社交的で行動力があって自分の意見をハッキリ言える…

外向型が理想とされる日本社会において内向的な性格は直すべき対象と見られがち。

「内向的=ダメ」のような感覚で生きづらさを感じている人は多いです。

内向的な性格であることによる生きづらさはどうすれば解消できるのかをお伝えしていきます。

内向的な人の特徴

以下の当てはまる項目が多いほど内向的であると言えます。

  • 自分の内面世界に興味を持ち、内側に向かうエネルギーが大きい
  • 内側に向かう分、外側には向きづらく興味関心の幅が狭い
  • 興味関心を持ったことに対しては深く掘り下げていく
  • 些細なことを受け流せないことから人との関わりで疲弊しやすく避けがち
  • 一人で好きなことをして楽しめる
  • 思考優位で考えや思いにふけっている時間が長い
  • 内面に独自の世界が作り出されることで世間一般とのズレが生じる
  • 他人に見られたくない気持ちが強く恥ずかしさを感じやすい
  • 嘘やお世辞を言うことに強い抵抗を感じる
  • 自己完結しやすく他者とのコミュニケーションをあまり求めない
  • 人の様子をうかがって判断する(受け身の傾向)
  • 悩みは相談せず自分で解決しようとする
  • 狭く深くの関係を望み交友関係をむやみに広げようとは思わない

内向的、外向的と言われますが、単純に二種類に分かれるのではなく、度合いとして捉えていただくと良いと思います。

30%くらい内向的な傾向がある人がいれば、80%くらい内向的な傾向がある人もいるという感じです。

当然、内向的と外向的は一人の人の中に共存します。

内向的な人の強み

自分と向き合うのが得意

外向的な人は自分と向き合うのが苦手で楽しいことや刺激の強いことに逃げがちです。

しかし、内向的な人は常に自分の内面に焦点を当てているため、自分と向き合うのが苦になりません。

ネガティブに考えることも自分を顧みることにつながります。

例えば、人と会った後に自分の発言や行動を振り返って大丈夫だったかと不安になるときは自分と向き合うことになっていますよね。

深く掘り下げて考えることができる

ニュースを見て「へー、そうなんだ」で終わらず、「なぜそんなことになったんだろう」と思ったら調べたり、自分なりに考えたりすることになります。

自分が納得できないことは引っかかる傾向があるから調べずにいられなくなる。

気になったことをすぐGoogleで検索したりするのも内向的な人の傾向です。

一つのことから派生して他のことを調べていくうちにどんどん考えが掘り下がっていく。

自分と同じ内向的な人の気持ちがわかる

内向的な人は自分に自信がないために無意識に必要以上の努力をしますが、外向的な人は必要に応じた努力をします。

些細なことでつまづき、自分が納得できないことにこだわって要領よくできない、臨機応変にこなすことができないといった内向的な人の感覚は外向的な人には理解できません。

そもそも感覚が違っているのでわからなくて当然だと言えます。

外向的な人に理解してもらえず苦しむ内向的な人にとって自分と同じ内向的な人の存在は救いになるのです。

内向的な人の弱み

活動に割けるエネルギーが少ない

自分の内面と向き合い、思考を巡らせることにエネルギーを費やすため、外に向かうエネルギーが少なくなります。

疲れやすい、元気がないといったことが起こりやすいのです。

不安や悲しみ等の感情が強く出てきたときにそれを処理するためのエネルギーも必要になります。

テンポが遅れやすい

一度自分の内面にアクセスする時間が生じるため、外向的な人に比べて反応が遅くなりやすい傾向があります。

質問をされたら言葉を選び、その答えが適格かどうか等を考える。

思考を挟むことによってテンポに遅れが生じやすいのです。

飲み会等、意味のない表面的なことをテンポよく適当に話すような場面は苦手に感じます。

アピールが苦手

私は内向的な人の方が外向的な人より優れているとは思っていません。

今の社会はまだまだ外向的な人が主流なので内向的な人は損をします。

社会人経験が少ない理想主義的なカウンセラーは、「内向的なあなたは素晴らしく、外向的な相手がダメだ」という話をしたりしますが、現実の社会はそんなに甘くはありません。

