「人と話すのが苦手なのを克服したい、変わりたい」と思っている方は多いです。

学校でも職場でも保護者同士の集まりでも何かしらのコミュニティに属する以上、人と話すことは避けられませんからね。

私も人と話すのが苦手だったので「どうすれば普通に人と話せるようになるか」とよく考えていました。

経験が足りないのかと思って自分から頑張って話しかけてみたり、スキルが足りないのかと思って雑談が上手くなる本を読み漁ったり、知識が足りないのかと思って新聞を読んだり話題のドラマを観たり…

いろいろやってみたのですが人と話すのは苦手なまま。

気がつけば人とのかかわりを避けるようになっていました。

私のように人と話すのが苦手で悩んでしまう人もいれば、逆に人と話すのをまったく苦にせず誰とでも楽しく話せる人もいますよね。

なぜ人と話すのが苦手になるのでしょうか?

人と話すのが苦手になってしまう原因と初対面での対処法、根本的な克服方法をお伝えしていきます。

人と話すのが苦手になってしまう原因

生まれ持った性質

大前提として生まれつきの性質が影響していることを知っておいてください。

世の中を動かしている社交的な人たちはしゃべりが得意です。

政治家、講演家、芸能人、コメンテーター…

それは生まれ持った性質であり、同じレベルになるのは至難の業だと言えます。

いくらでも話のネタが湧き上がってきて話そうと思えば何時間でも話せる。

話せるのが当たり前だから、そもそも会話の得手不得手を考えることがありません。

「人と話すのが苦手だ」と悩む時点で自分は生まれつき会話が得意な方じゃないわけです。

かといって、人と話すのが苦手な状態を克服できないことはないのでご安心ください。

私も生まれつき得意ではありませんが、今は普通に人と話せるようになっています。

育ってきた環境で重ねた会話の経験

生まれつき得意じゃない性質でも、小さい頃から人と話すことに苦手意識がない人もいます。

家庭環境、学校生活等の影響です。

人は成長していくことができるので、たどたどしい話し方でも家族がちゃんと話を聞いてくれたり、友達が一緒に会話を楽しんでくれたり。

話すことの楽しみを感じ、成功体験を重ねることで苦手意識がなくなる可能性はいくらでもあります。

逆に、家族が集まってもテレビのことを少し話すだけ、学校に行ってもほとんど人と話さないとなれば、話せるようにはなりませんよね。

人と話すのが苦手だからなるべく話さないようにする。相手に合わせてばかりで自分の話をしない。

人と話す機会がなく、自分からも避けてきたからできないのもあるわけです。

雑談は女性より男性の方が苦手になりやすい

雑談が苦手な人は比較的男性に多く見られます。

だから、ゲームをしながら話したり、タバコを吸いながら話したり、キャバクラで女性を介して話したり、ギャンブルや風俗のネタで話したりするわけです。

雑談が苦手だと思っていない人でも、どこか逃げ場を作りながら話しているところがありますね。

原因としてよく男性脳と女性脳の違いが出てくるのですが、私はそれ以上に積み重ねてきた習慣の影響が大きいのではと思っています。

テストの点数、運動能力の高さ、ゲームの上手さ、キャラクターの強さ、格好良さなど、小さい頃から男性は目に見える表面の話をすることが多い。

周りからも結果で評価されやすく競い合う傾向が見られます。

女性の場合はお絵描き、人形遊び、おままごと、お菓子作りで上手い下手を競うことが少ない。勉強や運動も能力を競うより一緒に頑張ることが重視。

他の子より絵が下手でも周りの大人は上手いと言ってくれる、お菓子もおいしいと喜んで食べてくれる、かわいらしさがあればかわいいと言ってもらえる。

表面だけでなく内面も評価されやすく、共有を大事にする傾向が見られます。

過程も含めて共有、共感を中心とする女性に比べ、結果重視の表面的な会話が中心となる男性は雑談が苦手になりやすいのです。

初対面の人と話すのが苦手でも乗り切れる対処法

人と話すのが苦手な状態を克服する方法の前に、多くの人が困る初対面を乗り切る対処法をお伝えします。

事前に質問を用意しておく

質問の用意は何度も顔を合わせる相手には使えませんが、初対面を乗り切ることだけを考えれば有効です。

初対面で質問する内容はたいてい決まっています。

  • どこから来られたのですか?
  • どこの大学ですか?
  • どういったお仕事をされているんですか?
  • 普段どういったことをされているんですか?
  • 出身地はどちらですか?
  • お休みの日とか、だいたい何をされているんですか?

