何も気にせず電車に乗っている人もいれば、どこを見ていいかわからず困っている人もいます。
スマホを触っていても視界に入る隣の人が気になったり、音楽を聴いても集中できなかったり、広告や景色を見ていても落ち着かなかったり、向かい合わせに座ると顔が上げられなくなったり…
本来電車に乗ったら自分の好きなことを適当にやるだけのはずが、どこを見ていいかを考え出すと平気ではいられなくなる。
電車の中でどこに目線を向ければいいかわからなくなってしまうのです。
なぜ電車内で目のやり場に困ってしまうのか、どうすれば目線を気にせず過ごせるのかについてお伝えしていきます。
電車に乗ったときどこを見ていいか困るのはなぜ?
他人への気遣いが過剰になっている
普段から他人がどう思うかばかり考えている人ほど、電車内で目線をどこに向ければいいかと思いやすい傾向があります。
「目が合うと相手が嫌な気持ちになるかもしれない」「下半身を凝視されていたら不快に思うに違いない」等と考えれば考えるほど目線を向けていい場所がなくなっていく。
目線だけでなく座る場所、立っている場所等、他のことに関しても他人の迷惑にならないかどうか気を遣っている人がほとんど。
他人に対して過度な気遣いをしているから、どこを見ればいいか悩むほどの状態になってしまうのです。
自分より他人を優先する習慣、人に迷惑をかけてはいけないという意識の強さ、共感性が高い性質のHSPが影響している可能性が考えられます。
相手の目に焦点を合わせる見方をしている
電車で向かい合わせになる席に座ったとしても、よほどのことがない限り向かいの人の目を見ることはありません。
例えば、向かいの席の後ろの景色を見るときは、景色に焦点が当たっているため、相手の目にはピントが合わない状態になるはずです。
にもかかわらず、目が合ってしまうのは相手の目に焦点を当てる目線の向け方をしてしまっているから。
道を歩いているときでも向かいから歩いてくる人の目を見ていれば目が合うし、見ていなければ目が合うことはありません。
自分が見たことで相手がどういう反応をしたかまで覚えているとすれば、相手の目だけでなく反応まで含めて焦点を当ててよく見ているということです。
相手と目が合うことで不快な思いをさせているのではないか、自分の目線がきついのではないか等を考えてしまう状態であれば、自己視線恐怖症に該当する可能性があります。
見てはいけないと思えば思うほど見てしまう自己視線恐怖症。厄介な症状の原理と背景にある問題について解説しています。
他人の目を意識する度合いが高い
自分が見ることによって「相手を不快にさせてはいけない」と思うから、人を見てはいけないと思っています。
たしかにジロジロ見続けたり、視線耐性が低い人を見たりすれば相手が不快に思う可能性は高いでしょう。
しかし、見られていることに気付かない人もいれば、実際に目が合っても「目が合ったな」と思うくらいでとくに気にしない人もいます。
なぜ自分が見ることで相手が不快な気持ちになると思うのでしょうか?
それは、自分がそう思っているからなんですよね。
自分が他人の目を意識する度合いが高いから、自分が他人を見ることに対しても意識してしまうのです。
目のやり場を気にせず電車内で過ごすために
意識を緩めてぼんやりさせる
普段から意識的に行動する度合いが高い人ほどボーっとすることが苦手。
他人の目に焦点を当てる目線になってしまうのは意識がハッキリしすぎているせいとも言えます。
自分の目線がどうだとか、相手がどう思うかとか、頭がぼんやりした状態では考えることがありませんからね。
温泉に浸かって「あー、気持ちいいな」と感じている状態をイメージしてみてください。
目線の感覚が少し緩むのを実感していただけるのではないでしょうか。
イメージが難しければ川のせせらぎや風の音等をYouTubeで聴くとかでもいいと思います。
目線が気になる電車の中だけでなく、普段の生活にボーっとする時間を取り入れるとさらに効果的です。
自分がどうしたいかを大事にする
「どこに目線を向ければいいかわからない」という悩みの裏にあるのは「見ていいかどうか」という他人目線の強さです。
ジロジロ見る等、明らかに他人を不快にさせるような目線でない限り、自分が見たいところを見ていいはず。
にもかかわらず、他人目線だから見てはいけないところが出てきて、どこを見ていいかがわからなくなっているのです。
この状態は「他人がどう思うか」ではなく「自分がどうしたいか」に意識を向けていくことで改善していきます。
「自分がどうしたいか」は自分を基準にして生まれてくるもの。
自分が好きなこと、興味関心があること、気になっていることに目を向けてみましょう。
自分がやりたいことに意識が向けば向くほど、電車の中で見たいところを見る、やりたいことができるようになっていきます。
他人目線が強すぎて自分がどうしたいかよくわからない場合はカウンセリングをご活用ください。