大学で勉強しながら話す三人

1対1なら話せるのに3人以上の複数になると急に話せなくなる、話を振ってもらえても一言二言で終わって続かない。

学校の休み時間、友達同士の集まり、ゼミのグループワーク、ママ友ランチ会、子供の習い事、保護者の集まり、役員会、職場のお昼休憩、グループディスカッション、ミーティング、会議、打ち合わせ…

3人以上の複数で話す機会は意外と多いので、学生から社会人、主婦の方まで幅広く悩んでおられます。

頑張って3人以上になりそうな場面を避けていても避けられない場面が出てくるから困るんですよね。

みんなと一緒に会話を楽しみたいのに何を話せばいいかわからない、話すことが出てこない。

話せそうなことが浮かんでもタイミングがつかめないから黙ったまま。

みんなは楽しそうにしているのに自分だけ会話に入れず、変に思われているんじゃないかと気にしながら居心地の悪さを耐え続ける。

複数人で話す場面を何とかやり過ごすだけのしんどい状態は何とかしたいですよね。

なぜ複数人になると話せなくなるのか、そして、どうすれば改善できるかをお伝えしていきます。

複数人での会話が苦手になってしまう理由

場の空気を意識しすぎている

1対1と3人以上での会話において大きな違いは自分が話さなくても会話が成り立つかどうかです。

1対1なら自分が話さないと会話は成立しませんが、3人以上なら別に自分が話さなくても残りのメンバーで成り立ちますよね?

普段から自分が話したいことをベースに話している人は、3人以上でも変わらず自分の話したいことが話せます。

しかし、相手に合わせて話している人ほど他の人同士で会話が成立する状況になると話せなくなってしまう。

会話が成り立って場の空気がいいところにわざわざ自分が入っていく必要がありませんからね。

「自分と話しても楽しくないだろう、自分の話なんて誰も聞きたくないだろう、空気が読めず変なことを言ってしまうかもしれない」と自分を卑下する気持ちが強い。

そんな自分が話に入って場の空気を壊すくらいなら、他の人同士で楽しく話してくれている方がいいと思ってしまう。

話を振ってもらえたときとか、順番が回ってきたときに話せるのは自分が話す必要性が生まれるからなんですよね。

自分が入ったときだけ場がシラケる、空気が変わるような気がして発達障害を疑う人も結構います。

全員に合わせようとするから話せなくなる

誰が聞いても無難なことを言おうとして何を話せばいいかわからなくなるのもあります。

1対1なら目の前の相手に合わせるだけでいいのですが、相手が2人、3人と増えれば増えるほど全員に合わせるのは難しくなっていく。

というか、無理ですよね。

Aさんにとっては興味ある話でもBさんはあまり興味がないとか、Aさんは気にしないけどCさんはすごく気にするとか、人によって感じ方や考え方が違うので全員に合わせることはできません。

にもかかわらず、無理やり合わせようとするから無難なことしか言えなくなり、最終的には何も言わず笑顔でうなずくだけになってしまいます。

参加しても話せずに終わることで「やっぱり自分はダメだな」と一人反省会をして落ち込み、自信をなくすことの繰り返し。

失敗経験ばかり積むから頑張って参加すればするほど話せなくなるのです。

自分の話したいことを話すのは自分発信だから自立的な状態だと言えます。

対して、相手に合わせて会話をするのは相手次第で話せるか話せないかが決まる依存的な状態。

コミュニケーションにおいて相手に依存してしまっているからこそ、3人以上で会話する状態になったときに話に入るタイミングを異常に意識したり、自分が会話に入ることで会話が盛り下がったらどうしよう等と余計なことを考えて話せなくなるのです。

注目されることに対する恥ずかしさも影響

3人以上の複数人で話すと自分が注目されることになります。

5人で話していれば自分以外の4人から注目される、10人で話していれば自分以外の9人から注目される。

他人の目を気にしている人にとって注目されるのは苦痛でしかありません。

ものすごく恥ずかしい気持ちになりますからね。

小学生の頃から先生に当てられて発表するのが苦手で、当てられたらどうしようとドキドキしていた人も多いです。

「変に思われたくない」「嫌われたくない」「良く見られたい」といったことを思っている人ほどプレッシャーがかかる。

理想とかけ離れた自分の姿が受け入れられないから恥ずかしい。

さらに恥ずかしい気持ちまで隠そうとするから話すどころじゃなくなってしまうわけです。

初めての三者関係が出来上がる父親との関係が影響している可能性もある

トラウマになるような失敗経験を持っているというケースはほとんどありません。

たいてい複数人の会話で大きな失敗経験がないのに苦手だと感じているのです。

一般的な感覚で考えれば、3人以上で話したときに自分だけ話に入れてもらえなかったとか、無視され続けたとか、「お前の話は面白くないから会話に入るな」と言われたとか、何か大きなショックを受けたから苦手になりましたならわかりやすいと思います。

しかし、そういった経験があるわけでもないのに、昔から苦手だったと言われるケースばかりであることから、原因が幼少期の出来事にあると考えられるのです。

幼少期の出来事とは何でしょうか?