会う場面や相手によって変わるところはありますが、同じようなニュアンスのことばかりです。

可能であれば「質問したらたぶん相手はこう返してきて、自分はこう返して」とシミュレーションまでしておくといいですね。

なるべく複数のパターンを想定して挑みましょう。

何を話せばいいかわからなくなったら?

事前に準備していても実際の会話でネタ切れしてしまうことはあります。

頑張って話題を考えても思い浮かばず、気まずい沈黙の時間が流れる…

何を話せばいいかわからなくなるのは正解を求めているから。

相手が言って欲しいこと、求めていることを話そうとするあまり緊張してしまうんですよね。

知り合いや親密な関係の相手ならまだしも、よく知らない相手の求めていることを話すのは至難の業。

そもそも現実離れしたことをやろうとしているんだと認識してください。

地に足が着いて緊張が少し和らいでくるはずです。

「人と話すのが苦手」を克服する9つの方法

会話の不完全さを大切にする

人と話すのが苦手な人は結果ばかり見ています。

上手く話せたかどうか、変なことを言わなかったか、相手の反応が良かったか、自分といて嫌そうではなかったか、会話を楽しめたかどうか…

だから、中身がない会話になってしまうんですよね。

話を振ってもらったのに上手く返せないこともあれば、失言で気まずい空気にしてしまうこともあるでしょう。

上手く説明ができなくて「えーっと、あれあれ、なんだっけ」となるのもよくあります。

結果だけ見れば「あー、失敗した…」と落ち込むかもしれませんが、不完全な人間らしさが出せたと考えることもできます。

会話は人それぞれの不完全さによって面白くなるものです。

上手く話そうとするのではなく、逆に不完全さを大切にする意識で会話してみてください。

「実はみんな不安を抱えている」という事実を知る

人と話すとき「相手は興味ないかも」「上手く説明できないかも」「変なこと言っちゃったかな」といった不安は大なり小なり誰もが抱えています。

「気持ちが落ち着かない」「どきどきして心細い」といった症状は、「不安」や「緊張」といわれるもので、誰でも感じる感情の一種です。
何か心配事や気がかりなことがある時、目上の人や初対面の人に会う時、試験の前などにこのような症状を感じることは正常な反応で、別に病気ではありません。原因となる心配事などがなくなれば、症状も自然に消えてしまいます。

引用元:不安・緊張 ~気持ちが落ち着かない・どきどきしてこころ細い~|こんな症状ありませんか?|みんなのメンタルヘルス総合サイト

初対面でまったく不安を感じない人はいませんし、ある程度仲良くなってきても会話中に不安を感じては解消され、また感じてを繰り返すもの。

学校や職場、近所付き合い、保護者同士のかかわりでは、よっぽど仲良しでない限りどこか不安を抱えながら話しています。

「みんな不安を感じながら話しているんだな」と思って周りを見るようにしてみましょう。

自分のことを話す

会話が苦手な人は自分のことを話していません。

一番のネタであるはずの自分のことを話さないから話題が少ない。

おしゃべりな人の話を聞けばわかると思いますが、たいてい自分のことを話していますよね。

授業を受けていて思うこと、仕事をしていて思うこと、自分が感じたお店の印象、相手の見た目や持ち物に対して思うこと、気温や天気に対して感じること、最近気になっていること、休日に何をしていたのか、何に興味関心があるのか…

