脇見恐怖症自己臭恐怖症等の確信型対人恐怖症で悩んでいる人は、他人に迷惑をかけることをものすごく気にする傾向があります。

症状が出て他人に迷惑を掛けてしまうから克服したいと言う人もいるくらい。

まるで迷惑をかけないことが生きる目的のようになっているのです。

しかし、いくら迷惑をかけないようにと頑張っても対人恐怖症を克服することはできません。

迷惑をかけないようにできたところで、楽しくなるわけでも幸せになるわけでもないですからね。

ただただ問題が起こらないというだけの人生。

そんなものを心から望む人なんているはずがない。

自分の心に嘘をついたままでは対人恐怖症は消えてくれないのです。

人に迷惑をかけない生き方が引き起こす問題

迷惑をかけない裏で自分の気持ちは置き去り

対人恐怖症が克服に向かえば向かうほど、他人に迷惑を掛けてでも自分がやりたいことをやるようになります。

それが本来の自然な形だからです。

  • 親に迷惑がかかるから相談せず一人で抱え込む
  • 友達に迷惑がかかるから一人で頑張ってこなす
  • 職場の人に迷惑がかかるから誰にも頼らず仕事を頑張る

迷惑をかけないようにと抱え込むのはただしんどいだけ。

本当はしんどいし、もう無理と思う気持ちもあるのに無視してないがしろにする。

自分の気持ちを大事にしていないわけです。

人との距離感が縮まらない

人に迷惑をかけないようにしていると、助けを求めることも甘えることもできません。

  • 困っていても手伝ってほしいと言わない
  • どれだけ悩んでいても相談しない
  • 嫌なことがあっても愚痴を言わない

「手伝いましょうか?」と言ってくれても「大丈夫です」と断る。

人とのかかわりが減るだけでなく、周りの人たちに距離を感じさせてしまいます。

逆に、些細なことでも「ちょっと聞いてよ」「手伝ってもらえませんか?」と声をかける人は距離が縮まりやすい。

適度に助けを求めたり甘えたりすることは、良好な人間関係を築く大切な要素だからです。

人に迷惑をかけないよう必死になる原因

安心できないから迷惑をかけないようにするしかない

迷惑をかけないようにするのはマイナスを防ぐ考え方です。

  • 変に見られないようにしよう
  • 嫌われないようにしよう
  • バカにされないようにしよう

対人恐怖症で悩んでいる人は、マイナスをなくそうと必死になっています。

しかし、どれだけ必死に頑張っても0にしかなりません。

人との関係で言えば、好かれることも嫌われることもない状態です。

好きな人なら許されて嫌いな人は許されないことってありますよね。

嫌われていないから風当たりは強くないけど、好かれていないから許してもらえることもない。

だから、安心できない関係のままマイナスを防ぎ続けることになるのです。

    波風が立つことを恐れすぎている

    波風を立てないように、とにかく衝突は避けたい。

    だから、言いたいことを言わず相手に合わせる。

    見た目や性格等、自分を構成する要素に特徴があってはならない。

    拒絶される可能性があることは徹底的に排除しようとする。

    マイナスをなくそうとするのは安心、安全を求めているから。

    平穏に生きたいと思うがあまり、ほんの些細な水面の乱れが気になってしまうところもあります。

    水面は乱れるもの。

    波風を一切立てないように生きることはできません。

    自分が必死に波風を立てないようにしていても他人が立ててくることだって十分あり得ますからね。

    波風を立てないようにするのではなく、波風が立っても大丈夫でいられる自分になることが大切です。

    自分にプラスがないという自信のなさ

    例えば、プラス50のストックがあればマイナス10を恐れることはありませんよね。

    しかし、プラスがない人、0だった場合はどうでしょう?

    マイナス10なんて恐ろしくて仕方ないですよね。

    というか、マイナス0.1すら怖いほど。

    「自分には何もいいところがない。ダメなところばっかりだ…」と思っている人はプラスのストックがありません。

    迷惑をかけてしまうことに過敏なのは、自分には良いところがないと思う自信のなさも影響しているのです。

    対人恐怖症を克服するために迷惑をかけるかけないの次元から抜け出す

    迷惑をかけないように生きるのは無理

    そもそも人が生きていく上で迷惑をかけないようにするのは不可能です。

    お互いに迷惑をかけてしまう部分がありながらも、どこかで補い合っていく相互扶助で世の中は成り立っています。

    例えば、生まれつき何かしらの障害がある人は、迷惑をかけざるをえないところがどうしても出てくるでしょう。

    障害がなかったとしても、体調が悪いときに助けてもらうことがあったり、大雑把な人は細かい人にフォローしてもらうことがあったりします。

    だから、迷惑をかけないようにするのではなく、迷惑をかけてしまう分、何かで補えるようにしていく考え方が必要です。

    実際に「迷惑をかけないようにする」から「迷惑をかけても他で補う」に考えを切り替えることで一気に克服された方もいました。

    自分と周り両方にとってプラスに働くことを探す

    迷惑をかけないように生きていても楽しくも面白くもありません。

    だから、対人恐怖症に悩まされるのです。

    マイナスを防ぐ方向ではなく、プラスを生み出す方向に目を向けてみましょう。

    1でも2でもプラスを生み出せれば楽しいと感じることができます。

    自分にとってどういう生活ができれば心地いいのか?

    自分にとってどういう人付き合いができれば楽しいのか?

