女性二人がひそひそ話

近くで話し声が聞こえたら誰しも多少なり気にはなるでしょう。

  • 職場で同僚が集まって談笑しているとき
  • 学校で同級生が二人でヒソヒソと話しているとき
  • 電車で近くの学生同士が話をしているとき

「何を話しているのかな」という興味本位ならいいですが、自分の悪口を言われてるような気がして聞くのはつらいですよね。

自分のことではないと思うのに全部自分の悪口に聞こえるし、クスクス笑い声が聞こえたら自分が笑われているような気もする…

冷静に考えれば被害妄想でしかないのに、不安感が襲ってきてグルグルと考えが止まりません。

周りに受け入れられていない、嫌われていると思うとショックで落ち込んでしまう。

気になって調べたら統合失調症なのかと不安になる人も多いと思いますが、対人恐怖症の自己関係づけに該当するものがほとんど。

対人恐怖症者は,周囲の人の何気ないしぐさやことばを自己の欠点と結びつける.つまり,対人恐怖症者が訴える内容には,自己関係づけが多く含まれている.よって,自己関係づけと対人恐怖との間には,密接な関係があると考えられる.

引用元:自己関係づけと対人恐怖心性·抑うつ·登校拒否傾向との関連、2003、日本パーソナリティ心理学会

「学校の全学年から悪口を言われる」といったレベルであれば統合失調症かもしれませんけどね。

悪口を言われてると思う辛さを解消するために、まずは原因からお伝えしていきます。

⇒対人恐怖症の度合いが気になる方はこちらでチェックできます

自分の悪口を言われていると思ってしまう原因

同僚が集まって話しているときにたまたま自分がいる方向をチラッと見て笑ったとしても自分の悪口を言っているかどうかはわかりません。

近くで話していた人同士が会話の中で「キモイ」と言ったとしても自分のことかどうかはわからない。

可能性としてゼロではないでしょうが100%でもありません。

にもかかわらず、「自分の悪口を言っているんじゃないか」という考えが頭から離れない。

なぜ他人の会話を自分のことと結び付けてしまうのでしょうか?

過去に悪口を言われた経験がある

悪口を言われてつらい思いをした経験がある人ほど悪口を言われることに敏感です。

例えば、見た目のことで悪口を言われていた人はまた見た目のことを言われているんじゃないかと思いやすい。

私自身も高校時代に「つぶやきシロー」だとか「オクレ兄さん(Mr.オクレ)」だとか言われていたので、自分の方を見て話している人がいたらまた見た目のことを馬鹿にしているんだろうなと思っていました。

実際に言われていたという事実があるから確信を持ってしまうんですよね。

聞こえていなくても自分が悪口を言われたと思えば言われたときと同じ気持ちになる。

何度も繰り返すうちに悪口を言われることがどんどんつらくなって過敏になるのです。

他人の目を気にしている

「人からどう見られるか、どう思われるか」を気にしていると、どうしても他人の行動が気になります。

常に周りを意識しているから自分の方をチラッと見て話し始めた人に気付いて「自分のことを話してるんじゃないか」と妙に勘ぐってしまう。

波風を立てないようにしている人ほどアンテナを張り巡らせているから拾いやすい。

神経質に他人の態度を観察、敏感に反応してばかりいると嫌がられてしまう危険性も出てきます。

他人の目を気にしていなければ自分の方を見て話す人を気にすることはないでしょうし、そもそもそういう人がいることにすら気付かないかもしれませんよね。

以上のことから他人の目を気にする自意識過剰の状態になっていることがそもそもの原因だと言えるのです。

自己関係づけは他者の評価を気にしており,他者と良好な関係を持とうとする側面が大きいと考えられる.つまり,自己関係づけが生起している時は,他者の評価に縛られこだわっているとも考えることができる.

引用元:自己関係づけと対人恐怖心性·抑うつ·登校拒否傾向との関連、2003、日本パーソナリティ心理学会

思春期は誰もが自意識過剰になりやすいため、自己関係づけが起こりやすいと言われています。

自分が自分に対して悪い評価をしている

自分が自分のことを良く思っていないことも原因として考えられます。

もし、自分が格好良くて頭も良くて性格も良くて誰からも好かれる人間だと思っていたとすれば、誰かが自分の方を向いて話していたら「おっ!また自分のこと噂してるな」とポジティブに捉えるはずです。

それが自分は不細工で頭も悪くて性格が悪くて誰にも好かれない人間だと思っていたらどうでしょう?

