女性に忍び寄る性犯罪者の手

現在までカウンセリングをしてきた中で、盗撮や痴漢等の性犯罪をする人に共通しやすい特徴があることに気付きました。

主に見られる4つの特徴を中心にその他の傾向についてもお伝えしております。

性犯罪をしてしまう人が持つ4つの特徴

1.ストレスを抱えやすく発散できていない

性犯罪をしてしまう人は、自己主張ができず思ったことを口に出せない、相手から何か言われても反論しないといった形で、自分の考えや思いを溜め込むタイプがほとんどです。

「相談しても意味がない」「仕事の話をしても理解してもらえない」「愚痴を言ったら嫌がられる」等と勝手に判断して自己完結させる傾向が見られます。

他の人なら耐えられないことでも耐えてしまうため、本人にストレスの自覚がなかったり、周りに我慢強い人だと思われていたりする。

ストレスをコミュニケーションや趣味といった健全なことで発散できず、性的なことで発散する習慣を持っている人は少なくありません。

2.女性の気持ちを考えることができていない

普段から女性のことを性的な目で見る度合いが高く、人によっては女性をあたかも「性欲を満たす道具」であるかのように考えている人もいます。

また、女性に対してだけでなく、誰に対しても相手目線で気持ちを考えて共感することが上手くできない人がほとんど。

盗撮に関しては「相手にバレなければ傷つけることはない」と考える人が多いのですが、絶対にバレない保証はなくバレたとき傷つけることになるので女性の気持ちを考えているようで考えていません。

女性とのかかわりが少なくて考える機会がなかった人、かかわりは多く持っていてもあまり考えてこなかった人に分かれます。

3.アイデンティティが未確立

自分の意見をとくに持っておらず、何事に対してもあまり深く考えていない。

「自分」というものが曖昧でアイデンティティ(自我)が確立していない人は多いです。

仕事でもプライベートでも目的や目標を持つことなく、ただ日々の生活ができていればいい。

過去を振り返り、未来を考えることがないため、反省する気持ちが出てもすぐに消えて何事もなかったかのようになってしまう。

過去から未来につながる自分という軸がぼやけていることで瞬間の衝動的な欲求に流されやすいのです。

4.依存的な習慣が多い

性犯罪をする人は受け身で依存的な習慣を多く持っています。

  • 「どっちでもいい」と相手に判断を委ねる
  • 察してもらえると思って言うべきことを言わない
  • 期限ギリギリにならないと動けない

依存的な習慣が多くあることによって、性的な衝動が出てきたとき止めることができない状態になっているのです。

面倒くさいことを避ければ避けるほど、些細なことが面倒くさくなって惰性的になる。さらに依存的な習慣が増えるという悪循環があります。

衝動を止めるブレーキが弱いケースがある

多くはありませんが、一定数の人たちに衝動を止めるブレーキが弱い傾向が見られます。

ギャンブルにのめり込む、衝動買いをしてしまう、お菓子をドカ食いしてしまう、不安になると何度も確認を繰り返す、イライラすると暴言や暴力が出てしまう…

食欲や物欲等の欲求が上手くコントロールできず、不安や怒りといった感情もコントロールできない。

衝動を止めるブレーキが弱いことで性欲や支配欲求に駆られて性犯罪をしてしまうケースがあるのです。

惰性的な習慣で理性脳と呼ばれる前頭葉の働きが弱っていることが主な原因ですが、発達障害や親子関係で生じた愛着の問題(愛着障害)が影響している可能性も少なくありません。

カウンセリングで自分と向き合っていくことだけでなく、衝動を止める力を高めるトレーニングに取り組むことが必要となります。

対人恐怖症的な傾向がある人も多い

人とのかかわりでストレスを溜め込むことが性犯罪につながる

性犯罪をしてしまう人の多くに対人恐怖症的な傾向が見られます。

相手がどう思うかを気にして言いたいことがあっても言えず、自分の中で抑え込んだままストレスを抱え込む。

そのストレスが脳に悪影響を及ぼして性犯罪をしてしまうのです。

  • 言うことで事を荒立てたくない
  • 波風を立てたくない
  • 相手との関係を壊したくない
  • 感情を表に出すことはみっともない

人によって様々な考えや価値観がもとになっていますが、相手の顔色や場の空気を過度に意識しているところは共通しています。

言いたいことを言っても親の意見に押しつぶされた、ありのままの自分では学校に馴染めなかった等、過去の経験から「言いたいことを言わないほうがいい」と学習しているのです。

自立を目指すカウンセリングで対人恐怖症的な傾向は改善する

波風を立てないよう相手に合わせるのは相手に依存している状態とも言えます。

依存の反対は自立です。

精神的に自立できていれば何かに依存する必要性がなくなります。

言いたいことを言えるようになるには自立することが必要なんですよね。

自立するためには、まず本当の自分を知ることから。

カウンセリングで隠し事も全てさらけ出して話しながら、依存症の症状の一つである否認を改善していくことが必要となります。

否認の改善と共に、自分がどう思っているか、どう感じているか、どうしたいのかに自分が素直に気付けるようになって少しずつでも表現できるようになってくれば、心に「自分」という軸ができて一人で立ち上がることができるようになるのです。

性癖や生活習慣、生育歴なども関わるため全員が全員当てはまるわけではありませんが、対人恐怖症は性犯罪と関連性があるということは言えるかと思います。

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