会話しているときに頭が真っ白になって仕事や人間関係に支障をきたしている方からのご相談は多いです。

  • 誰かに話しかけられたとき
  • 何人かで集まって話している中で急に話を振られたとき
  • 意見を求められたとき
  • 質問されたとき
  • 好きな異性と話すとき

人前で話すスピーチならメモを見てなんとかしのぐ人もいますが、普段の会話でメモを見るなんてことはできません。

会話中に頭が真っ白になって言葉が出ない状態になると対処しようがないから本当に困りますよね。

答えが決まっている仕事上の会話では真っ白になりにくい。

逆に自由に話していい雑談で起こりやすいのも特徴のひとつです。

会話中に頭が真っ白になってしまう原因は何なのか、そして、どうすれば改善できるのかをお伝えしていきます。

会話すると頭が真っ白になるのはなぜ?

相手が求めている話をしようと考えすぎ

「この話をしたら相手はどう思うだろう」「相手が求めてる答えは何だろう」等とグルグル考えた上で話す習慣がついてしまっているため、急に意見を求められたり、何気ない雑談で話を振られたりすると答えが出せなくなってしまいます。

答えがないのに答えを探すから何も出てこなくなる。

普段から周りに合わせてばかりで自分なりの考えを持っていないから意見がパッと出てこない。

「こんなこと言ったら変に思われるかも」とせっかく浮かんだ言葉も消えていく。

相手の目を気にして「早く言わないと」と焦るから余裕を失って頭が真っ白になってしまう。

誰しも多少なり考えて話してはいますが、急速に多くのことを考えたとすれば誰でも言葉に詰まります。

仕事上の会話は大丈夫という人が多いのは答えがあるからです。

自分の感情がわからなくなっている

本来なら「最近どう?」と何気なく話を振られたりしても、普段から自分が思っていること、感じていることを話せます。

人との会話は感覚ですから何も考えずに気付いたら喋っていたというのが自然な形。

「話したい、聞いてほしい」と言葉が勝手に湧き上がってくるものです。

しかし、「相手がどう思うか、どう見られるか」ばかり考えて自分の感情を置き去りにしているから自分の話が出てこない。

会話において主となる自分の話ができない状態で会話に困るのは当然です。

話のネタを7~8割減らされた状態で会話しろと言われているのと変わりありません。

どれだけ大変なことをやろうとしているかわかるでしょう。

また、感情がわからない状態になっていると不安や恐怖を抱えきれず飲まれてしまうから頭が真っ白になるのもあります。

上手く会話できる自信がない

過去に会話で失敗をした経験があったり、普段から上手く話せていない実感を持っている場合、会話に対する自信が持てません。

自信が持てないということは「上手く話せないんじゃないか」という不安が常にある状態です。

上手く話せないと思うから「わかりやすく話さないといけない、興味を持ってもらえる話をしないといけない、変なことをいってはいけない」といった固定観念に縛られてハードルを上げる。

