電車で痴漢を繰り返していた人がたまたま女性に声を上げられて捕まったとします。

捕まったことによって「俺はなんてことをしてしまったんだ」と後悔し、「もう絶対にやらない」と誓います。

しかし、またいつの間にか電車で痴漢をしてしまっている自分がいる。

他人から見れば「なんて意志の弱い人間なんだ。情けないヤツだ。」と思われるでしょうが、これはそんな意志の強さでは語れないレベルの話なのです。

痴漢や盗撮が逮捕されてもやめられない原因とは?

行動心理学から見た再犯の原理

再犯の理由は行動の面から見るとよくわかります。

原理としては、スピード違反で捕まった人が一定期間後にまたスピード違反で捕まるのと同じです。

盗撮をして逮捕された

やらないようにしようと頑張る

逮捕されない日が続く中で逮捕されたのは偶然であって今度は大丈夫かもしれないと思いだす

やっても大丈夫だろうと思う

また盗撮をしてしまう

捕まらなかった(今回大丈夫だったから次も大丈夫だろうと思う)

また盗撮をしてしまう

逮捕という罰を受けている時点では行動をやめることができるのですが、その罰がなくなってしまうとまた同じ過ちを繰り返してしまう性質が人間にはあるのです。

意外と盗撮はバレている

盗撮がばれていないと思い込んでいる人は多いのですが、

  • 女性の後ろに必要以上に近づく
  • 女性についてまわる
  • スカートの下まで手を伸ばす
  • カメラの角度を調整する
  • ばれないように周りを観察しないといけない

といったことをしないと撮影できないため、盗撮をしている人は女性の近くで明らかに怪しい行動をしています。

ですので、いくら自分では上手くやっているつもりでもバレるのです。

盗撮をされている本人が異様に近づく男性の気配に気付くのはもちろん、周りにいる人も異様な行動に気付きます。

恐怖のあまりその場では気付いていないふりをして、後で被害届を出している女性もいます。

それだけでも十分捕まる可能性は高いのですが、繰り返すうちに脳内の快楽物質であるドーパミンの分泌に異常が起こり、より強い快感を得ようと行動が大胆になっていくため、必然的に逮捕されるという結果に至るのです。

何十年も繰り返しながら捕まっていない方もおられると思いますが、それはたまたまでしかなく、捕まる可能性が高いことをやっているんだという認識を持っていただければと思います。

そもそも、盗撮は逮捕されるからやってはいけないというレベルのものではなく、盗撮をされる女性の気持ちを考えれば人としてやってはいけないことです。

人としてやってはいけないことをやっている自分のままで良いのでしょうか?

生涯ばれずに盗撮を全うできたとしても、欲望のまま人を傷つけて生きた自分を人としてどう思うだろうかと一度考えてみてください。

痴漢や盗撮を誘発する快感とスリル

もう一つの原因は痴漢や盗撮をすることで得られる快感とやってはいけないことをやるスリルにあります。

この快感とスリルは麻薬のようなもので、一度経験してしまうとその感覚が忘れられずに我慢できない中毒のような状態になってしまうのです。

一度やれば必ず捕まるような犯罪であればこのようなことは起こらないのですが、痴漢や盗撮が逮捕されにくいところにも依存させてしまう原因があると言えます。

痴漢や盗撮で捕まった方でそのときが初めてだという人はまずいません。何度も繰り返して快感とスリルを堪能していく中で、たまたま捕まったという感じなのです。

快感とスリルを得ようとする考えのもとには、日々抱えているストレスがあり、ストレスが発散できていないからこそ、理性を司っている前頭前野の働きが弱まって目の前の快感とスリルを得る行動を衝動的にしてしまう。

つまり、原因を作り出す引き金として日々のストレスがあるのです。

痴漢や盗撮、露出などはストレスを引き金とする依存症であるわけですから、「捕まったからやめよう」という意志だけではどうすることもできず、以下のようなことをしっかりと継続していくことが必要になります。

  1. 電車に乗らないようにするなど痴漢や盗撮が物理的にできないように行動を変える
  2. 痴漢や盗撮、露出に代わるストレス解消法を取り入れていく
  3. ストレスを抱えづらい状態にするために問題を抱えた脳の状態を改善する習慣を取り入れる
  4. 生育暦や日々の生活の中で作り出された依存的な考え方を生活習慣を変えて小さくしていく