「またキモイって言われたのかな…」といった感じでどうしてもネガティブに捉えてしまいますよね。

過去にいじめやからかいで自分のことを否定された経験がある人は、自分に対して否定的で悪い評価をしがちな傾向があります。

悪口を言われないように警戒している

悪口に対して潔癖で絶対に言わないようにしているのも影響します。

悪口を言われたくないから言わない、悪口を言われるつらさがわかるから言いたくない。

たとえ友達同士でも嫌なところはあって当然なので、悪口を言われる可能性をゼロにすることはできません。

どれだけ自分が悪口を言わないようにしていても悪口を言うかどうかは相手次第。

にもかかわらず、悪口を言われないようにと固執するのは「悪口を言われる=嫌われた」という認識を持っているから。

「あの言い方はまずかったかな」「変に思われなかったかな」と人と会った後に一人反省会をするのは当たり前。

悪口を言われることを特別視して異様に警戒しているわけです。

警戒するあまり人とのかかわりを避けるようになって、「嫌われた」と相手に勘違いさせてしまうケースもよくあります。

結果的に嫌われたと勘違いした相手が悪口を言ってくるなんてこともあったりするんですよね。

自分の中に悪口が蓄積されている

誰しも他人のことを批判したり否定したりする気持ちは持っています。

「ほんと自己中な人だな」

「電車の中で騒ぐなんて非常識なヤツだ」

「よくあんな格好で外歩けるよな」

自分も他人に対して悪口を言いたくなる気持ちがあるのに言わない。

そもそも、他人を嫌いにならない、批判したり否定したりする気持ちが湧かないと言う人もいますがそんなはずはありません。

ただ自分のそういう部分を見ないようにしているだけの話です。

自分のことを悪く言われていると思うのは、自分が他人のことを悪く思う面があるから。

にもかかわらず、人の悪口を言わないとなればどんどん蓄積されていく。

他人に自分の感情を映し出す「投影」によって、相手が自分のことを悪く言っていると思うようになるわけです。

悪口を言われていると思ってしまう状態を改善していくために

もし本当に悪口を言われていたらどうなるかを考えてみる

「悪口を言われたら大変なことになる」と思っていれば悪口を恐れる気持ちは強くなります。

逆に「悪口を言われても大したことはない、とくに大きな問題は起こらない」と思っていれば悪口を言われても気になりづらい。

嫌な気持ちになることはあっても過剰に反応したり恐れたりすることがなくなります。

もし電車の中で見ず知らずの誰かが自分の悪口を言っていたとして何か問題が起こりますか?

嫌な気持ちにはなるでしょう。恥ずかしい思いをするかもしれません。

でも、実害はないですよね?

職場の同僚に悪口を言われた場合はどうでしょう。

悪口が広まってみんなから言われるようになるかもしれない。職場に自分の居場所がなくなってしまう。

最悪のケースを考えれば大変な状況になる可能性はありますが、そこまでひどい状態になれば会社を辞めるのもひとつの方法として考えられます。

また必ずしも最悪のケースになるとは限りませんので、悪口が広まっても誰かが助けてくれるとか、そもそも広がりまではしないとか、他の可能性も考えてみてください。

悪口を気にしないようにするのは難しい

よく本やインターネット上では「他人はあなたのことそんなに見てないから気にしなくていいよ」とか、「実際に言われてても気にしないようにすればいい」なんて書かれていたりします。

それができれば苦労しませんよね。

「悪口を言われているかも」と気にしてしまう繊細な感性を持っている人の場合、「気にしないようにしよう」とすればするほど余計に気になってしまうもの。

悪口を言われているかどうかばかりに焦点を当てることになるわけですから。

直接相手に悪口を言ったかどうか確認できたとしても本当のことを言ってくれるとは限りません。

今の状態では何をやっても気にしないようにできないのです。

だから、気にしないようにするのではなく「どうしても気になるよな」と気になってしまう自分を受け止めるようにしてください。

心の中でつぶやいてみるといいですね。

そして、気になりながらでも他のことを考えたりやってみたりすることで意識を別のことに向けていく。

友達と食事するときなら友達に話したいことを考えてみるとか。

別のことに意識が向く度合いが高まれば高まるほど「他人に悪口を言われているかも」という意識が下がっていきます。

自分軸を強化して悪口に左右されない自分になる

芸能人がエゴサーチをするように誰しも自分がどう思われているかは気になるもの。

しかし、自分にとって大切なことを考え、やりたいことをやっていれば悪口を言われているかどうかばかり考えてはいられなくなる。

「悪口を言われないようにこうする」ではなく「悪口を言われてもいいから自分がやりたいことをやる」になれば悪口に思い悩むことはなくなるのです。

まずは自分の気持ちを知り表現していくところから。

人に対して批判的な考えや否定的な考えが浮かんできたり、嫌悪や怒りなどのネガティブな感情を抱くこともあるでしょう。

まずは日々自分がどんな気持ちを感じているかに目を向けてみてください。

自分がどう思ったか、自分がどう感じたか、自分がどうしたいか…

他人ではなく自分の基準で自分を見られるようになればなるほど自己評価が高まり、他人の些細な言動に意識が向かなくなっていく。

気付いたら悪口が気にならない状態になっているのです。

自分の気持ちに意識を向けようとしてもできない、自分がよくわからないという場合は、カウンセリングで自分に焦点が当たるようにサポートいたします。

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