現在までカウンセリングをしてきた中で、痴漢や盗撮、露出などの性的問題行動をしてしまう人に共通点があることに気付きました。
すべてに当てはまる人もいればそうではない人もいると思います。
傾向として自分にも共通するところがないか、振り返りながら読んでみてください。
痴漢や盗撮をする人に共通する4つの特徴
ストレスを抱えやすく発散できていない
痴漢や盗撮をしてしまう人は、自己主張ができず思ったことを口に出せない、相手から何か言われても反論しないといった形で、自分の思いや本音を腹の中に溜め込むタイプの人がほとんどです。
普段から人とのコミュニケーションにおいて自分を十分に表現していれば溜め込まずにすむはずのストレスも抱え込んで、しかも、うまく発散できないままどんどん溜め込んでしまっています。
このストレスが痴漢や盗撮を繰り返させる引き金のようなものになっていますので、目先の再犯を防ぐ意味も込めてストレス解消法を取り入れることも必要です。
女性の気持ちを考えることができていない
アダルトビデオの影響などで女性は痴漢をされると喜ぶものだ等と思い込んでいる方が多いのですが、女性は好きでもない見ず知らずの人間からいきなり身体を触られたり、盗撮されたり、裸を見せられたりして喜ぶわけがありません。
そこにあるのは恐怖だけです。
普段から女性のことを軽視していて、人によっては女性をあたかも「物」であるかのように考えている人もいます。
また、女性に対してだけでなく、どんな人に対しても感謝する気持ちをあまり持たずに生きてきたという方も多いですね。
盗撮に関しては「相手にバレなければ傷つけることはない」と考える人が多いのですが、絶対にバレない保証はなくバレたとき傷つけることになるので女性のことを考えているようで考えていません。
改善していくために、女性の立場で考えて自分がやってきたことがどれだけの恐怖と心の傷を与えてきたのか、しっかりと向き合って考えて反省することが必要となります。
脳が子供のまま
人が生まれて初めてコミュニケーションを交わすのは自分の母親です。
その母親との関係がこじれていて自分を十分に表現できていなかったり、無条件に愛された経験がない場合、大人になるにつれて発達していくはずの脳が子供のままになってしまいます。
脳が子供のままだと健全な大人が求めるセックスよりも、低刺激のお尻をさわることやパンツを見ることを求めるようになるのです。
この部分は、カウンセリングを受けてカウンセラーに話をすることによって脳が活性化されて改善されやすくなります。
依存的な思考回路を持っている
育った環境などによって誰かに依存したり、何かに依存したりという生活を繰り返してきた人は依存的な思考回路を持っています。
親から受け継がれているケースが多いですが、この思考回路がある限り、痴漢や盗撮、露出をやめようとしてもやめられない、意志の力だけではどうにもならない状態になるのです。
習慣として根付いており一朝一夕で変えられるものではありませんので、日々の生活習慣の中から依存的な思考回路につながっていることを探し出して時間をかけて減らしていくこと。それと同時に新しい習慣を身に付けていくことが必要となります。
対人恐怖症的な思考を抱えている人も多い
痴漢や盗撮等を繰り返してしまう依存症のカウンセリングをおこなっている中であることに気付きました。
それは対人恐怖症的な思考を持っている人が多いということです。
依存症になってしまう人の特徴として、自分からあまり話をせず思ったことを腹に溜め込んで表に出さないという面があります。
上司や妻、家族に言いたいことがあっても言えず、自分の中で押さえ込んだままイライラしたりすることでストレスを抱え込む。
そのストレスが脳に悪影響を及ぼして依存行為を繰り返してしまうという流れです。
言いたいことがあるのに言わないのはなぜでしょう?
実際にお聞きしてみると「相手がどう思うか、どう考えるかを考えるから」といった内容の答えが返ってきました。
相手を主にして考えるからこそ、言いたいことがあっても言わないという選択をしているわけです。
- 言うことで事を荒立てたくない
- 波風を立てたくない
- 相手との関係を壊したくない
- 感情を表に出すことはみっともない
人によって様々な考えや価値観がもとになってはいますが、相手や周りの人がどう考えるかを意識しているという点は共通しています。
背景にはたいてい親子関係があり、言いたいことを言えば親に怒鳴りつけられたとか、言いたいことを言っても親の意見に押しつぶされたとか、「言いたいことを言わないほうがいい」という学習をしているのです。
言いたいことを言って面倒くさいことになるくらいなら言わないほうがいい。
これは依存症を生み出す面倒くささの根源みたいなものだと思っています。
依存の反対は自立です。
精神的に自立できていれば何かに依存することもありません。
波風を立てないよう相手に合わせるのは相手に依存しているとも言えます。
言いたいことを言えるようになるには自立することが必要なんですよね。
自立するためには、まず本当の自分を知ることから。
カウンセリングで隠し事も全てさらけ出して話しながら、依存症の症状の一つである否認性を改善していくことが必要となります。
否認性の改善と共に、自分がどう思っているか、どう感じているか、どうしたいのかに自分が素直に気付けるようになって少しずつでも表現できるようになってくれば、心に「自分」という軸ができて一人で立ち上がることができるようになるのです。
性癖や生活習慣、生育歴なども関わるため全員が全員当てはまるわけではありませんが、対人恐怖症は依存症とも関連性があるということは言えるかと思います。