痴漢や盗撮などの性的問題行動は、脳の機能も考慮した上で専門的な知識をもって対処していかない限り再犯を防ぐことはできません。

再犯して取り返しがつかないことになってしまう前に専門家のカウンセリングを受けるようにしてください。

背景にある問題を解決しない限り痴漢や盗撮が改善したとは言えない

痴漢や盗撮といった性犯罪は「再犯」が問題視されます。

だから再犯しなくなれば改善したと考える人が多いのですがそう単純なものでもありません。

確かに犯罪行為である痴漢や盗撮を今後一切やらなくなれば、被害者を生み出すことも、逮捕されることも、周りに迷惑を掛けることもない。

しかし、再犯しない状態になっていても背景にある問題が未解決であれば、いずれ何かしらの大きな変化、アクシデントなどが生じたときに表面化します。

痴漢や盗撮などの改善は背景にある大きな問題を解決し、大きな変化があったとしても乗り越えられる状態になって初めて成立するのです。

痴漢や盗撮等の性的問題行動に潜む大きな問題とは?

人との関係において習慣化している諦めです。

  • 理不尽でも親の言うことに逆らえないため反論することを諦めている
  • すぐに感情的になる妻と話し合ってもムダだと話し合うことを諦めている
  • 自分の話なんて誰も聞きたくないだろうと思って話すことを諦めている
  • 誰かに頼むより自分でやった方が早いからと後輩に仕事を依頼することを諦めている
  • 告白しても上手くいかないだろうからと好きな人に告白するのを諦めている

何を諦めているかは人によって様々ですが、諦めることによって必ず自分が我慢することにはなっています。

我慢することによってどんどんストレスが溜まるのですが、我慢することが習慣化していることで慣れてしまっているため、ストレスに鈍感になり自覚できません。

ストレスが溜まり続けても自覚できないままなので「ストレス解消しなければ」と思うこともなく、脳の働きに異常をきたして痴漢や盗撮といった性的問題行動を表面化させてしまうのです。

痴漢や盗撮等の性的問題行動を改善するために

前述した人との関係において習慣化している諦めをやめていくことが必要です。

過去の親子関係を中心に何かしらの原因があって、諦めることを始めて習慣化させてしまったわけですから、カウンセリングを受けながらまずその原因が何かを知ることから始めていきます。

同時に、諦めることで抑え込んできた「自分がどう思ったか、どう感じたか」という自分の本音にも気付いていきます。

その過程で人との関係において習慣化している諦めが問題であることが自覚できるようになり、解決しようと行動するようになっていくのです。

ただ、現在まで習慣化していた諦めをやめるのは簡単ではなく、性格を変えるくらいのものになりますから、極端な話、改善するためには今まで習慣化してきた期間がかかるくらいで考えておいた方がいいと思います。

改善したらどんな状態になるのか

諦めてきた習慣を諦めないように変えていくことができることで、今まで放置してきた問題と向き合い、乗り越えることが必要になります。

まったく逆らえなかった親に反論するようになったり、すぐ感情的になる妻と話し合う時間を設けるようになったり、恥ずかしい気持ちを抱えながらも本音を言うようになったり、嫌いな上司との関係を改善しようと自分の接し方を変えてみたり…

今までしてこなかったことをしていくわけですから、強い抵抗はありますし、頭でやろうと決めてもなかなか行動に移せないことでもあります。

それを乗り越えた先に改善があるわけですから、周りから見て性格が変わったと思われるくらい変わります。

痴漢や盗撮をしてしまう大きな問題の一つである被害者の方の気持ちが考えられない部分も改善されるのです。

⇒痴漢や盗撮の再犯防止カウンセリング

性犯罪加害者のカウンセリング実績豊富なカウンセラーが作成した再犯防止の電子ブック

盗撮や痴漢などの性犯罪を再犯しないためには正しい知識を持つことも重要です。

「自分で勉強して改善していきたい」「カウンセリングに通うのが難しい」といった方のために、再犯防止のカウンセリングで得たノウハウをまとめ上げられました。

性犯罪を犯してしまった家族への接し方がわからず悩んでおられる方にも読んでいただきたい内容になっています。

⇒『性犯罪を改善するためのカウンセラーの実践ノウハウ』詳細はこちら