執着とはある特定のことに囚われ、心が離れなくなってしまうことを意味します。

執着の対象は物、お金、地位、名誉、容貌、過去、人と様々です。

なぜ人は執着してしまうのか?その原因と手放すための方法をお伝えしていきます。

執着の原因となる心理

満たされない愛情欲求

執着している人に認めてもらうこと、物に執着することで自分を満たそうとしています。

もっと愛情が欲しいと思うから何かで埋めようとする。人に対しての執着は自分への愛情を引き出そうとする行為なのです。

自分で自分を満たせないから執着対象に満たしてもらうしかない感覚になっているんですよね。

愛情をもらえていたのが何かのきっかけでもらえなくなった等、幼少期の体験が影響している可能性が考えられます。

選択肢がない

何かに執着しやすい人は、一人で楽しめることや人とのかかわりが少ない傾向があります。

選択肢がいくつもあれば一つに執着することはありませんからね。

恋愛で一人に絞らず複数の異性と良好な関係を構築していた方が上手くいきやすいと言われるのも執着を防ぎやすいからです。

自信がない

いつでも手に入る物には執着しませんが、今この機会を逃すともう手に入らないとなれば執着しますよね。

つまり、自分でなんとかできる、自分ならいつでも手に入れることができると思えない人ほど執着しやすいのです。

背景には失ったらどうしようという不安、自信のなさ、人によっては無価値感を抱えているケースもあります。

負けず嫌い

負けず嫌いの性質を持っているかどうかも影響します。

同年代の人と比べて自分は成功しているかどうか、かわいい彼女を連れているかどうか、喧嘩で相手に負けを認めさせたかどうか…

負けたくない気持ちが強い、勝ち負けにこだわる人ほど執着しやすい傾向が見られます。

自分と向き合えない

裏側にわかって欲しい気持ちはあるけど向き合えない。認めたくない、受け入れられないから執着してしまう。

間違った選択をした自分が許せない、認めたくない。執着して間違っていなかったと証明しようとしがみつくのもあります。

執着している限り結果は出ないので自分と向き合わずに済むわけです。

執着が引き起こす問題

執着しているといつまで経っても不安が解消されないだけでなく、不安がどんどん強化されてしまうという問題が起こります。

執着の反対は手放すことですが、不安が強すぎると手放したくても手放せなくなる。

だから、どうしても執着してしまう。

しかし、執着することによって上手くいかないことが増えてしまうため、さらに不安を強めていくことになるのです。

例えば、友達が自分を好きでいてくれるかどうかに不安を抱いている人は、友達に執着して過度なかかわりをしたり、その友達が他の友達と仲良く話していると激しく嫉妬したりします。

その結果、嫌気がさした友達が自分から離れてしまったとすれば、自分は好かれない人間なのではという不安を強めることになり、さらに友達との関係に強く執着するようになるのです。

また、執着し続けているとどんどん視野が狭くなり、自分が本当にやりたいことができないまま精神的な成長が止まってしまうという問題も起こります。

執着を手放すために

自分と向き合う

執着を手放すためにはまず自分と向き合うことが必要です。

カウンセリングで執着している対象への思いをお話しいただきながら、少しずつ自分に焦点が当たる状態にしていきます。

執着の裏側にある自分の本当の気持ちが見えて、思考や感情と距離を置けるようになれば執着心は収まりやすくなります。

本当に大切なことに気付く

執着によって極端に狭まった視野を広げ、自分にとって大切なことが見える状態にしていきます。

背景にある強い感情をカウンセラーに受け止めてもらいながら、少しずつ自分でコントロールできる感覚を養う。感情が緩まってくると視野が広がってくるのです。

執着の対象以外に大切なことがあると実感でき、意識が分散されていく中で執着が手放せるようになります。

自分で自分を満たせるようになる

日々の生活で自分にとって大切なことができればできるほど満たされる感覚は増していきます。

自分で自分を満たせるようになれば、執着する必要性がなくなり手放すことができるのです。

カウンセリングでは無理やり執着をやめようとするのではなく、執着を手放せる状態になることを目指します。

執着がやめられず困っておられるのであればいつでもご相談ください。