対人恐怖症アダルトチルドレン、依存症、自殺衝動、うつ等で苦しむ人が抱えている問題として世代間連鎖による愛情飢餓感があります。

愛情飢餓感は幼少期の親子関係で生じるものですが、毒親と言われる明らかに問題がある親の場合もあれば、表面上は子供の世話を焼くやさしい親の場合もあります。

親が愛情を注いだと思っていても、子供が愛されなかったと感じたなら愛情飢餓の状態になってしまう。

虐待がおこなわれるような特殊な家庭だけに起こる問題ではないのです。

愛情飢餓感を抱えてしまう原因

子供にとって「ありのままの自分が愛された」という実感は非常に重要です。

しかし、

  • お姉ちゃん(お兄ちゃん)の役割を果たす自分
  • 聞き分けのいい自分
  • 勉強ができる自分
  • 我慢強く頑張る自分

なら愛されるけど、

  • お姉ちゃん(お兄ちゃん)になりきれない自分
  • わがままを言う自分
  • 怠けてしまう自分
  • つらいことから逃げる自分

は愛されない。

親が思っていなかったとしても子供がこのように受け取っていたら「ありのままの自分は愛されないんだ」という感覚を持つようになってしまいます。

自分は親に愛されなかったと思う原理

母親から「お兄ちゃんなんだから」と言われれば我慢して、いじめられて泣いて帰ったら泣き虫の弱い自分を責められ、習い事がしんどくてやめたいと言えば「逃げるな」と延々と怒られ、「服装のセンスが悪い」「その髪質は将来禿げる」等と冗談交じりにバカにされ、母親のために考えて買ってきたプレゼントを「いらないから返品してきて」と言われ、同年代の子と比較して友達や彼女ができない自分を否定されたり…

これは私の実体験ですが、このような経験が繰り返されると自分の本当の気持ちを表現できなくなります。

ありのままの自分を表現することを禁止され、表現すれば否定されるわけですから表現したくもなくなりますよね。

結果として、ありのままの自分を押し殺して親に合わせることが習慣化。

親にとって都合がいい自分なら受け入れてもらえるけど、ありのままの自分は受け入れてもらえない。

計り知れない悲しみを抱えたまま成長して、自分は親に愛されなかったという感覚を持つのです。

親に愛されなかったと感じると「愛されたい」に執着してしまう

親に合わせた自分を演じて愛されたとしても、根っこにある本当の自分は愛されないまま。

「愛されたい、愛されたい、愛されたい…」満たされない気持ちがどんどん膨れ上がって異常なまで愛情を欲するようになってしまう。

愛情に飢えた飢餓状態、愛情飢餓感を抱えるのです。

ありのままの自分は愛されないと思っているからこそ、ありのままの自分を愛して欲しい気持ちが強くなる。

でも、ありのままの自分は愛されないと思っているから、ありのままの自分を人前で出すことができない。

出せないから愛されることはなく、愛されたい欲求が満たされないまま執着してしまうことになるのです。

愛情飢餓感の世代間連鎖

世代間連鎖は親から子、孫へと世代を越えて連鎖してくことを意味します。

親との関係で抱えた問題が受け継がれていくというのは怖いですよね。

愛情飢餓感を抱えた親は子供の愛し方がわからない

Acid Black Cherryの「少女の祈りⅢ」という歌が愛情飢餓感を抱えた娘の心情をリアルに表現していてわかりやすいので聴いてみてください。

Acid Black Cherryさん『少女の祈りⅢ』の歌詞

最後は愛に飢えていた娘に子供ができて、生きる意味を見つけたという内容で締めくくられています。

しかし、これは新たな世代間連鎖の始まりでしかありません。

愛に飢えた親は子供に愛情を注ぐことができないからです。

どうやって子供に愛情を与えればいいかわからない、そもそも愛情を注ぐってどういう感覚なのかわからない。

ここで登場するのが過干渉、過保護、放任、友達親子ですね。

愛情飢餓感を抱える親の苦しみ

結果的に大嫌いな母親がしてきたように自分も愛情を与えない子育てをしてしまう。

そして、子供の成長とともに映し出されるのが大嫌いな母親と自分が似ているという事実。

あんな親には絶対になりたくないと誓っていたはずなのになぜ同じようなことをしてしまうのかと葛藤を繰り返して苦しみます。

そうこうしているうちに子供は思春期を迎え自分から離れていく。

せっかくいてくれた子供という自分の存在意義が離れていくことへの不安。

自分は何のために生きているのか、今更ながら考えさせられるのです。

愛情飢餓感を抱える子供の苦しみ

子供は子供で小さい頃は親に愛情を求めるサインを出すのですが、親が与えてくれないとわかると愛情に固執するようになります。

得られないと思うから愛情に執着して「愛されたい」と異常なほど求めるようになり、ありのままの自分が愛されると思えないまま無価値感を抱えて満たされない毎日を過ごす。

親から依存され親に依存してしまう共依存。

学校の友達関係でも相手に求めすぎてわがままになるから、わがままさを出して関係を破綻させるか、わがままさを抑え込んで表面上成り立たせるか。

親と同じように「愛されたい」という気持ちに翻弄されて生きることになってしまうのです。

親を許せない気持ちが湧き上がってくる

子育てをしていて幼少期の記憶が蘇ってくることは多いです。

子供と自分を重ね合わせて親の接し方を思い出す。

  • あのときちゃんと向き合って話を聞いてほしかった
  • 親のエゴを押し付けずやりたいようにさせて欲しかった
  • もっとかまってほしかった

なぜ親は自分のことをもっと考えてくれなかったんだろう。

愛されなかった当時を思い出しどんどん怒りが湧き上がってくる。

「当時親が大変だったのはわかるけど許せない!」

頭では親には親の事情があったと理解できても、気持ちがどうしても収まらず苦しみます。

親に愛されなかった愛情飢餓感を克服するために

話せばわかってくれる可能性がありそうな親なら一度自分の正直な気持ちをぶつけてみるのもいいと思います。

過去の怒りや悲しみを整理した上で伝えてみたり、本当に愛してくれているか確認してみたり、今まで親の前で見せなかった自分を見せてみたり…

やってみた結果、親が自分の気持ちを受け止めてくれたと思えれば愛されたという実感を得ることができます。

しかし、話してもわかってくれない親の場合はこの方法が通用しませんので、カウンセリングでありのままの自分を受け止めてもらうことが必要となります。

ありのままの自分を受け止めてもらうことによって、「自分は愛されないのではないか」という不安感が少しずつ解消され、人前でありのままの自分を表現することができるようになっていく。

表現することで受け止めてもられた実感を得られるだけでなく、自分で自分を愛することができるようになって自分の価値観で生きる度合いが高まっていきます。

その度合いが他人の価値観で生きる度合いを超えたとき、「愛されたい」の呪縛から解き放たれ自分らしく生きられるようになるのです。

誰かが止めない限り受け継がれる愛情飢餓感の世代間連鎖

愛情飢餓の世代間連鎖は誰かの代で止めない限り、延々と続いていきます。

ただ、頑張って親に訴えかけても愛情を注いでくれない可能性が非常に高く、誰かに満たしてもらおうとすればするほど関係を破壊して余計に満たされなくなる危険性が出てきます。

外に求め続ける限り愛情飢餓が根本的に解消されることはありませんので、カウンセリングを受けながら自分で自分を認めて自分を愛せる状態にしていくことが必要となるのです。

非常に大変なことですが、気付いたなら自分の代で止めるようにしていただきたいと思っております。

⇒親子関係で苦しむアダルトチルドレンを克服するカウンセリング