人と話すのを怖がっている女性

人と話すのが怖いと思うのは、相手に怒られそうだから、暴力を振るわれそうだからといった単純な理由だけではありません。

どちらかと言えば、人とかかわることで嫌われてしまうこと、受け入れてもらえないことが怖い人の方が多いでしょう。

つまり、人と話して拒絶されることが怖いのです。

自分が変に思われて嫌われるとか、何かしら迷惑を掛けて嫌がられるとか。

だから、人に迷惑をかけないように、みんなと同じ「普通」であろうと必死に頑張っています。

でも、どれだけ頑張っても絶対に拒絶されない保障は得られない。

ずっとビクビクして人とかかわっているから怖いままなんですよね。

人と話すのが怖い感覚は悪化していく

人と話すのが怖いと思っていると会話を避けるようになります。

話しかけてもらえても会話が続かず一言で終わってしまったり、頭で考えていることが上手く話せなくなったりしてどんどん自信を失っていく。

普通に話せないと変に思われるから余計に人とのかかわりを避ける。

初対面は偽りの自分で乗り切ることができても、ボロが出そうな二回目以降になると上手く話せない

他人の考えを聞く機会がなくなって自分の考えに固執、悪い方にばかり考えて相手を信用できなくなってしまう。

優しくしてくれる人に対しても陰では自分の悪口を言っているんじゃないかと疑ったり

相手の反応を過敏に察知するからほとんどの人が気付かない些細な反応を拾っては嫌われていると思い込んで落ち込む。

目を合わせるのが怖いからどこを見ていいかわからない。

周りから変に思われないようにと意識するあまり行動がぎこちなくなって注目を浴びてしまう。

常に見られているような感覚になるから人が近くにいるだけで怖い。

生活に支障が出てきた段階で対人恐怖症と呼ばれる状態になるのです。

悩んでいる期間が長ければ長いほど改善しづらくなりますので、なるべく早い段階から改善に取り組んでいきましょう。

カウンセリングでは改善するために何をすればいいかまで具体的にお伝えしております。

なぜ人と話すのが怖いと感じるようになったのか?