    その上で周りの人たちのために何かできることはないかを考えてみる。

    どうしてもマイナスを0にする方にばかり意識が向いてしまってそれはそれで置いておく。

    少しだけでも考えてみてください。

    人生の目的を見つけることが必要

    流れを変えるために過去は切り離す

    過去の記憶にとらわれ、過去のせいで自分はこうなった。

    昨日の自分はこうだったから今日もこうなった。

    今日の自分はこうだったから明日もこうなる。

    この思考の流れでは上手くいくはずがありません。

    上手くいっていない過去をもとに明日を考えたところで上手くいかない現状が繰り返されるだけになりますからね。

    今と違う流れの未来を考え、膨らませていくこと。

    過去ではなく自分が望む未来との因果関係をいかに強めていけるか。

    グーグルマップで目的地を入力することによってルートが表示される、だから目的地に到達できるのと同じ原理です。

    「でも、みんなそんなこと考えていないじゃん。」と言う人もいます。

    だから、うつ病、依存症が増えているのです。

    みんな本当に自分がどうしたいかを見失い、日々の義務感に駆られながらストレスを抱えてゲームやアルコール、ギャンブルに依存。

    会社に行かないとと思うのに体が動かない。エネルギーが湧かない。

    高度経済成長期のようにとりあえず目先のことをこなせば、年功序列で終身雇用、お見合い結婚、老後には安定した年金という時代は終わりました。

    代わりにユーチューバーやコスプレイヤー、職業においても選択肢がものすごく増えている。

    その中から選択をして生きていかないといけないわけですから自分の意志が必要な時代になったと言えます。

    過去や現状を切り離した上で、自分がやりたいことやありたい姿についてしっかり考えてみてください。

    「もし、対人恐怖症がなかったらどういう生活をしていますか?」

    この質問にパッと答えられる人はもう悩んでいないでしょう。

    人間の脳は具体的にイメージできる臨場感が高いことを現実化します。

    悩みがなくなった状態が漠然としていて、悩んでいる状態が具体的で臨場感が高いとなれば悩んでいる状態が現実化されてしまう。

    悩みがある状態が続いてしまうわけです。

    具体的で臨場感の高いことが現実になるという話はイチロー選手の卒業文集が有名ですよね。

    「プロ野球選手になる」という漠然としたものではなく、プロ野球選手になるまでの過程、今何をすべきかまで具体的に描かれています。

    対人恐怖症で悩んでいない生活ってどんな感じ?

    今の自分をベースにすると難しいので、対人恐怖症で悩んでいない人の生活を想像してみましょう。

    当然ながら症状が気になって相手にどう思われたかばかり考え続けることはありません。

    多少なり人とのかかわりで気にすることはあっても、とらわれて一日中考えたりすることはないですよね。

    だから、たいていは自分の好きなことや興味関心があること、自分にとって大切なことを中心に考えて日々を過ごしています。

    美味しいものを食べに行くのが好きな人であれば「今度の週末はどこに食べにいこうかな」「どのお店がいいかな」なんて考えていたり。

    スマホのゲームにハマっている人であれば「次のイベントはいつ始まるのかな」「あのキャラ欲しいな」とか考えたりするわけです。

    試験に向けて勉強のことで頭がいっぱいの人もいるでしょうし、転職を考えている人もいると思います。

    パソコンをどうすれば安く買えるか考えて必死に調べているかもしれません。

    友達関係や恋愛のこと、子育てで悩んでいる人もいるでしょう。

    今、悩んで対人恐怖症のことばかり考えている人も、本来ならこういうことをメインに考えるはずなのです。

    対人恐怖症ではない生活を具体化して臨場感を持たせる方法

    しかし、現状は症状のことばかり考えていて、どうすれば対人恐怖症が克服できるかをネットで調べまくったり、関連する本を読んだり、さっき会った人に嫌われたんじゃないかと考えたり、来週の飲み会をどうやって断ろうと考えたり…

    この状態のままで対人恐怖症が克服できた場合の生活を考えてもなかなか臨場感が生まれません。

    他人事のようになってしまうだけです。

    どうすれば臨場感が生まれるのか?

    ほんの少しだけでもいいから対人恐怖症で悩んでいない場合の生活を今の生活に取り入れていくのです。

    実際に行動を起こすのが難しいのであれば本来考えたいはずのことに意識を向けることからでもかまいません。

    比率が高まれば高まるほど臨場感が高まっていきます。

    対人恐怖症を克服できた生活に近づくから当然ですよね。

    自分が本来考えたいはずの「自分の好きなことや興味関心があること、自分にとって大切なこと」を見失っている場合は、カウンセリングで少しずつ見つけていくところから。

    対人恐怖の症状は症状として置いといて、好きなことをやろうとしたり、話したりするようになっていくのである。好きなことを熱心に聴くことは大切である。自分はこれでいいんだ、という意味での自信を育てるように思う。好きなことは、自然なこころの発露であり、人間の本質とつながっているからである。

    引用元:大学生の対人恐怖症者の臨床的特徴と治癒過程 : 治癒の過程における内閉の意味について、2000、神奈川県立外語短期大学紀要総合編

    好きなことや興味関心があることを見つけるだけでなく、カウンセリングで話すこと自体にも意味があります。

    対人恐怖症で悩んでいない生活のイメージから本当は自分がどうしたいかを見つけ出し、その延長線上にある自分が望む未来に目を向けられるようにしていきましょう。