人と話すのを怖がっている女性

人と話すのが怖い、人が怖いと思いながら人と接するのはしんどいですよね。

怖いから緊張して普通に話せないし、安心して心を開くこともできない。

どうすればいいのか悩んでおられることと思います。

何を怖いと思っているかは人それぞれです。

他人から攻撃されることを怖いと思っている人もいれば、自分のプライドが傷つけられることが怖いと思っている人もいる。

コミュニケーションが苦手で相手に拒絶されるのが怖いと思う人もいるでしょう。

怖さの種類は違えど根底にあるのは人とかかわりたい気持ち。

人とかかわりたい、仲良くなりたい気持ちが強いからこそ人と話すのが怖くなるんですよね。

⇒特定の人だけが怖い場合はこちら

人と話すのが怖い感覚は悪化していく

人と話すのが怖いと思っていると会話を避けるようになります。

話しかけてもらえても会話が続かず一言で終わってしまったり頭で考えていることが上手く話せなくなったりしてどんどん自信を失っていく。

普通に話せないと変に思われるから余計に人とのかかわりを避ける。

初対面は偽りの自分で乗り切ることができても、ボロが出そうな二回目以降になると上手く話せない

他人の考えを聞く機会がなくなって自分の考えに固執、悪い方にばかり考えて相手を信用できなくなってしまう。

優しくしてくれる人に対しても陰では自分の悪口を言っているんじゃないかと疑ったり

相手の反応を過敏に察知するからほとんどの人が気付かない些細な反応を拾っては嫌われていると思い込んで落ち込む。

目を合わせるのが怖いからどこを見ていいかわからない。

周りから変に思われないようにと意識するあまり行動がぎこちなくなって注目を浴びてしまう。

常に見られているような感覚になるから人が近くにいるだけで怖い。

生活に支障が出てきた段階で対人恐怖症と呼ばれる状態になるのです。

悩んでいる期間が長ければ長いほど改善しづらくなりますので、なるべく早い段階から改善に取り組んでいきましょう。

ここからは人と話すのが怖いと思う原因だけでなく、改善するために何をすればいいかまで具体的にお伝えしていきます。

⇒対人恐怖症の度合いが気になる方はこちらでチェックできます

「人と話すのが怖い」を生み出す3つの原因

日本の文化

田舎の風景

まずは日本人が根底に抱えている人が怖いという感覚から。

「人と話すのが怖い」というのは特殊な、おかしい感覚と思われがちですが、実は日本人が誰しも抱えているものだと知っていただきたい。

私たち日本人は「社会からの孤立=死」という感覚を持って生きています。

  • 和を以って貴しと為す
  • 自己主張より他者配慮
  • 個人主義より集団主義

以上のような言葉で表されるように、みんなのために生きる、自分を犠牲にしてでも人の為に、という考え方が根付いているわけです。

大規模災害で被災地以外の人が自粛したり、募金やボランティアを必死になってやるのも、日本が諸外国に比べて殺人より自殺する人の比率が高いのも、日本人特有の考え方が影響していると言われています。

