人と話しているときに顔がひきつってしまう表情恐怖症。

家族や友人には出ない人もいますが、誰に対しても出る人の方が多いですね。

顔がひきつる状態が続けば続くほど自分の表情が気になってくる。

「またひきつるんじゃないか」と思うことで、余計に顔が引きつってしまう悪循環。

顔がひきつっている感覚が強いときほど相手の反応が悪く、まるで相手を苦しめているような罪悪感が生まれます。

さらに、自分が嫌われることを恐れるからどんどん不安は膨れあがる。

ネガティブな感情を抱えて気分が落ち込み、イライラしやすくなっているにもかかわらず、顔に出さないように話しているのです。

まだ自分の興味を持てる話なら誤魔化せても、興味のない話をされては顔がひきつるのも無理ありませんよね。

表情恐怖症とは?

表情恐怖症とは、自分の表情が相手に不快な思いをさせてしまうのではないかと過剰に意識して顔が引きつる症状です。

面と向かって人と話すとき、みんなが集まっている場所に行ったとき。

人によっては道を歩いているときや電車に乗っているときでも表情を意識して引きつってしまう。

人間の表情は本来、嬉しいとか悲しいといった感情に基づいて自然と変わるものですが、それを無理やりコントロールしようとすることで緊張が生まれます。

緊張するはずがない場面での引きつった表情が相手に違和感を与える。

相手の反応を見てさらに「自分の表情がおかしいせいだ」と紐付けてまた無理やり表情をコントロールしようとする。

この悪循環を繰り返してどんどん悪化していくのが特徴です。

顔がひきつるのは感情とのギャップが原因

人は嬉しい、楽しいといったポジティブな感情のときは自然と笑顔になります。

  • 赤ちゃんを見て愛おしさを感じたとき
  • 興味深い話を聞いて面白いと感じているとき
  • ディズニーランドで好きなキャラクターを見つけたとき

逆に不安や恐怖、怒り等ネガティブな感情のときはどうしても曇った顔になりがち。

  • 相手に変に思われて嫌われないかどうか不安
  • また顔がひきつってしまうのではないかという不安
  • 興味のない話ばかりされて嫌、イライラする

しかし、学校や仕事関連でかかわる人、知り合いに対してそのままの表情を見せるわけにはいかない。

本来は曇った表情になるはずのところ、興味ありげな反応をしたり、面白くもないのに笑ったりするから顔がひきつるのです。

ありのままの自分を受け入れてもらえない不安が根底にある

人と話すときに顔がひきつるようになった人は、過去の経験からありのままの自分が受け入れられない不安を感じています。

  • 親の言うことを聞く「いい子」のときしか認めてもらえなかった
  • 自分では普通の表情だったのに友達から怖いと言われた
  • 仲良しグループだったのになぜか自分だけ仲間外れにされた

だから、常に受け入れてもらえる自分になろうと無理をしています。

みんなに好かれるように、嫌われないように。

そのためには「完璧な人間じゃないといけない」と、自分にものすごいプレッシャーをかけている人もいるくらいです。

顔がひきつる前まで社交的だった人は、自覚がないまま無理をしていた人ばかり。

不安だったから表面上は明るく楽しく、みんなに好かれる自分を作っていたわけです。

表情恐怖症の人が抱える苦しみ

加害者意識による罪悪感

自分の表情がこわばることで相手に嫌な思いをさせているのではないか。

せっかくの和やかな雰囲気を自分の引きつった笑顔でぶち壊してしまうんじゃないか。

表情恐怖症で悩んでいる人は自分の表情が何かしら他人に迷惑を掛けることを恐れています。

加害者意識は,表情・態度恐怖者と自己視線恐怖者において強く意識されるのが常である。彼らは自己のこわばった不自然な表情・態度あるいは自己の異様に強い視線が周囲の人びとに居心地の悪い思いや射すくめるような威圧感を与えていることに罪悪感をもっており,したがって劣等感と罪悪感という二重の悩みを訴えることがある。

