自分がHSPか発達障害かわからず悩む女性

HSPと間違われやすいものとして発達障害があります。

感覚過敏や過集中、人とのかかわり方など、表面的に見れば同じ特徴を持っていますからね。

HSPだと思っていたのに病院で発達障害と診断されたケースも珍しくありません。

併発の可能性もゼロではないため、余計に見分けがつきにくいところがありますが、細かく見ていけば両者の違いがわかってきます。

※発達障害の正式な診断をご希望でしたら、病院で心理検査(ウェクスラー式知能検査等)を受けてみてください。HSPは病名でないため診断を受けることはできません。

具体的な特徴から見たHSPと発達障害の違い

脳の機能

発達障害は脳の機能障害がありHSPにはない。発達障害は左脳優位、HSPは右脳優位と言われています。

右脳左脳のどちらが優位かの違いはありますが、バランスが上手く取れていないという面では同じです。

HSPは共感や直感にかかわる島皮質と前帯状回の働きが活発であるのに対し、自閉症スペクトラム障害では島皮質と前帯状回の働きが低下しています。

また、発達障害は共感性、想像力、衝動の抑制等を司る前頭葉の働きが偏っており、脳内物質のドーパミンやノルアドレナリンが少ない可能性も考えられています。

感覚の過敏さ

発達障害はフィルターがなくダイレクトに刺激が入ってくるから過敏になる。HSPはフィルターはあるものの、不安や恐怖を司る扁桃体、他者の影響を受けて反応するミラーニューロンが活発に働くことで過敏になっています。

発達障害は感覚処理障害を抱えていることもあり、痛みや味覚等、特定の感覚が鈍感になる感覚鈍麻が見られるケースも少なくありません。

HSPは感覚処理感受性が高いと言われており、感覚鈍麻はないのですが感じすぎるのがつらくて解離してしまい、表面上感覚鈍麻のようになることはあります。

どちらも想定外の出来事に弱く、パターンを作りやすいのは感覚の過敏さがあるからです。

こだわりの強さ

感覚や感情に大きく影響を受けるHSPは極端になりやすい傾向が見られます。好きなものはとことん好きだし、逆に嫌なものは絶対に無理。

また、HSPの特徴である処理の深さで一つのことを掘り下げて考え続ける傾向があり、結果としてこだわっている状態になります。

発達障害は興味関心の対象が限定的であるがゆえ、一つのことにこだわってしまうところがあります。

こだわる理由は違いますが、どちらも0か100か極端になりやすく、過集中の状態になるのは同じです。

料理の味付けや服の着心地、特定の音、におい等、些細な刺激を気にすることで、細かい、こだわりが強いと思われるところもあります。

環境への適応力

HSPは環境に適応しすぎるがため疲れ果ててしまう過剰適応、発達障害は上手く適応できないことで問題が起こる不適応の傾向が見られます。

例えば、小学校や中学校進学で新しい環境に入ったとき、まず両者とも感覚過敏で疲弊します。さらにHSPは周りに気を遣いすぎることによる負担があり、発達障害は空気が読めないことや衝動が止められないことで上手く馴染めない。

上手く適応できない経験を繰り返す中で「またしんどくなってしまうかも」と思うと不安が強まり、余計に新しい環境が苦手になって適応しづらくなる面もあります。

どちらも環境に上手く適応できないという結果で見れば同じで、学校に行けなくなる不登校やひきこもりにつながっています。

共感性

自閉症が空気を読めないのに対して、HSPは空気を読みすぎるところがあります。他人が怒られていたら自分も怒られている感覚になってしまうほど共感性が高いのがHSPです。

共感性の有無で見れば真逆なのですが、HSPは共感性が高すぎて逆に空気が読めない、共感できない状態になることがよくあります。

例えば、相手が泣いているときに相手の悲しみだけを受け取れば共感できますが、悲しみの裏にある怒り、そこから自分が責められるのではないかという恐怖等、感じるものが多くなると共感しづらくなる。

HSPは共感性の高さゆえ受け取る情報量が多く、相手が自覚していない感情や自分の感情も感じ取りやすいため、相手が自覚している感情とズレて共感できていない状態になってしまうのです。

逆に、自閉症でも幼少期から親に合わせることで必死にパターンを形成してきた人は、表面的に見れば空気を読みすぎる状態になっているので見極めが難しいところはあります。

コミュニケーションの取り方

発達障害は相手が興味あるかどうかに意識が向かず、自分の好きなことを淡々と話す傾向があります。自分が興味のない話は聞いていないことがほとんどです。想像力の欠如によって相手の話が文字で入ってくるから興味が持てないところもあります。

HSPは相手が興味あるかどうかを意識し過ぎて話せなくなりやすく、自分が好きな話を一方的に話すことはできません。自分が興味のない話でも相手が話したいなら聞き、聞いているうちに想像が膨らんで興味を持つこともあります。

自分の内面世界に入り込んで現実が見えなくなり、場違いなことや突拍子もないことを言ってしまいやすい。結果として、天然と思われやすいところがあるのです。

人とのかかわりを求めても感覚過敏で疲れやすいことから、一人の時間を必要とする、一人になろうとするのは共通しています。

HSPか発達障害かより大切なこと

芸能人の方々が「自分はHSPだった」と公言してからHSPという概念が一気に広まりました。

メディアは視聴率や閲覧数が上がる情報はどんどん取り上げていくため、興味関心を惹きやすいように加工されてしまったところがあると感じています。

また、SNSでは個人の症状までHSPに含めて発信されたことで、社交不安障害やうつに当てはまるものまでHSPの特徴になっていたり、まるで超能力者のように捉えられていたりもする。

拡大解釈されたHSPの概念に当てはまる人は多く、さらに発達障害と違って病気ではないということもHSPと名乗る人の増加に拍車をかけたと思っています。発達障害に該当するのにHSPだと思い込んでいる人も珍しくありません。

自分が社会に適応できないとき、人間関係で上手くいかないとき、今までの思い通りにならなかった人生を振り返ったとき、HSPだからと考えれば納得できるところはあるでしょう。そして、HSPという共通の性質でお互いに共感しあって自分を肯定することもできます。

ただ、HSPという概念が広がったとしても、周りが配慮してくれるかどうかは別。どちらかといえば理解されず配慮してもらえないケースの方が多いと感じています。

自分がHSPなのか、発達障害なのか、どちらにしても社会で生きていくにあたって適応するための努力は必要なのです。

HSPだとわかって気は楽になったけど生きづらさが解消されない。発達障害で人とのかかわりが上手くいかない。どうすればいいかわからず悩んでおられるのであれば一度ご相談ください。

⇒HSPの生きづらさを解消するカウンセリング