集団の中の自己主張が毛嫌いされ浮いてしまうことを恐れるため、みんな同じ、世間体、平均、普通といった概念に縛られて個性を押し殺している。

このような社会で生きていく限り誰もが多かれ少なかれ他人の目を気にせざるをえないので、日本人は全員対人恐怖症だと言えるかもしれません。

⇒関連記事:日本の村社会が生み出す対人恐怖症

親子関係

お絵描きをしながら話す娘と母

自分が好きなことを否定される、感情的になりやすいことを否定される等、性質や特徴、感性に対する親からの否定。

親の考えを一方的に押し付けられることの繰り返しによる「言っても聞いてもらえない」「言ってもムダだ」という諦め。

何かができたときだけ親に認めてもらえるという条件付の愛情により「いい子」を演じる。

結果がすべてという考えによって過程の頑張りを評価されない。

ヒステリックな親の顔色をうかがうことが他人基準の始まりになることもあります。

兄弟姉妹、他人と比較してダメ出し。自分と他の兄弟姉妹に対する親の態度が違う。

ドラマやバラエティ、音楽番組を見せてもらえない等によって、学校で周りの話題についていけなくて困る。

過干渉、過保護により自我(アイデンティティ)が確立されないことも大きいです。

本来であれば「感じる→考える→行動する」のサイクルによって感性が磨かれていくのですが、親に言われた通りに行動するから考えることも感じることもなくなっていく。

例えば、お礼を言うにしても「ありがとう言いなさい」と言われて言うのと、感謝の気持ちが生まれて「ありがとう」と言うことの違いは大きいのです。

⇒関連記事:親子関係が及ぼす影響が大きいと言わざるをえない理由

学校

帰宅する女子中学生数人の後ろ姿

集団生活により協調性が身につく反面、他人との違いを意識するようになる。

勉強ができるかどうか、運動ができるかどうか、容姿がいいかどうか、面白いかどうか、友達が多いかどうか等、表面的な要素で優劣を判断。

見た目や生まれ持った性質(HSP発達障害など)が周りと違うといじめやからかいの対象になりやすい傾向があります。

スクールカースト、女子の場合はグループも意識することになり、孤立しないために集団の中で自分の居場所を確保しようと必死になる。

中学で知らない子ばかりのクラスになったり、転校したときに上手く馴染めなかった場合、周りに合わせる自分を演じて本当の自分を抑え込んでしまう。

先生からありのままの自分を否定された経験。

デリカシーのない友達からの指摘や悪意のある言いがかりによって、本当はおかしくないのにおかしいと思い込んでしまうことも。

仲良くしていた友達が急に無視してきたり、仲間外れにされたりすることで、人を信じられなくなることもあります。

人と話すのが怖い状態を改善するために

自分を取り戻す

周りに合わせて自分を作ってきたから素の自分が受け入れてもらえると思えない。

みんな(世間一般)と比較して違うところを見つけては「自分はおかしい」と否定してきた。

自分だけ他の人たちより明らかに劣っているような気がする。

本当の自分を知られたら嫌われるんじゃないか、離れていってしまうんじゃないか、馬鹿にされるんじゃないか…

さらに、バレるのを恐れてビクビクしていることまで隠そうとするから余計に人と話すのが怖くなってしまう。

「他人にどう思われるか、どう見られるか」ばかりに焦点を当ててきたから自分が空洞化しているのです。

自分に中身があると思えれば隠す必要もないし怖がることもなくなる。

いかに隠す必要がない状態にするか、自分を取り戻すことが改善のポイントになります。

まずは日々の生活で「自分がどうしたいのか、どう思っているのか」を振り返って書き出してみてください。

そして、できる範囲から少しずつ自分がやりたいことをやっていきましょう。

自分を取り戻すことができてくれば人と話すのが怖い感覚は薄れていきます。

自分の基準で自分を評価していく

人は「自分が自分にする評価」と「他人が自分にしてくれる評価」の2つで成り立っています。

両方の評価をあわせて100点になるような感じです。

自分が自分にする評価が10点の人は残りの90点を他人からの評価で埋めようとする。

だから、他人の目を気にして人と話すのが怖くなってしまう。

他人からの評価で自分の価値が決まるような感覚なので、「他人の目なんて気にするな」といくら言われても効果がありません。

改善するためには自分が自分にする評価を高めていくことが必要なのです。

まず自分の性質や状態を書き出してみる。

その上で「自分なりに頑張ったところ」を探してみましょう。

人と話すのが怖い状態でも挨拶ができたとか、面倒くさがりなのに今日は片づけができたとか。

どんな些細なことでも大丈夫、他人が頑張ったと思うかどうかは関係ありません。

積み重ねていけば自分が自分にする評価が高まっていきます。

自信を持てるようになるために大切な大前提も参考にしてください。

自分の中にある影を受け入れる

他人に合わせて波風を立てないようにしているからネガティブな感情が出せない。

自分の中に蓄積された攻撃性が人と話すことへの怖さを生み出しているのもあります。

怒り、憎しみ、不満、軽蔑、優越感…

そういう他人に対する攻撃的な感情が自分の中に渦巻いているからこそ、相手の中にも渦巻いているのではと怖がるわけです。

例えば、浮気をした人は相手も浮気するんじゃないかと疑いますが、浮気をしたことがないもしくは浮気なんてことが頭に全くない人は相手が浮気する可能性なんて考えません。

考えの中にないことだから発想が出てこないわけです。(相手が浮気性の場合等を除く)

心理学に投影という言葉があって、自分の中にある影を相手に映し出すことを意味するのですが、まさにこれなんですよね。

「自分の中には攻撃的な性質はない」といくら思い込んでひた隠しにしていたとしても、相手がその影を映し出して怖いと思わせてくるわけです。

攻撃的な性質や汚い部分のない人間なんていません。

もしいるとすれば、それは人間ではないのです。

崇め奉られている歴史上の人物や著名人、有名人、どれだけ人から尊敬され人徳のある人間であったとしても、攻撃的な性質や汚い部分、影を持っています。

人が怖いと思うのは、自分自身に隠している影があるから。

ひた隠しにして目を背けているその影、つまり自分の中にある攻撃的な性質や汚い部分をカウンセリングで少しずつ受け入れられるようになれば、人と話すのが怖い気持ちはどんどん薄れていくのです。

⇒対人恐怖症を克服するにあたって考慮すべき7つの要素