですが局部麻酔をするので痛みは感じないようですね。

両方ともまだまだ新しい治療法のため、再発するかどうか等は未知数な感じはします。

においを気にしている期間が長ければ長いほど執着が強くなっているため、手術でほとんどにおわなくなっても気になり続ける人もいます。

ワキガかどうか自分でチェックする方法

チェックする上でポイントとなるのがアポクリン腺の多さ。

アポクリン腺が多いと判断できるところからチェックしていくことでワキガかどうか判断することができるのです。

耳垢が湿っているかどうか

よく言われることですが、耳垢が湿っている人はワキガの可能性が高いです。

耳垢が湿るのは耳の中のアポクリン腺が多いことが原因となるから。

耳垢は耳の中の角質や皮脂、ホコリやゴミなどが混じったもので元々は乾いていますが、アポクリン腺から出る汗によって湿ります。

両親のどちらかがワキガかどうか

ワキガは遺伝すると言われています。

だから、父親か母親のどちらかもしくは両親ともワキガだった場合、ワキガの可能性があるわけです。

遺伝する確率は片方だけで50%、両親の場合は80%と言われています。

確率が高いですよね。

腋毛に白い粉が付いているかどうか

アポクリン腺から出る汗は乾くと白い粉(正確には結晶)が残ると言われています。

ただ、皮膚のトラブルで粉がつくこともあるようです。

結晶が付いているかどうかではなかなか見極めづらいかもしれません。

洋服の腋の部分が黄ばんでいるかどうか

一日着ていた服の腋の部分を見てみましょう。

黄ばんでいたらワキガの可能性が高いと言えます。

なぜなら、アポクリン腺から出る汗は色素成分を含んでいるからです。

判断する時はわかりやすいように白い服を着た日にすると良いと思います。

実際に臭いかどうか

腋汗をかいた後ティッシュに染み込ませてにおいを嗅いでみてください。

ワキガ独特のにおいはティッシュに染み込んで強烈なにおいを発しますので臭いと気付きます。

ネギ、鉛筆の先、チリソース(クミン)等と似たニオイと言われますが、ドンタコスというお菓子のニオイ(チリソース)がしっくり来る感じですね。

ただ、何日もお風呂に入っていない状態でやると誰でもくさいので、お風呂あがりすぐや少し時間が経ってからやると判断しやすいかと思います。

ワキガだったとしても過剰な対策はしないように

「とにかくワキガ臭を抑えないと!」と思って過剰な対策をしてしまうと悪化して余計に臭くなります。

ワキガ臭を消すための洗いすぎに注意

とにかくニオイを出さないようにしようと、ワキガ臭がする腋や陰部をゴシゴシと洗うのはやめましょう。

洗いすぎると本来あるべき皮脂までなくなってしまい、余計に皮脂を分泌させてニオイが発生しやすくなります。

とくに腋などのデリケートゾーンは擦りすぎると炎症を起こすことにもなりがちで、炎症なんて起こすともっと臭くなってしまいますよね。

ある程度しっかり洗うのは必要ですが、しつこく洗い続けるのはワキガ臭を悪化させてしまいます。

香水でワキガ臭をごまかそうとしない

とくに腋に香水を振るとひどいことになります。香水のニオイとワキガ臭が交じり合ってなんともいえない刺激臭に…

香水を振るならワキガ臭がするところ以外、例えば手首や首の後ろ、耳の後ろくらいでしょうか。

できれば香水もワキガ臭をごまかしやすい石鹸っぽいニオイのものを選ぶのが無難です。

ワキガ臭と香水のニオイを混ぜるのはやめましょう。

デオドラントスプレーや制汗剤は適度に

皮膚の雑菌を殺すスプレーを使うのも、制汗剤で汗を抑えるのもワキガ臭を抑える上で効果的です。

ただ、やりすぎてしまうと逆に雑菌が発生しやすくなったりしてワキガ臭を強めてしまうことになります。何事もほどほどにということですね。

汗をかかないとドロドロした汗が出やすくなり、エクリン腺から出るサラッとした無臭の汗が出づらくなります。

当然、ドロドロした汗はニオイを放つわけですからまた臭くなってしまうわけです。

水分摂取はちゃんとする

たしかにアポクリン腺からの汗がニオイの元になっているのは間違いありません。

だから、汗をかかなくなればワキガ臭がなくなるんじゃないかと考えるのもわからなくはない。

でも、汗をかかないとアンモニアなどの成分を含んだ臭い汗が出やすくなりますし、極端にやりすぎると脱水症状を起こす危険性もあります。

汗をかいて体温調節をするのがそもそもの働きですから、それをできない状態にしてしまうと身体がおかしくなる。身体がおかしくなるとニオイも発しやすくなるわけです。

人間の自然な原理にはなるべく逆らわず、汗はかきながらニオイを抑える方法を考えるようにしてください。

においを抑える適度な対策の例

  • ストレスを発散できる習慣をつける
  • 生活習慣を整える
  • 1日1リットル以上水を飲む(ジュース×、お茶△)
  • コーヒーやキムチなどの刺激物はなるべく控える
  • 揚げ物やジャンクフードなど油が多いものは控える
  • アルコールを飲む頻度を少なくする
  • タバコは吸わない
  • 頭や身体を洗うとき力強く擦り過ぎないようにする
  • 脇にデオドラントスプレー(せっけんの香り)を振る
  • 首の後ろと耳の裏にせっけん系の香水を少量つける(擦らずポンポンとたたく感じでつける)

軽度のワキガであればほとんど臭わなくなりました。(実証済み)

ワキガと自己臭恐怖症の関連性

ワキガでも気にせず生活している人もいれば、ものすごく気にする人もいる。

手術や対策でにおいがなくなったのに気にし続ける人もいます。

実際にワキガであろうがなかろうが、においへの意識が強すぎると自己臭恐怖症になってしまうのです。

においが気になって仕方がないのには理由があります。

だから、気にしないようにしようとすると余計に気になってくる。

自己臭恐怖症はにおいではなく心の問題です。

においを完璧になくそうとするのではなく、においのある自分を受け入れられる心にしていく。

ワキガではないとわかってもにおいが気になる、いくら対策をしてもにおいが気になる場合はご相談ください。

⇒自分のにおいが気になって仕方ない自己臭恐怖症を克服するカウンセリング