「何か話せそうなことはないかな?」と自分に問いかけてみてください。

仕事が忙しかった日に「今日は大変でしたね」と一言感想を言うだけでもかまいません。

話したときの反応がいまいちでも後々つながってくる可能性もあります。

せっかくのネタの宝庫を無駄にせず使っていきましょう。

相手に興味を持つ

相手に興味が持てないと人と話すのが難しくなります。

別に聞きたいことはないけど、とりあえず沈黙が気まずいから話そうか…とりあえず無難に天気の話を振ってみたけど相手の答えに興味ないし…

興味を持たれていないから相手も一言で終わりやすい。

逆にどんな人にでも興味が持てれば会話はものすごく楽です。

相手の話を聞いてイメージが湧き、さらに興味を持って話が出てくる。相手は興味を持ってもらえたことに嬉しくなって話し出す。

相乗効果で会話がどんどん盛り上がっていきますからね。

興味を持てるようになるためにまず「相手はどんな人なのか?」に意識を向けてみましょう。

そして、会話の内容でまず疑問に思うことから少しずつ聞いてみる。

通りすがりの人のように何も知らない相手に興味は持てませんが、情報が集まれば集まるほど興味を持ちやすくなっていきます。

どれだけ話を聞いてもイメージできず興味の持ちようがないという人は発達障害の可能性も考えられます。

引き出しを増やす

興味関心の幅が異様に狭くて会話が苦手になっているケースもあります。

例えば、テレビはNHKのニュースしか見ない、1人のアーティストの曲しか聴かない、ゲームや漫画等の娯楽は一切やらないとか。

人はお互いの情報をもとにしたイメージを共有して話しますので、最低限の情報が共有できないと話しづらくなるのです。

目の前のものを一緒に見ながらが話しやすいのは情報の共有がしっかりできているからだと言えます。

周りに合わせて全く興味のないドラマを見るとか、嫌いなゲームをするとかまでは必要ないと思いますが、普段から一つでも多くの情報に触れるようにしていきましょう。

関連付けのクセをつける

会話は事前にいろんな知識や情報を得ておくことよりも関連付けできるかどうかが大切です。

関連付けができないとなかなか話が続きません。

今は動画でもニュースでも関連付けされたものが勝手に表示されるので、自分で関連付けて考える機会が減っています。

関連付けできるようになりたいなら、日々の出来事や周りの話で「これとこれは似ているな」とか「これとこれは関係ありそう」とかをなるべく考えながら生活してみて下さい。

苦手な人でも書き出していくとできるようになるまでの期間を短縮することができます。

文字だけでイメージしづらい場合は、図で描いていくと効果的です。

今の自分にできる会話を心がける

人と話すのがどれだけ苦手であったとしても、今の自分にできることはあるはずです。

盛り上がるような会話はできずとも、話しかけてもらえたら何か一言返すことはできるかもしれません。少し勇気を出せば自分から話せる人もいるかもしれません。

「できない、できない」とできないことにばかり目を向けていてはできることもできなくなっていきます。

人間は思い込みの生き物です。

できると思えばできるし、逆にできないと思えばできなくなります。

人と話すのが苦手な自分にでもできることはないか、あるとしたら何なのかを考えてみましょう。

ずっとできないことばかり考えていたから簡単ではないと思いますが、「自分は話すのが苦手だから」と思考停止させないでください。

臨機応変な対応力を身に付ける

会話が上手くなる本を読んでみたり、ネットで調べたりしていたとしても、実際に人と話すことを避けてばかりいては、いつまで経っても普通に話せるようにはなれません。

対人恐怖症や引きこもりは典型例です。

人と話すのが苦手な状態を克服するためには、どうしても人とのかかわりが必要となります。

十人十色、人の性格や考え方、価値観がひとりずつ違うように、人によって対応の仕方も変わってくる。

だから、人とのかかわりが少ないうちはなかなか上手くいかないのですが、経験値を積むことができているのは間違いありません。

「このタイプの人にこう言ったら怒らせてしまったな」とか「このタイプの人にこれをしたら喜ばれたな」とか、実際の経験で対応力が高まり、話せるようになっていきます。

とはいえ、いろんなタイプの人と急にかかわりを持つのは現実的ではありませんよね。

まずは身近な人に対して、何が好きで嫌いで、どういう考え方をしていて、何が大事でとか、他人を観察することから始めてみてください。

自分が話したい人とかかわりを持つ

いきなり誰とでも話せるようにするのは不可能です。

まず自分が話しやすい人、一緒に居て楽な人、仲良くしたい人を探してください。

そして、少しずつかかわりを持つようにしましょう。

自分から話しかけることができないなら、話しかけてもらいやすい場所にいるだけでも大丈夫。

自分がどういう人なのかを伝え、相手がどういう人なのかを知る。

互いに自己開示を重ねていくと心理的な距離感は縮まり、少しずつ深い話ができるようになっていきます。

苦手意識は回避によって強化されますが、逆に自分の意志でかかわりを持ち、成功体験を重ねれば克服できるのです。

頑張ってみたけどなかなか上手くいかない、どうしても人と話すのが難しいといった場合は、カウンセリングでサポートいたします。