
脇見恐怖症で視界に人が入ると集中できない状態になっていると、学校、職場、電車等で本当に困ります。
集中して授業を受けることができず内容がまったく頭に入らない。
パソコン業務に集中できず効率が悪いからいつも残業して何とか終わらせる。
学校のテストなら先生への相談で配慮してもらえることもありますが、職場や電車内はどうしようもないですよね。
本記事では人が視界に入って集中できない原因から対処法、改善方法までお伝えします。
なぜ人が視界に入ると集中できないのか?
人に対する不安や恐怖が非常に強い
脇見恐怖症で悩んでいない人たちは、視界に人が入ってもほとんど気にしません。
気にはなっても自分がやりたいことに集中できます。
電車の中で周りを気にせず必死にスマホのゲームをやっている人結構いますよね。
隣に人がいれば間違いなく視界に入っているはずなのに気にならないのです。
スマホゲームをやっている人もで、隣に危ない感じの人が来たら警戒して意識し続けるでしょう。
視界に入った人に意識が向いて集中できなくなるのは不安や恐怖をものすごく感じているから。
警戒心が働いて落ち着かなくなるということです。
不安や恐怖の強さと自分自身が抱えている怒りは比例する
人が視界に入ったときに不安や恐怖を感じるというのは、まるで相手を危険人物であるかのように見ているということです。
例えば、凶器を持っているとか奇声を発しているとか、明らかに危険だとわかる人なら相手の問題でしょう。
しかし、とくに目立った危険性が見られないのに不安や恐怖を感じるとすれば自分の中に問題があります。
人間の心理には、自分が不満や怒りを抱えていると、相手にその不満や怒りを映し出す現象があるからです。
思い通りにならない人生への不満、親を許せない、自分を許せない…
自分の中に満ち溢れた不満、怒りが視界に入った人に映し出されるから怖さを感じる。
つまり、人が視界に入ると集中できない人ほど、不満や怒りを蓄積しているということなのです。
見れないから余計に怖くなる
人が視界に入ると集中できない人は脇見をしないようにしています。
なんとなく視界に入れても見ないとなると、相手がどんな顔していて、どんな動きをしていて、どんな感じの人なのかがわかりません。
脇見をするということは気になっているということです。
何か気になっているのに確認ができない。
となると、余計に気になるし不安も解消されません。
家で1人でいるときにガタッと物音がして「もしかしてドロボー?」と気になっても、実際にその場を確認して風でドアが閉まっただけだとわかれば安心しますよね。
逆に、気になるまま放置したら「ドロボーかもしれない」という疑念が残ったまま。
人が視界に入ると集中できないほど気になっているにもかかわらず、相手を確認できないことも怖さにつながっているのです。
人が視界に入っても目の前のことに集中しやすくするための対処法
自分が集中しやすい本来の体勢に戻す
「どうすれば人を視界に入れないようにできるか」と考え、対策を打っている人がほとんどです。
職場であればパソコンの向きを調整したり、座る位置や体の向きを変えてみたり。
集中できないと仕事が進まないから必死にやります。
しかし、人を視界に入れないようにするほど不自然な体勢になるから集中しづらくなってしまう。
集中できるようになるためには、自分が集中しやすい体勢にすることが必要なのです。
「本来の自分の体勢はどんな感じだったのか?自分はどういう状態なら集中しやすいのか?」を考えた上で少しでも近づけてみてください。
実際に体勢を変えたら集中しやすくなったと言う人は何人もいました。
視界に入った人がどうしても気になってしまうので、なかなか難しいとは思いますができる範囲でやっていただければと思います。
緊張を緩和させる
人が視界に入って集中できないときはものすごく緊張しています。
緊張状態だから周りの些細な反応にも過敏に反応、脇見と紐づけて苦しむのです。
人はリラックスしているときに自然と集中します。
だから、「目の前のことに集中しよう」と意識を強めるのではなく、リラックスで集中できる状態を作るのが効果的。
脇見で緊張しているときでも効果があるのは呼吸法です。
ただ、一般的な腹式呼吸ではなかなか深い呼吸ができずリラックスできません。
効果があるのは息を吸ったときにお腹がへこみ、吐くときにお腹が膨らむ逆腹式呼吸。もしくは、息を吸って一旦息を止め、心の中で5秒数えてから吐き出す方法。
どちらか自分に合う方を使ってみてください。
人が視界に入ると集中できない状態を改善するために
自分の中に蓄積された不満や怒りに気付く
抱え込んだ不満や怒りの感情に気付いていくところからです。
親子関係や学校生活などでずっと我慢してきたこと、我慢させられてきたことはありませんか?
自分では我慢と気付けないまま我慢してきた人も非常に多いです。
とくに親子関係では無意識に正当化して自分を納得させてきた人が多いので気付きにくいと思います。
まずできることは日々の生活で自分の感情の動きに目を向けること。
不満や怒りにつながる感情、人間の一番原始的な感情と言われる「不快」を探してみてください。
そして、「嫌(嫌悪)」「嫌い」へと順番に少しずつやっていきましょう。
人が視界に入ると集中できない状態の人は、相手に迷惑をかけないことを大前提と考え、自分が嫌だと感じないようにしていることが多いです。
本当は嫌いな相手なのに嫌いだと思わないようにしている人もいたり。
カウンセリングでは本来あるはずの感情を教えてもらえるため、自覚しづらい感情にも気付きやすくなります。
過去の不満や怒りと折り合いをつけて抱えない習慣を作る
自分の中にどれだけ不満や怒りが蓄積されているかを知るだけでも変わります。
「これだけの不満や怒りがあるから視界に入る人に不安や恐怖を感じるんだな」と頭だけでなく心で納得できてくるからです。
ただ、不満や怒りを抱えている以上、人が視界に入ると集中できない状態になってしまいます。
過去に抱えたものであれば過去と向き合って折り合いをつけていく。
親に本当はやりたくない勉強を無理やりさせられ、いい子でないと受け入れてもらえなかった不満、怒りがあるなら書き出してみる。
本当はどうして欲しかったのか、本当はどうしたかったのか。当時の感情も交えて。
振り返ってみてもよくわからない、当時は何も感じていなかったのなら「たぶんこういう気持ちだったんじゃないか」と予想するでもかまいません。
簡単ではありませんが、繰り返していくうちに少しずつ折り合いがついてきます。
そして、今の生活において不満や怒りを抱えづらい習慣を作ることです。
過去と折り合いがつけば自然と変わるところでもありますが、意識して不満や怒りを表現できるようにしていくといいでしょう。
なかなか一人だけでは取り組めないことばかりですので、カウンセリングで個別にサポートしております。
脇見恐怖症でお悩みでしたらご相談ください。