「初対面なら話せるけど2回目以降は緊張して会話ができない」というお悩みでご相談いただくことは多いです。

初めて会ったときだけ普通に話せるけど、2回目、3回目と回を重ねるごとにだんだん話せなくなる。

何を話していいのかわからない…

2回目以降は会わないようにしたいと思っても、職場や学校、近所付き合い、子供の親同士のかかわりとなればそうはいきません。

期間が経過すればするほど「周りは仲良くなるのに自分だけ…」という孤立感が増していく。

誰かと一緒はしんどいから一人の方が楽だと思うようになり、どんどん付き合いが悪くなって仲良くなるどころか疎遠になる一方。

ぎこちないまま仲良くなることもない苦しみを耐え続けるしかなくなってしまうのです。

人見知りなのかとご質問いただくこともありますが、人見知りとは逆の状態だと言えます。(「二度見知り」と呼ばれているようです)

人見知りの人は初対面では緊張して話せないものの、回数を重ねるごとに緊張が和らいで話せるようになっていきますからね。

では、いったい何なのでしょうか?

二度見知りは対人恐怖症に見られる傾向

初対面や知らない人は平気だけど二回目から緊張するというのは、対人恐怖症の「半知り」を恐れる感覚と似通っています。

臨床心理学領域においては、対人恐怖心性の高い人が「半知り」という対人状況を恐れるということがよく知られている。これは、初対面でもない、かといって家族や親友のような深い関係でもない、ちょうどその中間程度の間柄である人と接する時に不安や緊張を感じるという現象であり、この二度見知りという現象との類似点が多いと考えられる。

「二度見知り」はなぜ生じるか?、2018、日本心理学会大会発表論文集

一度話したから知らない人ではないけど親しくなったわけでもない。

中途半端な関係が形成されてしまうことでどう接していいかわからなくなる。

初対面や知らない人もしくは深い関係の家族や知人が大丈夫というのは、0か100かの両極端になりやすい対人恐怖症の傾向と一致します。

顔見知り程度の人に出くわしたら、気付いていないふりをして逃げる人も多いですね。

二度見知りをしてしまう背景には以下のような原因が潜んでいます。

初対面は大丈夫なのに2回目から話せなくなる原因

相手に嫌われたくないと思っているから

「本当の自分を知られたら嫌われるかも」という不安がある人は自分のことを知られたくないと思っています。

知られたくないから自分のことを話さない。

初対面なら相手もそこまで踏み込んでこないし表面的な話だけで成り立ちますが2回目以降となると変わってきますよね。

お互いに自分のことを話す必要が出てきます。

回数を重ねるごとに少しずつお互いのことを知って関係を築いていくわけですが、嫌われたくないがために自分のことを話さない。

何度も会っているのに距離感が縮まらないとお互いに居心地が悪くなるので、どんどん気まずい関係になっていくのです。

相手のことを知れば知るほど気を遣う度合いが高まるから

初対面であれば相手のことを知らないので合わせようにも合わせられず気を遣う度合いは低い。

しかし、2回、3回と会う毎に相手のことを知っていくので、相手に合わせられるようになっていきます。

「こういうことが好きなんだな」「こういうことは嫌いなんだな」「こういう考えをしているんだな」

相手のことを知れば知るほど合わせてしまうから気を遣う度合いがどんどん高まっていく。

話したいことがあっても相手が興味を持ちそうになければ話さないようにしたり、たいして興味もないのに相手の好きなことについて自分から話を振ってみたり…

親しい相手でも多少なり気を遣うことはありますが、気を遣いすぎるとしんどくなっていきますよね。

相手の期待に応えようとしているから

初対面のときにいい感じで話せれば話せるほど2回目も同じくらい話せないとと思ってしまう。

「相手の期待を裏切ってはいけない」とプレッシャーを感じて話せなくなるのです。

初対面のときは頑張って愛想よく話せたりしますが、2回目は初対面のときと比べて「相手にどう思われるか」が気になり出す。

この前は楽しく話せたのに今日楽しく話せなかったらどうしよう…

相手が持ってくれた自分に対する良いイメージを崩したくない。

意識すればするほどぎこちなくなって初対面のときのように話せなくなってしまうのです。

話題がなくなってしまうから

初対面の人と話すことはだいたい決まっています。

「どちらに住んでおられるのですか?」

「どういったお仕事をされているのですか?」

「趣味でやっておられることはありますか?」

話題があまりなかったとしても、質問攻めすれば間をつなぐことだってできます。

しかし、2回目となるとすでに話したことは話せませんし、また同じ質問をするわけにもいきません。

ネタが尽きてしまうわけです。

初対面すら苦手で何とか乗り切ったような人は話を覚えていないこともあって余計に困ります。

初対面だけでなく2回目以降も話せるようになるために

自分のことを話せるようになれば解決していく

初対面なら話せるのに2回目以降話せなくなる人は、普段から相手に合わせたコミュニケーションをとっていて自分のことを話さない傾向があります。

自分のことを話さないから何回会っても関係が深まらない。

相手が友達のように思ってくれても自分は壁を感じるから変に気を遣って疲れる。

会う回数が増えても仲良くならない違和感でギクシャクしていく。

この悪循環を変えていくためには自分のことを話して相手との関係を深めることが必要です。

自己開示は,その送り手と受け手の双方にとって報酬として機能する。受け手にとっては,自分が特に自己開示の対象として選択されたという事実は,自分に対する送り手の好意や信頼感を示すものと解釈され得るし,その内容そのものも,自分の意見の妥当性を高めてくれるものであれば報酬としての意味をもつことになる。また,送り手にとっても,自己開示によって自己明確化,社会的妥当化が可能になるならば,それが報酬として働くと考えてよいであろう。

引用元:対人関係における自己開示の機能、1986、東京女子大学紀要論集

自己開示をすれば相手に喜んでもらえるだけでなく、気づけなかった自分の考えや思いを自覚できる。

さらに返報性によって相手も同じだけの自己開示をしてくれるので、視野が広がることにもつながっていきます。

自己開示でお互いに良い影響を与え合うことによって親しくなれるのです。

まずは自己開示してもいいと思える状態にすることから

ただ、「本当の自分を知られたら嫌われるかも」という不安が強ければ強いほど自分のことを話そうとは思えません。

自己否定を繰り返している人は自分がダメだとしか思えない、そんな自分を見せたら嫌われると思うのは当然ですからね。

カウンセリングで自分のことを話していく中で「話しても大丈夫だ」と思う経験が安心感につながる。

少しずつ自分を肯定できる感覚が高まって自己開示ができる状態になっていきます。

自分を隠す必要がなくなるから緊張感が解けてリラックスできてくる。

相手の話がちゃんと入ってくるようになるので、興味関心を抱きやすくなり関係がどんどん深まっていくのです。

波風立てないように自分を出さず、とにかく他人に合わせ続けてきた人生。

「このままは嫌だ」と思いながらもどうすればいいかわからず悩んでおられるのであればご相談ください。

具体的なアドバイスをもって人とのかかわりを純粋に楽しめるようサポートいたします。

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