原点は親子関係にある

誰でも小さい頃は親がいないと生きていけません。

だから、親に嫌われないように、見捨てられないようにすることはものすごく大切なのです。

親が自分の存在を認め、ありのままの自分を無条件に愛してくれたなら何も気にすることなく生きていける。

逆に、親の言うことを聞く「いい子」のときだけ愛される状態であればものすごく怖いですよね。

いい子で居続けないといつ見捨てられるかわからないわけですから。

親の顔色をうかがって常に気が休まらない。

人と話すことに怖さを感じるのは、親との関係で怖さを感じ続けていたからなのです。

人間関係で抱えたトラウマ

たいてい親子関係が影響しているのですが、学生時代のいじめが原因で人が怖くなってしまうこともあります。

安全だと思っていた学校で想定外のいじめに遭ってしまう。

自分を守るために心理的な防衛反応で心を閉ざす。

誰にも打ち明けることができず抱え込むと、心を閉ざしたまま人とかかわり続けることになります。

本当の自分を隠して作った自分で周りに合わせる。

「またいじめられたらどうしよう」という怖さが消えないから人が怖いと感じるのです。

生まれ持った性質も影響

人に対する怖さは感受性が強い人ほど感じやすいところがあります。

相手が怒っていても鈍感であれば怖さを感じませんよね。

同じ家庭環境で育っても影響を受ける子と受けない子がいるのは感受性の違いだと言えます。

相手の雰囲気、言動、態度で不機嫌さや怒りを感じ取れるからこそ怖さを感じる。

反応したくなくても反応してしまう。

心の痛みがわかるやさしい人がなりやすいのです。

人と話すのが怖い人に見られる3つの特徴

他人や世間が基準で自信がない

自分ではなく他人や世間がどう思うかを基準に生きています。

迷惑をかけないように、良い気分でいてもらえるように、相手に合わせて自分が話したいことは話さない。

自分のことを聞かれても当たり障りのない範囲だけなので、相手との関係が深まらないままになります。

「自分がどうしたいか」を見失っているから、他人に合わせるのを嫌だと感じることがほとんどありません。

自発的に動けないことで自信が持てず、他人からの評価がすべてのような感覚になっています。

ネガティブな感情を抑圧している

人に拒絶されることを強く恐れているため、ネガティブな感情を出さないようにしています。

本当は嫌なこと、怒りを感じることがあっても我慢する。

他人を責められない分、自分を責めて苦しみます。

人を嫌いにならないようにしていたり、愚痴を言わないようにしていたり…

「何を考えているかわからない」と言われてしまうこともありますが、「いい人」「やさしい」と言われることが多いです。

自分のダメなところが許せずなくそうとする

人は誰しも自分が良いと思うところだけでなく、ダメだと思うところも持っています。

ダメなところも含めて自分なのですが、一つでもダメなところがあるとすべてがダメに思えてくる。

0か100かの極端な考え方で完璧を求めるから、頑固でプライドが高いと思われやすい。

失敗して恥をかく場面を回避、症状を隠そう、なくそうとすることにもつながっています。

本当の自分を認めることができず、自分を否定する状態になっているのです。

人と話すのが怖い状態を克服するために

自分を取り戻す

周りに合わせて自分を作ってきたから素の自分が受け入れてもらえると思えない。

みんな(世間一般)と比較して違うところを見つけては「自分はおかしい」と否定してきた。

自分だけ他の人たちより明らかに劣っているような気がする。

本当の自分を知られたら嫌われるんじゃないか、離れていってしまうんじゃないか、馬鹿にされるんじゃないか…

さらに、バレるのを恐れてビクビクしていることまで隠そうとするから余計に人と話すのが怖くなってしまう。

「他人にどう思われるか、どう見られるか」ばかりに焦点を当ててきたから自分が空洞化しているのです。

自分に中身があると思えれば隠す必要もないし怖がることもなくなる。

いかに隠す必要がない状態にするか、自分を取り戻すことが改善のポイントになります。

まずは日々の生活で「自分がどうしたいのか、どう思っているのか」を振り返って書き出してみてください。

そして、できる範囲から少しずつ自分がやりたいことをやっていきましょう。

自分を取り戻すことができてくれば人と話すのが怖い感覚は薄れていきます。

自分の基準で自分を評価していく

人は「自分が自分にする評価」と「他人が自分にしてくれる評価」の2つで成り立っています。

両方の評価をあわせて100点になるような感じです。

自分が自分にする評価が10点の人は残りの90点を他人からの評価で埋めようとする。

だから、他人の目を気にして人と話すのが怖くなってしまう。

他人からの評価で自分の価値が決まるような感覚なので、「他人の目なんて気にするな」といくら言われても効果がありません。

改善するためには自分が自分にする評価を高めていくことが必要なのです。

まず自分の性質や状態を書き出してみる。

その上で「自分なりに頑張ったところ」を探してみましょう。

人と話すのが怖い状態でも挨拶ができたとか、面倒くさがりなのに今日は片づけができたとか。

どんな些細なことでも大丈夫、他人が頑張ったと思うかどうかは関係ありません。

積み重ねていけば自分が自分にする評価が高まっていきます。

自分の中にある影を受け入れる

他人に合わせて波風を立てないようにしているからネガティブな感情が出せない。

自分の中に蓄積された攻撃性が人と話すことへの怖さを生み出しているのもあります。

怒り、憎しみ、不満、軽蔑、優越感…

そういう他人に対する攻撃的な感情が自分の中に渦巻いているからこそ、相手の中にも渦巻いているのではと怖がるわけです。

例えば、浮気をした人は相手も浮気するんじゃないかと疑いますが、浮気をしたことがないもしくは浮気なんてことが頭に全くない人は相手が浮気する可能性なんて考えません。

考えの中にないことだから発想が出てこないわけです。(相手が浮気性の場合等を除く)

心理学に投影という言葉があって、自分の中にある影を相手に映し出すことを意味するのですが、まさにこれなんですよね。

「自分の中には攻撃的な性質はない」といくら思い込んでひた隠しにしていたとしても、相手がその影を映し出して怖いと思わせてくるわけです。

攻撃的な性質や汚い部分のない人間なんていません。

もしいるとすれば、それは人間ではないのです。

崇め奉られている歴史上の人物や著名人、有名人、どれだけ人から尊敬され人徳のある人間であったとしても、攻撃的な性質や汚い部分、影を持っています。

人が怖いと思うのは、自分自身に隠している影があるから。

ひた隠しにして目を背けているその影、つまり自分の中にある攻撃的な性質や汚い部分をカウンセリングで少しずつ受け入れられるようになれば、人と話すのが怖い気持ちはどんどん薄れていくのです。

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