引用元:対人恐怖症、2000、富山大学保健管理センター

実際は表情というよりコミュニケーションに問題があり、ものすごく受身で自分のことを全然話さない人が多い。

他人のことに関心がないから相手も興味を持ってくれず会話が弾まない。

「嫌われているんじゃないか」という不安を「自分の表情のせいだ」と結び付けるから加害性を信じ込むわけです。

感情に反して笑顔を作り続ける負担

看護師、飲食店スタッフ、キャビンアテンダント…

患者さん、お客さんと接するにあたって笑顔を求められる仕事です。

自分の感情に反してでも笑顔を作らないといけない、感情労働と呼ばれるこういった仕事では燃え尽き症候群になってしまう人が多いと言われます。

マクドナルドの「スマイル0円」なんて典型例ですよね。

仕事だからと無理をして笑顔を作り続けることで感情とのギャップが大きくなる。

笑顔を作るための必要エネルギーが増大、どんどん負担が増えて燃え尽き症候群になってしまう。

感情に反して笑顔を作ることがどれだけ負担になるかわかっていただけたでしょうか?

人と話すとき顔がひきつるのを改善するために

表情に関する認知を修正する

表情恐怖症で悩んでいる人は、真顔でいることに不安を感じます。

何かしら表情がないと嫌われるかもと思っているからです。

とくに笑顔に対して執着している人は多いですね。

よくコミュニケーションの本などで「口角を上げましょう」「笑顔で挨拶しましょう」なんて書いてますが、絶対に笑顔の方が良いのでしょうか?

確かに、自然に素敵な笑顔ができる人もいますので、そういう人はそれでいいでしょう。少しの心がけでみるみる周りの反応が好転するなんてこともあるかもしれません。

でも、あんまり笑顔が得意じゃない人、素敵な笑顔ができない人もいます。たぶん、日本人の多く(とくに男性)はできないものです。

基本的に無表情ではたから見ると少し怖い感じ、でも、話してみると時々笑ったりもする。

誰しも多少なり無理して笑うときはあったりしますが常ではありません。

「無表情でも別に嫌われることはないんだ」という感覚に修正していくことも克服する上で大切なポイントになります。

感情とのギャップを解消する

問題は表情と感情のギャップにあります。

あまりにも感情とかけ離れた表情を作ろうとしてひきつっているわけですからね。

かといって、上司との会話で愛想笑い一つしない、みんなが笑っているのに1人だけ無表情はできません。

大切なのはポジティブな感情になりやすい状態を作ってあげること。

今は顔がひきつったかどうかはものすごく気になると思います。

ただ、ひきつったかどうかばかり考えていてポジティブな感情が生まれることはありません。

気にしながらも日々の中で良かったこと、嬉しかったこと、楽しかったこと、感動したこと等に目を向けてください。

1日振り返れば何か一つはあるはずです。

何もなければ過去のことでもかまいません。

ポジティブな感情に浸る時間が増えれば増えるほど、人と話すときに自然と良い表情が出てきます。

ありのままの自分を受け入れていく

ただ、根底にある不安が強ければどうしても顔がひきつってしまう。

等身大の自分でもいいんだと思えるようになることも必要です。

そのためには自分が自分のことを好きになる、とまでいかなくても、「こんな自分でもいいかな」と思えるようにしていく。

自分を受け入れてもらえるかどうかばかり気にしてきた人は、他人の目を通しての自分しか見ていません。

つまり、自分を自分の目で見ていないのです。

まずは自分を自分の目で見て知っていくことを少しずつカウンセリングでおこなっていきます。

自分を知ることによって自分に愛着が持てるようになり、ありのままを受け入れられるようになっていく。

他人に受け入れてもらおうと無理をすることがなくなるので、顔がひきつることなく自然な表情で話せるようになるのです。

カウンセリングで本当の問題に気付き解消する

表情恐怖症の人が抱えている問題は顔が引きつることではありません。

人と上手く話せるかどうかの不安、相手に受け入れてもらえないかもしれない恐怖、自分で考えて動けない自発性のなさ等が本当の問題です。

強い不安や恐れの影響で常に警戒していて緊張が解けない。

緊張が解けないまま無理やり表情を作るから顔が引きつってしまうんですよね。

カウンセリングでは、まず表情に置き換えた本当の問題に気付くことからやっていきます。

そして、問題を解決できる方法を一緒に考えながら取り組んでいく。

不安や恐怖が解消されるにつれ緊張が緩和、自然と表情が出て表情恐怖症は克服できるのです。

表情恐怖症で悩んでいる人は、表情が乏しく、会話が続かない傾向が見られるため、感情の解放とコミュニケーション方法の具体的なアドバイスを中心におこなっております。

⇒表情恐怖症を克服する対人恐怖症専門のカウンセリング