自分で設定した無謀なハードルを越えようと頑張りすぎて頭が真っ白になるわけです。

ハードルを下げて今の自分にできる会話をすればある程度話せたりするんですけどね。

上手く話せないと思うから会話を避ける、避けるから上手く話せないの悪循環にも陥っているから余計に自信がつかないのもあります。

頭が真っ白になる人は緊迫感のある会話をしている

一切のミスが許されない綱渡りの会話

会話中に頭が真っ白になるほど緊張する人は、綱渡りのような会話をしていることが多いです。

落ちれば命が助からない危険な場所にかけられた一本のロープ。

渡るときはバランスを崩してはいけないし足を踏み外すこともできない。

ミスが許されない緊迫した状況ですよね。

全神経を集中させる必要がありますから気を抜くことはできません。

ものすごい緊張状態です。

本当に綱渡りをするのであればそれでいいでしょう。

しかし、綱渡りのような緊張感で会話をすると頭が真っ白になって言葉が出ないという事態に陥ってしまうのです。

会話における制限が綱渡りの状態を作る

会話をするにあたって制限がかかっていればいるほど綱渡りの会話になっていきます。

「相手が興味を持つ話題じゃないといけない」

「ちゃんと相手の話を聞かないといけない」

「一言で終わってはいけない」

「沈黙を作ってはいけない」

「わかりやすく説明しないといけない」

「話題からずれた話をしてはいけない」

「みんなが笑っているところでは笑わないといけない」

例えばこれだけの制限がかかった状態で普通にしゃべれと言われても無理に決まってますよね。

会話が終わったあと疲れ果てるのも当然です。

人によっては一つ制限されるだけで話せなくなることだってあります。

私には会話がずれやすい特徴がありますので「話題からずれた話をしてはいけない」という制限がかかるとかなり厳しいです。実際に話せなくなったこともありました。

会話中に頭が真っ白になる状態を改善するために

まずは頭が真っ白になる原理を知る

頭が真っ白になるという現象は、脳内の不安や恐怖などを司る『扁桃体』と会話する上で重要な役割を担う『前頭前野』によって以下の流れで引き起こされます。

  1. 扁桃体が過去の失敗経験等に刺激されて活性化
  2. 脳内が非常事態となり即座に戦うか逃げるか(ファイト・オア・フライト)を瞬時に判断しないといけなくなる
  3. 判断の邪魔にならないよう前頭前野の働きを低下させて考えられない状態を作り出す
  4. 考えられない状態になっているのに無理やり会話しようとするからオーバーヒート
  5. 頭が真っ白になってしまう

※わかりやすくするため大まかに説明しています。

試験やスピーチの際,あがってしまって頭が真っ白になった経験は誰しもあるはずだ。最近,そのメカニズムの解明が進んできた。物事がうまく運んでいる時,脳の前頭前野は私たちの浅ましい感情や衝動を抑える制御中枢として働いている。しかし,強い急性ストレスにさらされると,前頭前野の支配力が弱まり,進化的に古い脳領域の支配が強まることがわかった。

引用元:“パニック脳”を科学する | 日経サイエンス 2012年7月号

前頭前野は作業記憶、想像、共感、感情コントロール等の役割を果たすところなので、働きが低下した状態で会話するのはものすごく難しいです。

頭が真っ白になってきたら「前頭前野の働きが低下してきたから話せないのは当然だな」と思うようにしてください。

無理に話そうとしないほうが落ち着きやすく、頭が真っ白な状態から回復しやすくなります。

他の人たちが緩い会話をしていることに気付く

気軽に雑談をしている人を見ていただければわかるのですが、リラックスして力が抜けた状態で話をしています。

相手が興味のない話をすることもありますし、相手の話を聞いてなくて聞きなおすこともあります。

話題とずれたことを言うこともありますし、全然違う話に飛んでしまうこともある。

説明がわかりづらくて「何言ってるかわからない(笑)」と突っ込まれることもあったり。

興味がないから一言で終わって沈黙になることもあります。

すぐに制限を外してリラックスした状態で話せるようにはなれませんが、「みんな緩い会話をしているんだ」と気付くだけでも少し楽になれたりします。

あと、自分は会話するにあたってどういう制限をかけているのかを考えてみるのもいいですね。

頭が真っ白にならないように余裕がある状態を作っておく

お伝えしたとおり、頭が真っ白になるのは脳の働きから見れば当然の現象です。

頭が真っ白になること自体は異常ではないので、「頭が真っ白にならないようにどうすればいいか」を考えることが必要となります。

頭が真っ白になってしまう原因は余裕のなさです。

だから、余裕をもって人とかかわれる状態になれば大丈夫になります。

よく車のハンドルやブレーキの「遊び」で例えられる話ですが、わざと緩めて余裕を作っておくことでスムーズに運転できるのと同じ原理ですね。

カウンセリングでは、自分の感情や本音に気付くこと、固定観念を手放すこと、自信が持てるようになることを中心にアプローチしていきます。

自信を持って自分のペースで話せる状態になれば、頭が真っ白になることはなくなるのです。

失敗への不安を解消するために会話での成功体験を積んで記憶を塗り替えていくことも大切なポイントになりますので、上手くいくコミュニケーション方法に関するアドバイスもおこなっております。

⇒会話中に頭が真っ白になる対人恐怖症を克服するカウンセリング