ほとんどの場合が親とのかかわりの中での出来事になります。

とくに3人以上での会話が苦手というケースでは、初めて三者関係が形成される父親を交えたコミュニケーションに問題があったと考えられます。

なぜなら、人間は生まれてすぐ母親と1対1の関係を築くことになり、次にかかわる2人目がたいていの場合は父親になるからです。

3人以上は多人数とのかかわりであることから、家族というコミュニティが社会の入り口とも言われます。

  • 意見を聞いてもらえず父親が一方的に考えを押し付けてくるだけだった
  • 家族で食事をしてもテレビのことを少し話すだけで会話らしい会話がなかった
  • 母親の独壇場で家族全員が聞き役に徹する状態だった

家族という最小単位のコミュニティで会話をする感覚がつかめなかったのは3人以上の会話に大きく影響します。

つまり、3人以上での会話が苦手な原因として父親を交えた家族とのコミュニケーションでつまづいた可能性が考えられるのです。

⇒関連記事:親子関係が及ぼす影響が大きいと言わざるをえない理由

複数人でも会話ができる状態になるために

会話における自分のスタンスを知る

三人以上になると話せない人は自分のスタンスを見失っています。

会話のスタンスは人それぞれ、テンポがゆっくりの人もいれば速い人もいる。

話すのが好きか相手の話を聞くのが好きかも人によって違いますよね。

あとはリアクションが大きいか小さいかとか、身振り手振り使って話すかどうかとか…

話し出してすぐからエンジンがかかって話したいこと、聞いてほしいことがバンバン出てくる人もいれば一定時間経ってからポツポツ出てくる人もいたり。

複数人の会話で困っていない人は自分のスタンスで話せています。

自分は気の利いた返しができるタイプじゃないと認識していれば上手く返せなくても当然だから気にしないでしょう。

輪に入って話を聞ければ満足という人は聞き役で全然話さないけど、自分が話せていないことを気にしません。

「自然体で話しているときの自分ってどんな感じだろう?」

一度考えてみてください。

自分のキャラクターを見極めて立ち位置を確立させる

複数人の会話では自然と役割分担が起こります。

全員が全員、自分が自分がと一方的に話していては会話が成り立ちませんからね。

Aさん…話のネタを出す人

Bさん…質問をして広げる人

Cさん…話を聞く人

Dさん…全体を見渡して話を振る人

Eさん…毒舌を期待されている人

Fさん…いじられて自虐ネタを言う人

Gさん…わからないことがあればすぐ調べる人

Hさん…やたらリアクションが大きい人

Iさん…ときどき面白いことを言って笑わせる人

他にもいろんな役割がありますが、複数人の会話に上手く入れている人はちゃんと立ち位置を確立させています。

キャラが立っているというのか、個性がちゃんと出せているから周りにも立ち位置を認識してもらいやすいんですよね。

まず自分のキャラクターはどんな感じなのか?

そして、そのキャラクターを活かせる立ち位置はどこなのか?

把握できていると自分の立ち位置を確立させやすくなりますよ。

1対1でも主体的に話せるようにしていく

普段から1対1の会話においても自分が話したいことを話していくことが必要となります。

ただ、今まで自分が話したいことを話してこなかったのには原因があり、それが幼少期からの親子関係による問題であったりもするわけですから、話そうとして話せるものではありません。

話せるようにするための準備が必要となるのです。

まず自分が話したいことが浮かんでくる状態にするために、普段から自分が何を思って何を感じているのかという自分の感情に意識を向けていく習慣をつけることから。

そして、カウンセリングを受けながら無意識に抑え込んでいる感情(とくにマイナス面)を自覚できる状態にしていくことによって、少しずつ表現したい気持ちが高まり、自分が話したいことを話せるようになるのです。

  • 最近観た動画がすごく面白かったから話したい
  • 雑貨を見るのが好きだから雑貨が多いお店に行きたい
  • 人が多いのは嫌だからなるべく空いている時間帯に出かけたい

自分なりの意見や考えが出てくるから自己主張もしやすくなります。

さらに複数人での会話においては、場の空気に飲まれないように実態をつかむこと等も大切です。

話し方を練習しても何の解決にもならない

すでに経験済みの方もおられると思いますが、本で話し方を勉強したり、話し方教室に通ったりしても何の解決にもなりません。

なぜなら、話し方やコミュニケーション能力が問題ではないからです。

私自身、職場で雑談がまったくできず悩んだ時期がありましたので、コミュニケーション能力を高めようと本で勉強したり、セミナーに参加したりもしましたが結局しゃべれないままで終わりました。

たとえ聞き取りづらくたどたどしい話し方でも会話は成立しますし、話下手でも複数人で楽しく話せる人なんていくらでも存在します。

複数人での会話が上手くいかないのは、単なる経験不足や話し方が悪いといった表面的なことではなく、それ以前の部分が問題になっているのです。

まず土台となる部分があって初めて経験やスキルが活きてくるわけで、逆にその土台がない状態では何をやっても改善することはありません。

もっと本質的な部分に目を向けてください。

カウンセリングでは複数人の会話が苦手な状態を改善するため、何をすればいいかまで具体的にお伝えしています。

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