外向的な人はやっているアピールが上手いため、実際にはたいして何もしていなくても他人から評価を得ることができます。

しかし、内向的な人はいくらやっていてもアピールが苦手なためにやっていないとみなされて評価されず、できない人間だと見られやすい。

どれだけ潜在的な能力が高かろうが、表面的にそれが見えていないなら無いに等しくなってしまうのです。

内向的で生きづらい性格を変えていくために

本当に外交的になりたいかどうかを考えてみる

根暗、コミュ障、おとなしい、陰キャ等と言われやすい内向的な人は、たいてい「外向的(社交的)な人になりたい」と思います。

外向的な人は誰とでも仲良くなれて友達が多く、話し上手で世渡り上手、コミュニケーション能力に長けていて明るい、プラス思考で小さなことで悩まない。内向的な人にとっては憧れでしかありませんからね。

「自分もあんな風になれたらなぁ…」

羨望の眼差しで見つめながら、考えるたび外向的とは程遠い自分に嫌気が差してくる。

私自身も学生時代、外向的な人になりたい。なってモテたい、好かれたい、いっぱい友達欲しいと思っていた時期があります。

社会人になってからも同じでした。パワハラ上司に上手く対応して営業成績抜群で、面白い話ができて、みんなから好かれてモテるあの人みたいになりたい…

ずっとずっと外向的な人に憧れを抱き続けていました。

でも、今は外向的な人になりたいかと聞かれたら「NO」と答えます。外向的な人になれたとして本当に自分が幸せかと考えたら違うと思うからです。

正直、活発に交流会等に参加していろんな人とかかわり続けるのは面倒くさいし、一人の時間は大切にしたい。家族との時間も大切にしたい。親族との交流も大切にしたい。その中で、友達や好きな人とのかかわりも大切にしたい。

幅広く人脈を広げて何かがしたいかと言われればしたいことはなく、それで自分の自由が奪われるくらいならなくてもいいと思っています。

今は自分の幸せ、自分らしさ、自分が何をしたいかが明確になってきているので、外向的になりたいとは思わないのです。

自分が持つ能力を活かす努力をする

内向的な人に必要なのは、そのままの自分が素晴らしいんだと我を貫くことでもなく、外向的な人になろうと努力することでもなく、その潜在的な能力を表面化させることです。

これをしないままでは、いつまで経っても不遇な社会生活を営まなければなりません。

そんな人生の何が面白いのか、楽しいのか、もし「自分は自分、優れた能力があるんだ」と実感できたとしても、今の社会では評価されずただひたすら不利な条件を飲むことになります。

内向的な人はアピールが下手であまり目立ちたくないと思いがちなので、アピールしなくても気付かれるほどスキルを高めていくことが大切です。

仕事の全体像を捉えつつ、いかに効果を出すかを考えながら目の前の仕事に精一杯取り組み続けること。

最初から器用にこなすことはできませんが、試行錯誤を繰り返せば自分の中にノウハウを蓄積して自分にしかできない仕事の絶対領域を作り出すことができます。

また、全体像を見ながら仕事ができるようになると人とのコミュニケーションにおいても全容が見やすくなるため、相手を自分の望む答えに導けるようになっていきます。

内向的な人が外向的な人になることはできませんが、能力を表面化させて社会で評価されるようになるのです。

自分を変えるための自己啓発本はほどほどに

自信を持つためには「私は私のままで大丈夫」と今の自分を認めてあげることが大切です。

自己肯定感と言われるものですね。

しかし、自己啓発本は外向的な人を基準にしている内容が多く、「今の自分はダメだ、だから、考え方を変えないといけない」「今の自分はダメだ、だから、もっと頑張らないといけない」と自分を否定することになりやすい。

普段から自分を否定してしまう内向的な人がさらに否定を強めてしまうため、自信を失って生きづらさが増すことになるのです。

自己啓発本の内容をもとに頑張って最初は上手くケースがあっても、途中から息切れしてきて自分を見失ってしまうことがあったりします。

内向的な人にとって自己啓発本は魅力的に映りやすいのですが、くれぐれも悪化しないように気を付けてください。

自分に合いそうな内容だけピックアップして活用するくらいの感覚で読むのが良いと思います。